エイリアン3

作品データ

作品名
エイリアン3
Alien³
公開年
1992年
上映時間
115分
ジャンル
キャスト
シガニー・ウィーバー / チャールズ・S・ダットン /
チャールズ・ダンス / ラルフ・ブラウン /
ブライアン・グローヴァー
レビュー対象
Disney+
映像仕様
HD/SDR
音声仕様
Dolby Digital Plus 5.1
当サイト評価
総合 7/10
音響 5/10
外部評価
IMDb 6.4 / 10
Filmarks 3.3 / 5
映画.com 3 / 5
他サービス
Prime Video : HD/SDR/5.1ch
Hulu : HD/SDR/2ch
AppleTV : HD/SDR/5.1ch
Blu-ray : HD/SDR/5.1ch

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STORY

あらすじ

壮絶な戦いを終えたリプリーだったが、事故によって囚人だけが暮らす流刑惑星へ不時着してしまう。

武器も十分な設備もない過酷な環境の中、再び未知の生命体が姿を現し、閉鎖された施設は極限状態へ追い込まれていく。
限られた人員だけで立ち向かわなければならない状況の中、リプリーは自身の運命とも向き合うことになる。

前作のアクション色から再びホラー路線へ回帰し、絶望感と閉塞感を前面に押し出したシリーズ第3作。

REVIEW

作品レビュー

エイリアン初期シリーズは、「1・2」と「3・4」で評価が分かれる、そんな印象を長く持っていた。
特に本作は『エイリアン2』の圧倒的な人気もあって、シリーズの中では評価が低い作品というイメージが強く、子どもの頃に観た記憶もそれほど良いものではなかった。

しかし改めて見返してみると、思っていた以上によく出来た作品だった。

本作は『エイリアン2』のアクション路線から再び方向転換し、初代への原点回帰を思わせる作りになっている。
登場するエイリアンは基本的に一体のみ。舞台も辺境の流刑惑星という閉鎖された環境で、逃げ場のない状況の中、少しずつ人々が命を落としていく展開は初代を彷彿とさせる。

舞台となる施設には囚人しかおらず、安全上の理由から武器も存在しない。
そのため、限られた手段だけでエイリアンへ立ち向かわなければならず、追い詰められていく緊張感は前作よりも強い。

さらに、周囲は元犯罪者ばかりという特殊な環境で、唯一の女性であるリプリーがどう生き抜いていくのかというドラマも見どころの一つ。
どんな状況でも冷静さと勇気を失わない彼女の存在感は圧倒的で、今作でもエイリアンに負けないほど強烈なキャラクターとして描かれている。

一方で、本作が公開当時に賛否を呼んだ理由も理解できる。
前作で命懸けで守り抜いたキャラクターたちが冒頭で退場してしまう展開は、多くのファンにとって受け入れ難いものだっただろう。

続編でありながら前作の要素を大胆に切り離したのは、再び「リプリーだけがエイリアンの恐ろしさを知る存在」という構図へ戻したかったからなのかもしれない。

ただ、エイリアンそのものの扱いについては個人的にかなり好みだった。
本作に登場するエイリアンは宿主となる生物の特徴を受け継いだハイブリッドであり、外見だけでなく行動や能力にも違いが見られる。
この設定は後のシリーズにも受け継がれていく重要な要素で、新しい試みとして非常に面白かった。

前作では海兵隊が火器で応戦していたため、一体一体の恐怖はやや薄れていた。
しかし本作では再び武器を持たない人々が追われる構図となり、初代のような「一匹に追い詰められる恐怖」が強く戻ってきている。
さらに残虐描写も増え、血しぶきの演出もかなり激しくなったことで、ホラー色も一段と濃くなった。

宇宙空間や極寒の惑星、そして灼熱の施設と、どのような環境でも適応してしまうエイリアンという生命体の恐ろしさも改めて感じさせてくれる。
一匹で圧倒的な存在感を放つタイプのエイリアンが好きな自分にとっては、この方向性は十分魅力的だった。

エンディングも一つの物語として綺麗に区切りが付いており、『エイリアン2』の路線を無理に引き継ぐのではなく、新たな方向性としてしっかりまとめられている印象を受けた。

人気シリーズでありながら今作は現時点では配信版の4Kリマスターも用意されておらず、1・2と比べると少し不遇な立場にある作品ではある。
しかし、だからこそ今改めて観ると、その評価が変わる人も少なくないのではないだろうか。

前2作の完成度があまりにも高かったため期待値も非常に高く、本作がその壁を越えられたかと言われれば難しい。
それでも、公開当時に受けたほど酷評される作品ではないと改めて感じた。

制作中には脚本変更やスタジオとの対立など数々のトラブルがあり、監督自身も本作とは距離を置いているとのこと。
そのためか、後年には劇場公開版とは異なる「Assembly Cut」も制作されており、作品の印象が変わるという声も多い。

そちらも改めて鑑賞し、劇場版との違いを含めて、いつかレビューをアップデートしてみたいと思う。

SPEC

メタデータ

映像レンジ / 解像度 / アスペクト比
SDR / 1920×1080 / スコープ
輝度データ
SDRのためデータ無し
映像ビットレート
最大 10.98Mbps / 平均 6.33Mbps
音声 / 音声ビットレート
Dolby Digital Plus 5.1ch / 256kbps
VIDEO

映像レビュー

『エイリアン』『エイリアン2』と丁寧な4Kリマスターが施されていた一方で、本作は現時点でもHD配信のみとなっており、映像面では明確に差が付いている。

その影響もあって、解像感は高くなく、全体的にピントが甘い印象を受ける。
現在の基準で見るとHD作品としても平均以下で、細部の描写には物足りなさが残った。

また、配信版だからなのか暗いシーンでは若干ノイズも目立ち、画質全体としては決して高評価は付けられない。
作品自体が暗所中心で展開されるだけに、ディテールの再現性もやや不足しており、全体的に明るめへ持ち上げられたような映像になっている。

ライトの光や炎などもHDR作品のような立体感はなく、平面的な描写が中心だ。
1・2の4K版を見た後では、その差はどうしても大きく感じてしまう。

一方で、本作ならではの荒廃した世界観はしっかり表現されている。
薄汚れた施設や金属の質感、衛生状態の悪さなどは十分伝わってきており、不気味な雰囲気作りには成功していた。

そして、本作で最も賛否が分かれる要素と言えるのがエイリアンの描写だろう。

今作では当時としては新しかったCGが積極的に使用されているが、現在の視点で見るとやはり古さは隠せない。
エイリアンが画面に現れるたびにCGであることが分かってしまい、没入感を損なう要因にもなっている。

まだCG技術が発展途上だった時代なので仕方ない部分ではあるが、本作は基本的に一体のエイリアンを中心に描く作品だからこそ、もう少し存在感を高める見せ方が欲しかったというのが率直な感想だ。

作品全体としては時代相応に丁寧に作られているものの、人気や評価の影響もあって現代フォーマットへのアップデートは進んでいない。
シリーズの中でも映像面では不遇な一本と言えるだろう。

AUDIO

音声レビュー

Low Frequency Effect 3.0

いくらか使う場面はあり平均的。

ダイナミックレンジ 4.5

レンジにはかなり幅がある。

定位感・移動感 2.0

まだまだ発展途上で上手くない。

環境音 3.5

製鉄所の響き、外の暴風雨など雰囲気は良し。

トップ 2.0

広がりプラスに限定される。

映像とは対照的に、音響面は前作からしっかり進化している印象を受けた。

全体的に包囲感が強く、製鉄所へ響く機械音や施設全体の反響音、屋外で吹き荒れる暴風雨など、閉鎖空間でありながら広がりのある音場が作られている。

ただし、定位表現はまだまだ控えめだ。
エイリアンに追われる場面や独特の視点映像でも、後方スピーカーを積極的に活用するような演出は少なく、音が空間を移動していく感覚はほとんどない。

それでもレンジは十分広く、90年代初頭の映画らしい荒々しいサウンドが楽しめる。
時折耳に響くほど鋭い効果音もあり、映画館での上映を前提とした力強いミックスを感じさせる。

低音も前作より存在感を増しており、爆発や製鉄所の重機、宇宙船の駆動音などではしっかり重みが加えられている。
最新作品ほど深く沈み込むような重低音ではないものの、作品を支えるには十分な迫力があった。

アップミックスとの相性も悪くなく、空間の広がりは確実に向上する。
特に屋外での雷雨や風の表現では高さ方向にもわずかな効果が感じられ、標準の5.1chより没入感は一段高まる印象だった。

まだサラウンド技術が発展途上だった時代らしく、現代作品のような緻密なオブジェクトオーディオとは程遠い。
しかし、その試行錯誤の中でも包囲感や迫力をしっかり作り出そうという工夫は感じられ、狭い施設という舞台でありながら空間の広がりを十分楽しめるサウンドに仕上がっている。

派手さはないものの、作品の雰囲気を支える音響としては悪く無い作りだった。

SCENES

聞きどころ

ネタバレ注意

「聞きどころ」は見どころを含むシーンでもあります。
そのため「聞きどころ」には、シーン内容に関するネタバレが含まれます。
未視聴の方や事前情報を入れたくない方はご注意ください。
一方で、短時間で見どころを把握したい方、ネタバレを気にしない方には参考になる内容です。

1:03:30~1:08:00
包囲感

襲撃、そして爆発

激しく荒い。炎とスプリンクラーが広がりを見せる。

1:26:35~1:43:15
包囲感 終盤見せ場

誘き出し作戦

響きが強く、包囲感はかなりあり。

SUMMARY

総評

今回は配信版での視聴を基準にレビューしたが、改めて見返してみると、記憶に残っていた印象よりも遥かに楽しめる作品だった。

公開当時から評価が分かれてきた作品ではあるものの、その理由も理解できる一方で、作品単体として見れば十分に見応えがある。
特にホラー色を強め、初代のような閉鎖空間で逃げ場のない緊張感を描こうとした方向性は、シリーズの原点へ立ち返る試みとして悪くなかった。

エイリアンの圧倒的な強さや暴力性もしっかり描かれており、どんな環境にも適応してしまう生命体としての恐ろしさも健在。
そして、その脅威に最後まで立ち向かうリプリーの芯の強さも、シリーズらしさを支える大きな魅力になっていた。

また、本作には劇場公開版とは異なる完全版が存在し、多くのファンからこちらの方が完成度が高いという評価を受けていることも知ることができた。
まだ未見だからこそ、もう一度違った形で作品を楽しめると思うと、個人的には少し得をした気分でもある。

現状では4Kリマスターも用意されておらず、映像・音響ともに少し時代を感じる部分は残る。
しかし近年はAIを活用したリマスター技術も急速に進歩しており、将来的には高画質化や音響のアップデート期待出来るかもしれない。

前作『エイリアン2』への思い入れが強い人ほど、その展開に戸惑うのも無理はない。
そしてそんな名作の後に続く駄作、というイメージを自分もそのまま持ち続けていた。

しかし、映画は年月とともに感じ方が変わるもので、。
だからこそ、人の評価だけで判断するのではなく、自分自身の目で確かめてみることの大切さを改めて実感させてくれた一本だった。

当サイト評価
総合 7 / 10
音響 5 / 10

TRAILER

公式予告編(海外版)

※予告編は本編とは画質・音質が異なる場合があります。

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