作品データ
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Hulu : HD/SDR/2ch
AppleTV : 4K/HDR10+/Dolby Atmos
Blu-ray : HD/SDR/7.1ch
UHD Blu-ray : 4K/HDR10/Dolby Atmos
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あらすじ
新たな移住先を目指して航行していた宇宙船コヴェナント号は、予期せぬ通信を受けたことで計画を変更し、未知の惑星へ降り立つ。
一見すると理想郷のように見えたその世界だったが、調査を進めるにつれ、人類の理解を超えた生命体と過去の出来事が次第に明らかになっていく。
極限状態の中、生存者たちは新たな脅威と向き合いながら、生き残りを懸けた戦いへ身を投じる。
『プロメテウス』で提示された謎を引き継ぎつつ、初代『エイリアン』へ繋がる要素を色濃く描いたシリーズ作品。
SFホラーとしての緊張感と、生命の起源を巡るテーマを融合させた一作となっている。
作品レビュー
前作『プロメテウス』から直接続く物語。
「創造主とは何か」という問い掛けから、さらに一歩踏み込んだ内容になっている。
新たな移住先を目指して宇宙を旅するコヴェナント号の乗組員たちは、偶然発見した惑星へ降り立つ。しかし、その星は前作でショウとデヴィッドが目指した場所だった。
それを知らないまま調査を進めた結果、未知の生命体と想像を超える恐怖へ巻き込まれていく。
今作最大の見所は、やはりデヴィッドだろう。
一応主役はシリーズ恒例の強い女性だが、最早デヴィッドのシリーズと言えるほどの存在感。
前作のラストから彼が何をしてきたのか、その目的や思想が少しずつ明かされていく。
冒頭から描かれる「創造主とは何か」というテーマも、彼なりの答えへ繋がっていく流れは非常に興味深かった。
しかし、その一方で本作もまた多くの疑問を残している。
前作ではブラックグーと呼ばれる黒い液体が感染源だったが、今回は胞子植物という新たな感染経路が登場する。
前作の宇宙船が不時着した後にブラックグーが惑星の生態系を書き換えた結果と考えれば納得できる部分もあるが、あまりに万能な存在になり過ぎていて、「結局それで全部説明できてしまうのでは」と感じる場面もあった。
そして、シリーズの根幹に関わるエイリアンの起源について。
創られた存在が今度は創造主になろうとするという構図は非常に面白く、デヴィッドがエイリアンの創造主であるかのようにも見せてくる。
しかし、それを決定付けることはなく、初代『エイリアン』へ直接繋がる描写も描かれない。
多くの謎を残したまま物語は進み、ラストも続編を強く意識した終わり方になっている。
『プロメテウス』から始まった新シリーズで、リドリー・スコットが描こうとしていた世界観は、本作で更に輪郭を見せ始めた。
実際にはこの後も続編を制作する構想があったようだが、興行面で期待ほど伸びなかったこともあり、計画は中断されたと言われている。
そのため、現状では物語は未完成のままだ。
壮大なスケールや新しい発想には惹かれる一方で、疑問点も非常に多く、シリーズファンの中でも評価が大きく分かれた理由は理解できる。
逆に、過去作を知らない新規ファンが本作だけで全体を理解するのはかなり難しいだろう。
文字どおりエイリアンという世界を生み出したリドリー・スコットだからこそ、この物語の続きを最後まで描いてほしかったという思いもある。
もしそれが叶わないのであれば、せめて残された構想だけでも何らかの形で受け継がれてほしいと願ってしまう。
もちろん、多くの人にとっては、謎の生命体と人間が戦うシンプルなホラーの方が楽しみやすいのも事実だ。
本作のような哲学的で複雑な方向性は、人を選ぶ作品になったことは間違いない。
初期シリーズが持っていた「正体不明の怪物」という神秘性をそのまま楽しみたい人には、無理に観る必要はないかもしれない。
一方で、エイリアンという世界をもっと深く理解したい人や考察が好きな人にとっては、非常に見応えがある。
シリーズのファンなので、エイリアンの世界の広さを実感出来て、これはこれで好きな方向性だ。
映画だけですべてを理解するのは難しいが、作品を観たあとに設定や考察を調べながら振り返ることで、本作の面白さはさらに広がっていくと思う。
メタデータ
映像レビュー
オープニングから真っ白な空間が広がり、シリーズの中でもかなり明るい映像で幕を開ける。
作品全体を通しても前作『プロメテウス』より明るめの画作りになっており、閉鎖的なホラーというより、未知の惑星を舞台にしたSFらしさが強く感じられる。
本作はDolby VisionではなくHDR10配信となっているが、HDR表現そのものは非常に優秀。
宇宙船内の各種機器や照明、炎の輝きなどは力強く発光し、暗いシーンでも視認性を損なうことなくメリハリのある映像に仕上がっている。
解像感も十分高く、最高クラスには一歩届かないものの、衣服の質感や建造物、風景の細かなディテールまでしっかり描写されている。
明暗差も豊かで、4Kらしい情報量は十分感じられた。
舞台となる未知の惑星も、生息可能な候補地という設定だけあって地球に近い自然が広がっている。
その景観にはどこか親しみもあり、美しさと不気味さが同居する独特の雰囲気を作り上げていた。
配信として気になるようなノイズ感もほとんど見られず、映像品質は非常に安定している。
美しい景観と不穏な空気を高いレベルで両立した、配信4Kとして十分満足できる映像だった。
音声レビュー
平均以上は十分あり。
衝撃音やエイリアン関連は素晴らしい。
きっちり作られている。
宇宙船では常に音に囲まれる。
適宜使われるが、激しく目立つものではない。
音響はシリーズトップクラスに良い。
まず感じるのは音のキレの良さだ。
銃声や衝撃音、エイリアンの咆哮など、どの音も鋭く立ち上がり、レンジもしっかり確保されている。
低音も適度に効いており、映画全体を通して十分な迫力を感じられた。
そして何より素晴らしいのは、マルチチャンネルを積極的に活用したサウンドデザインだ。
ここまでのエイリアンシリーズの中では間違いなく最もサラウンドを活用しており、常に音が空間全体を包み込むような作りになっている。
野原での探索や脱出艇での戦闘など、アクションシーンでは前後左右を効果的に使い、包囲感のある音場を作り上げていた。
Dolby Atmosにも対応しているが、トップスピーカーの演出は控えめ。
上方向から積極的に音を飛ばすというより、空間全体を自然に広げる役割として使われている印象だった。
唯一、重低音だけは少し控えめ。
部屋を揺らすほどの圧倒的なLFEは少ないものの、独特なエイリアン視点でのサウンドや不気味な効果音など、シリーズらしい音作りは健在。
エイリアンシリーズはもともと空気感を作ることが非常に上手い作品だが、その中でも本作はサラウンド表現が一段階進化していた。
時代の進歩をしっかり感じられる、ホームシアターとの相性も非常に良い音響に仕上がっている。
聞きどころ
「聞きどころ」は見どころを含むシーンでもあります。
そのため「聞きどころ」には、シーン内容に関するネタバレが含まれます。
未視聴の方や事前情報を入れたくない方はご注意ください。
一方で、短時間で見どころを把握したい方、ネタバレを気にしない方には参考になる内容です。
ニュートリノ衝撃波
揺れる宇宙船で、全体を激しく鳴らす。
感染拡大
銃撃やエイリアンの動きが鋭く刺さる。
エンジニア感染
短いが音も映像もインパクト大。
脱出へ
脱出艇での不安定バトルで、音も激しく揺らす。
vsエイリアン
エイリアン視点での独特の音が良い。
総評
『プロメテウス』で投げかけられた数々の謎に少しだけ答えを示しながらも、本作はさらに新たな謎を積み重ねる作品だった。
物語の全貌が明かされるどころか、「創造とは何か」というテーマはさらに複雑になり、エイリアンという存在そのものへの解釈も大きく広がっていく。
リドリー・スコットには、この先も物語を続ける構想があったと言われている。しかし興行面の事情もあり、その計画は実現していない。
そのため、本作は壮大な物語の途中で止まってしまったような印象が残るのは少し惜しいところだ。
新たな設定を積み重ね、その上にさらに新しいドラマや生命の起源を描いていく構成は非常に意欲的だった反面、シリーズを追い続けているファンでさえ整理するのが難しいほど複雑になっている。
エイリアンという作品を深く掘り下げたい人には魅力的だが、初めて触れる人には決して親切とは言えないだろう。
それでも、本作は『プロメテウス』以上にエイリアンらしいホラー要素が戻ってきており、個人的にはこちらの方が好みだった。
映像・音響ともに現代作品らしいクオリティへ進化しており、ホームシアター作品としても十分満足できる完成度に仕上がっている。
その後に公開された『エイリアン:ロムルス』が見事にシリーズを立て直したことで、新しい世代のエイリアンが楽しみになってきた。
だからこそ、リドリー・スコットが描こうとしていたこの壮大な物語も、いつか何らかの形で続きが描かれ、未完の構想が報われる日を期待したい。
公式予告編
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