作品データ
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U-NEXT : HD/SDR/2ch
Hulu : HD/SDR/2ch
Blu-ray : HD/SDR/5.1ch
UHD Blu-ray : 4K/HDR10/5.1ch
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あらすじ
審判の日によって文明が崩壊した2018年。生き残った人類は抵抗軍を結成し、世界各地でスカイネットの機械兵器と戦い続けていた。
ジョン・コナーは、未来から届いた母サラの記録を頼りに戦場を生き抜き、抵抗軍の中心人物になりつつある。しかし、組織の上層部は彼の予言を完全には信じておらず、ジョンもまだ人類全体を率いる絶対的な指導者ではなかった。
そんな中、過去の記憶をほとんど失った男マーカス・ライトが荒廃した世界に姿を現す。
自分がなぜ生きているのかも分からないまま旅を続ける彼は、若きカイル・リースと出会い、やがてジョンの戦いへ巻き込まれていく。
作品レビュー
『ターミネーター4』は、シリーズで繰り返されてきた「未来から現代へ送り込まれた殺人機械との逃走劇」から離れ、審判の日を迎えた後の世界を本格的に描いた作品だ。
舞台は2018年。核戦争によって文明は崩壊し、生き残った人類は抵抗軍を結成してスカイネットと戦っている。
ジョン・コナーは母サラから残された録音を頼りに、未来についての知識を持つ兵士として活動しているが、まだ抵抗軍全体を率いる絶対的な指導者ではない。上層部と意見を対立させながらも、機械との戦争を終わらせるために前線へ立ち続けている。
物語のもう一人の中心となるのが、過去の記憶を失ったマーカス・ライト。荒廃した世界で目覚めた彼は、若きカイル・リースと出会い、自分が何者なのか分からないまま抵抗軍とスカイネットの戦いへ巻き込まれていく。
未来のジョンの父となるカイル、抵抗軍を支える戦闘機パイロットのブレア、ジョンの妻ケイトなど、過去作で語られてきた人物や関係も新しい形で登場する。演じる俳優陣も豪華で、ここは流石の人気シリーズだと言える。
『3』の結末から物語は繋がっているが、作品の雰囲気はこれまでと大きく異なる。
過去作で断片的に描かれた未来は、青白い夜の戦場で人間と人型ターミネーターがビーム状の兵器を激しく撃ち合う世界だった。それに対して本作では、乾いた大地や廃墟、古い車両や航空機を使って生き延びる人々が描かれ、より現実の戦争映画に近い世界観になっている。
巨大なハーヴェスターやモトターミネーターなど、機械兵器の種類は増えているが、従来のように一体のターミネーターから執拗に追い回される恐怖はほとんど感じられない。
機械との戦闘は迫力こそあるものの、シリーズ特有の追跡劇や肉弾戦より、抵抗軍の作戦行動やマーカスの正体を巡るドラマが中心となる。そのため、タイトルは同じでも、実際の印象は終末世界を舞台にした戦争SFに近い。
改造タイプを人間社会へ紛れ込ませる侵入型として扱ったアイデア自体は面白い。
初代から人間的な機能を持っていたし、人間と機械の境界を曖昧にし、過去作とは違う形で潜入型ターミネーターを描こうとした意図も分かる。
ただ、その役割や強さは歴代でも間違いなく一番地味で、シリーズを代表する新たな脅威にまではなり切れていない。設定の面白さに対して、物語の中で十分に活かし切れていないかったように思う。
アーノルド・シュワルツェネッガーが主要キャストとして出演していないことも、本作のインパクトの弱さを感じさせる大きな理由だろう。終盤には若い頃のT-800を再現した姿が登場するが、シリーズを象徴してきた彼が物語を牽引するわけではない。
クリスチャン・ベール演じるジョンと、サム・ワーシントン演じるマーカスが中心となり、これまでとは違う方向から人間と機械の関係を描いていくが、シリーズに対して持っていた「ターミネーターらしさ」が薄かった。
さらに、お馴染みになってきた過去作の決め台詞を使う場面は、さすがにくどさを感じる。シリーズらしさを出すためのサービスなのだろうが、作品そのものが大きく方向転換しているだけに、無理に過去へ寄せようとするセリフがかえって浮いてしまう。
公開当時は、ターミネーター作品としてのインパクトや人物描写の弱さから厳しく見られた印象が強いし、自分もそうだった。
しかし、その後の作品が再び時間移動や過去作の再構築へ戻っていったことで、未来戦争そのものを描き、従来とは違う物語へ進もうとした姿勢は以前より好意的に受け止められるようになった。
追われる恐怖やシュワルツェネッガーの存在を求めると物足りない。
それでも、『ターミネーター』の世界で実際に始まった戦争を描いた作品として、シリーズの中でも独自性は高い。完成度に課題はあるが、同じことを繰り返すのではなく、新しい方向へ踏み出そうとした挑戦作と言える。
メタデータ
映像レビュー
4Kらしい解像感よりも、Dolby Visionで深まった暗さと色合いの自然さ
完全に荒廃した世界を舞台にしており、映像は灰色と黒を基調とした色の薄い仕上がり。フィルムグレインもかなり強く残されているが、乾いた大地や廃墟、埃に覆われた世界観とはよく合っている。
機械兵器にも環境に合わせたくすんだ質感があり、金属の光沢を強く見せるのではなく、灰や砂にまみれた兵器として統一されている。全体を通して灰色と埃に包まれた映像としての完成度は高く、さすが大規模作品と感じさせる美術と世界観だ。
ただし、肝心の画質はApple TVの4K版であっても、4Kらしい明確な解像感はあまり感じられない。Prime VideoのHD版と比較してみても、細部の見え方に大きな差はなく、シャープさも控えめ。人物の顔がアップになればまずまずだが、遠景は基本的にかなり甘い。
解像度よりも、Dolby Visionによる映像の変化のほうが大きい。
もともと薄暗い世界をさらに深く沈めることで、荒廃した雰囲気がより強調されている。SDR版は全体に明るく、見やすさを優先するなら悪くないが、作品の空気感はDolby Vision版のほうが明らかに上だ。
暗い場面では4K版のほうがわずかに情報を保ちやすく、ノイズも抑えられているように見える。HDR化による色合いの変化も自然で、セットやCGの粗さ、少し安っぽく見える部分が目立ちにくくなっている。
明暗表現だけでなく、色を含めた画面全体の印象が変わるため、単純な高精細化よりもこちらの効果のほうが感じやすい。HD版が5〜10の範囲に収まる映像だとすれば、4K版は7〜11へ広がり、飛躍的に高画質になるというより、弱点を少しずつ改善している印象だ。
シリーズ第1作が非常に綺麗な4Kアップグレードを受けているだけに、その後の作品が十分に更新されていないのは少々不憫。ただし、人気や作品ごとの扱いを考えれば仕方ないところでもある。
決して4Kらしい高画質ではないが、酷評するほどひどくもない。解像感には物足りなさが残る一方、Dolby Visionによって世界観との一体感は確実に増している。
音声レビュー
飛行機墜落や地雷などの爆発は中々良し。
シリーズでは抑えめだが、必要十分。
バイク型や飛行機などが特徴的。
荒野は静かだが、スカイネットは非常に賑やか。
アップミックス効果はそこそこ。
UHD版でも5.1chのままなので、サウンドデザインそのものは配信版と大きく変わらないはずだ。
音の方向性は、前作の轟音を前面に押し出した作りから少し落ち着き、より近代的で洗練されたサウンドへ変化している。
公開は2009年だが、ちょうどこの時期あたりから、サラウンド音声の作り方が変わってきたように感じる。リアスピーカーを激しく鳴らして存在を強く主張する作りから、空間全体へ自然に音を配置する、落ち着いた質の良いサウンドへ移行した印象だ。
とはいえ、アクションシーンではリアスピーカーがかなり活発に使われる。機械兵器や航空機、銃撃の音が後方まで回り込み、派手さを抑えながらも十分な包囲感を作っている。
ダイナミックレンジはシリーズの中ではやや小さいほうだが、ほかの作品が強烈すぎるだけで、本作も決して迫力不足ではない。
今作では、新たに登場する機械兵器の独特な動作音が大きな特徴になっている。形容しにくいデジタル的な音が使われており、特に大型兵器の重量感や異質さとよく合っている。
シリーズ恒例のビーム兵器に加え、バイク型や飛行型などさまざまな機械が登場するため、音の種類も豊富。迫力ある映像と組み合わさり、過去作とは異なる機械戦争らしいサウンドを楽しめる。
低音は爆発場面ではなかなか強く、しっかりと部屋を揺らす。
ただし、ターミネーターや機械そのものの動作音には、もう少し重さがあってもよかった。大型兵器の見た目を考えると、さらに低くゴツい音でも似合ったはずだ。
荒廃した世界では、静かな風やわずかな物音だけが広がり、環境音はかなり抑えられている。その静けさがあるからこそ、後半のスカイネット潜入以降では一気に音の密度が増し、『ターミネーター2』終盤を思わせるような、音に囲まれる抜群の雰囲気が生まれている。
Atmosへ更新されていれば、高さ方向まで含めてさらに素晴らしいサラウンド体験になっただろう。映像と同様、素材の良さに対してアップデートが足りていないのは惜しい。
突出した特徴は無いが、全体に堅実で完成度は高い。映像の規模感にも負けず、荒廃した戦場と機械兵器をしっかり支える質の高いサウンドだった。
聞きどころ
「聞きどころ」は見どころを含むシーンでもあります。
そのため「聞きどころ」には、シーン内容に関するネタバレが含まれます。
未視聴の方や事前情報を入れたくない方はご注意ください。
一方で、短時間で見どころを把握したい方、ネタバレを気にしない方には参考になる内容です。
vs スカイネット
派手な戦いから始まり、映像のインパクトが強い。
マーカスとカイルの出会い
従来型だけでなく飛行機型も出現。
vs 新型兵器
独特の動作音が気持ちいい。アクションはここがハイライト。
マーカス解放
銃を撃ちまくり、爆破もあり。
スカイネット侵入
まるで2のような工場で、リアも活発で賑やか。
総評
有名俳優を揃え、人気シリーズの名を冠した大作でありながら、全体としてはややインパクトの弱い作品になってしまった。
やはりアーノルド・シュワルツェネッガーの存在ありきな作品イメージと、今作でのターミネーターそのものの役割や強さも地味で、圧倒的な個体に追われ続ける恐怖がほとんど描かれない。
一部の新型兵器はデザインも格好よく、進歩した機械軍の規模を感じさせる存在として気に入っている。ただ、次々と別の兵器が現れるため、一体ごとの印象や怖さは薄い。
強大な殺人機械と対峙する作品というより、多数の機械兵器が登場する一般的な戦争SFに近くなってしまった。
物語の中心にあるのも、人間と機械の境界という、これまでとは少し違ったテーマだ。
マーカスという存在を通して新しい方向へ進もうとした意図は理解できるが、シリーズに求められてきた要素とは距離がある。多くの観客が期待するターミネーター像は、やはり強力な一体に狙われ、逃げながら戦う物語なのだろう。そこから大きく外れた本作が受け入れられにくかったのも無理はない。
公開当時はシリーズらしさの薄さばばかりが気になったが、改めて観るとこの方向性もそれほど悪くない。荒廃した戦場、さまざまな機械兵器、若きカイル・リースや指導者になる途中のジョンなど、シリーズの設定を広げる要素はしっかり用意されている。
映像や音声に大幅なアップデートが施されなかったのは惜しいが、UHDが発売され、配信ではDolby Visionにも対応しているだけ、『ターミネーター3』より扱いは恵まれている。解像感は物足りなくても、HDRによって荒廃した世界の雰囲気は確実に強まっている。
人気シリーズの続編は、過去をなぞれば新鮮味がないと言われ、変えればシリーズらしくないと言われる。その重荷を背負いながら、未来戦争という別の道へ進もうとした本作も、賛否が激しくなるのは宿命だったのかもしれない。
『ターミネーター』の名を冠しているので厳しく評価されるのも仕方ないが、一般的なSF作品としてなら十分なレベルにあると思う。
公式予告編
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