作品データ
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Hulu : HD/SDR/2ch
AppleTV : 4K/Dolby Vison/Dolby Atmos
Blu-ray : HD/SSDR/7.1ch
UHD Blu-ray : 4K/Dolby Vison/Dolby Atmos
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あらすじ
サイバーダイン社の崩壊により「審判の日」は回避されたはずだった。
しかし、それから数十年が経過したメキシコシティ。時空を超えて送り込まれた、あらゆる形状に変化する最新型の凶悪な液体金属サイボーグ「Rev-9」が、一人の平凡な青年ダニーの命を狙って現れる。
絶体絶命の危機に陥ったダニーを救ったのは、未来から送り込まれた強化人間の戦士グレースだった。さらに、かつて人類の運命を背負い戦い抜いたサラ・コナーも加わり、世代を超えた女性戦士たちが手を取り合う。
終わらない悪夢と新たな脅威に立ち向かう、シリーズの正統な系譜を継ぐSFアクション大作。
作品レビュー
『ターミネーター:ニュー・フェイト』は、『ターミネーター2』の出来事から直接つながり、『3』『4』『ジェニシス』を別の時間軸として仕切り直した作品となっている。
シリーズの生みの親であるジェームズ・キャメロンが製作へ復帰し、リンダ・ハミルトンとアーノルド・シュワルツェネッガーが再び顔を揃えたことで、正統な続編が遂に見れるかと大きな期待をしていた。
しかし物語は、冒頭から衝撃の展開になっている。
サラたちが未来を変えた後、ジョン・コナーは過去に送り込まれていた別のT-800によって殺されてしまう。『2』で命懸けの戦いを乗り越えた直後でこの扱いかと驚いたし、ジョンの扱いには賛否が多かったようだ。
ただ、自然の流れとしては、一体でダメなら二体目というのは映画の都合を除けば当たり前の戦略なので、むしろこっちの方が自然に思える。
ジョンを失ったサラは、その後もターミネーターを狩り続けてきた。年齢を重ねても戦士としての鋭さは健在で、怒りと悲しみを抱えた姿には、若い頃とは異なる迫力がある。
そこへ登場するのが、任務を終えた後に人間社会で暮らし、「カール」と名乗るようになったT-800。ジョンを殺した張本人でありながら、長い時間の中で人間の感情を理解し、なんと家族まで持っている。
サラとT-800の再会は、単なる懐かしい共演だけではない。息子を奪われた母親と、その原因を作った機械という重い関係があり、二人が簡単に和解しないところも良かった。キャメロンにとってもこの二人が揃ってこその続編なんだろう。
新たに守られるのは、メキシコで暮らすダニー。そして未来から彼女を守るために送られてくるのが、強化兵士グレースだ。ターミネーターではなく、機械によって身体能力を高めた人間という新しいタイプで、短時間なら殺人機械とも互角に戦える。一方で、身体への負担が大きく、薬や休息を必要とする弱点もある。
マッケンジー・デイヴィス演じるグレースは、細身ながら動きに切れがあり、無駄なく敵へ飛び込んでいく姿が非常に格好いい。守護者でありながら完全無欠ではなく、人間としての危うさを残しているため、過去のT-800とは違った緊張感も生まれている。
敵となるREV-9は、金属骨格と液体状の外装を分離させ、二体同時に行動できる新型ターミネーター。過去作の敵が重量や圧倒的な耐久力で迫る印象だったのに対し、REV-9は細身の身体で素早く移動し、跳躍や変形を繰り返しながら襲いかかる。
今作のアクションは力と力のぶつかり合いより、速度と手数を重視した現代的なものへ変化して非常に見応えがある。
高速道路、収容施設、航空機、ダムと舞台を変えながら追跡が続き、シリーズらしい逃走劇としての勢いは十分。ただ、スカイネットが消滅しても別の人工知能リージョンが誕生し、ジョンに代わる新しい指導者が現れる構造は、名称や人物を変わっているものの、過去と同じ歴史を繰り返しているようにも見える。
『2』で最初の場面のバーでの音楽が流れるシーンがあったり、アクションシーンでも既視感を感じるものがあるのはファンサービスだろう。
作品そのものは決して悪くない。アクションは派手で、新しい守護者と敵にも個性があり、サラとシュワルツェネッガーの共演にも見応えがある。それでも、ジョンを退場させてまで始めた新展開が十分な支持を得られず、またしてもシリーズ再始動は不発に終わってしまった。
シュワルツェネッガーの年齢を考えれば、これまでと同じ形でターミネーターを続けることは厳しいだろう。再び時間軸をやり直すのか、完全に新しい人物へ引き継ぐのか、それともシリーズを終わらせるのか。
『ニュー・フェイト』は一定の完成度を持ちながらも、長く続いたシリーズが大きな岐路に立っていることを感じさせる作品だった。
メタデータ
映像レビュー
Dolby Visionの威力を感じる明暗表現
配信作品でありながら、非常にレベルの高い映像美を見せてくれる。
ノイズはほとんど感じられず、人物の表情から衣服、背景の細部に至るまでの描写も。近代的でクリアな面と、メキシコの焼けつくような乾燥した空気や、未来の戦場に漂う埃と荒れた質感もしっかり表現されている。
解像感は十分に高く、輪郭を不自然に強調したような硬さもない。現代の街並みから機械兵器、過去の傷跡を感じさせる風景まで、作品ごとの空気感を損なわず、自然な精細さにまとめられている。
ただし、映像の暗い部分は全体的にかなり沈む。特に夜間は実際の暗さに近い表現を重視しているかのようで、一般的なプロジェクターでは少々厳しく感じる場面もあった。
Dolby Visionによる深い黒と明暗差が作品の雰囲気を高めている一方、明るさの弱いディスプレイではSDRのほうが見やすく感じるだろう。その分、暗闇の中で発生する爆発や炎、火花の輝きは非常に美しく、特に中盤以降では暗いシーンが多く、強い光が画面から鮮やかに浮かび上がる。
有機ELテレビや黒の表現に強いプロジェクターなら、さらに魅力を引き出せそうだ。
暗い映像ではあるものの、黒く潰れて何も見えなくなるわけではなく、階調性はしっかり確保されている。陰影の中に残る細かな情報や質感にも不足はない。
視聴環境を選ぶ暗さではあるが、映像そのものの完成度は非常に高い。配信であることを意識させないほど精細で、明暗表現から質感まで、ほとんど不満のない仕上がりだった。
音声レビュー
重すぎないレベルに調整されている。
最高レベルの威力がある。
かなり強いサラウンド感を感じられる。
静寂も喧騒も表現できている。
飛行物体にアクションに、さまざま活用される。
非常にパンチのある、素晴らしいサウンド。
シリーズおなじみのチェイスから航空機の墜落まで、派手な場面の規模はシリーズ屈指。どのアクションにも十分な音圧があり、ダイナミックレンジもかなり広い。銃撃や衝突、爆発など、あらゆる衝撃音が強い瞬発力を持って鳴り響く。
今作の戦闘は、従来のターミネーター同士による重量感のある殴り合いから、動きの速さを重視したものへ変化している。REV-9やグレースが素早く移動し、短い間隔で攻撃を繰り出す映像に合わせて、音も鋭く切れ味のある方向へ仕上げられている。そのスピード感に合わせたサウンドは、これまでの重いアクションとは異なる魅力がある。
マルチチャンネルの活用も非常に積極的。
前後左右の移動感は明確で、リアスピーカーの使用頻度も高く、特に大規模なアクションでは、様々なスピーカーが途切れることなく活躍してくれる。
Dolby Atmosでのトップスピーカーも効果的で、ヘリ、航空機、水中まで、移動感や包囲感はかなり強い。
唯一、低音は過去のシリーズ作品と比べると若干控えめ。爆発や大型車両の場面では、さらに重くゴツい低音が加わっても映像に合っていたように思う。
とはいえ、低音が弱いわけではない。必要な場面では十分な重量があり、迫力を損なうほどではないため、大きなマイナスにはならなかった。
前作もサラウンド環境との相性が非常に良かったが、今作はそこからさらに速度と立体的な包囲感を強めた印象。重さで魅せる従来作とは違った方向から、ホームシアターの性能を存分に味わわせてくれる優秀な音声だった。
聞きどころ
「聞きどころ」は見どころを含むシーンでもあります。
そのため「聞きどころ」には、シーン内容に関するネタバレが含まれます。
未視聴の方や事前情報を入れたくない方はご注意ください。
一方で、短時間で見どころを把握したい方、ネタバレを気にしない方には参考になる内容です。
工場バトルからカーチェイス
迫力もサラウンドも映像も申し分なし。
グレースの過去
短いがインパクトのある、過去の戦争の体験。
工場襲撃〜飛行場
上から襲ってくるヘリとの応戦で、とにかく銃声が気持ちいい。
飛行機戦
かなり暗いが、あらゆるスピーカーが活躍するド派手バトル。
ダムで決戦
恒例の肉弾戦で、最後まで迫力抜群。
総評
個人的には好きな作品だが、これほどの規模を持つ大作シリーズは、ただ黒字になるだけでは続けられない。次回作へ進むには、世界的な特大ヒットと、新しい展開を求めるほどの熱量が必要になる。
本作ではジェームズ・キャメロンが製作へ復帰し、リンダ・ハミルトンとアーノルド・シュワルツェネッガーも再共演した。『ターミネーター2』の直接的な続編として、これ以上ないほど大きな話題性を用意したはずだった。それでもシリーズを継続できるほどの結果にはつながらなかったことを考えると、ターミネーターという作品自体が、現在の観客に以前ほど求められていないのだろうかと感じてしまう。
現代的なスピード感あふれるアクションは見応え十分だし、サラとT-800の再会には、長いシリーズを積み重ねてきたからこその重みがある。
しかし、ジョンを退場させ、新たな指導者と人工知能へ置き換えた物語は、過去から離れようとしながらも、結局は『1』『2』とよく似た構造へ戻っている。シリーズを変えすぎれば反発を受け、残しすぎれば新鮮味がない。名作二本の影響があまりにも大きく、どの方向へ進んでも比較から逃れられない苦しさが見える。
さらに、シリーズの象徴であるシュワルツェネッガーも、年齢を考えれば同じ役をいつまでも続けるのは難しい。老化する外見をターミネーターの人工皮膚という設定へ取り込んできたが、それにも限界はある。
ほかの名作シリーズには、世代交代や新しい主人公によって生まれ変わった例もある。それでも本シリーズの場合、殺人機械という設定以上に、無表情で立つシュワルツェネッガーの姿そのものが作品の象徴になっている。完全な再始動をするにしても、これは非常に難しい。
一方、ホームシアター向け作品として見れば、本作はほとんど満点に近い。映像は非常に精細で、Dolby Visionによる深い暗部と強烈な光の対比も美しい。音声もスピード感のあるアクションに合わせて鋭く動き、Dolby Atmosを含めたサラウンドはシリーズでもトップクラスだった。
大画面と立体音響で楽しむアクション大作としては、文句のない仕上がりだ。だからこそ、これだけの技術と物量を投入した作品でも過去を超えられず、次へつながらなかったことに寂しさを感じる。
最後になるのか、再び別の形でやり直すのかは分からない。強烈なキャラクターの魅力に支えられたシリーズの難しさを感じる作品だった。
公式予告編
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