ターミネーター:新起動/ジェニシス

作品データ

作品名
ターミネーター:新起動/ジェニシス
Terminator Genisys
公開年
2015年
上映時間
125分
ジャンル
キャスト
エミリア・クラーク / ジェイ・コートニー /
アーノルド・シュワルツェネッガー / ジェイソン・クラーク /
イ・ビョンホン / J・K・シモンズ /
マット・スミス
レビュー対象
UHD Blu-ray
映像仕様
4K/HDR10
音声仕様
Dolby TrueHD Atmos
当サイト評価
総合 7/10
音響 9/10
外部評価
IMDb 6.3 / 10
Filmarks 3.4 / 5
映画.com 3.4 / 5
他サービス
Netflix : HD/SDR/5.1ch
Prime Video : HD/SDR/5.1ch
U-NEXT : HD/SDR/2ch
Hulu : HD/SDR/2ch
AppleTV : 4K/Dolby Vison/5.1ch
Blu-ray : HD/SDR/Dolby Atmos

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STORY

あらすじ

人類抵抗軍のリーダーであるジョン・コナーは、母サラ・コナーを守るため、信頼する側近カイル・リースを1984年の過去へと送り込む。
しかし、カイルがたどり着いた過去の現実は、彼が知る歴史とは完全に狂い始めていた。そこにはすでに戦士として覚醒していたサラ・コナーの姿と、彼女を育て上げた謎の老いたサイボーグの存在があった。

時系列の歪みによって過去・現在・未来の境界が崩壊する中、人類の存亡を揺るがす新たな脅威が牙をむく。シリーズの原点を踏襲しながらも、すべての予測を裏切るタイムラインの改変を描いた、SFアクション大作。

REVIEW

作品レビュー

『ターミネーター:新起動/ジェニシス』は、これまでのシリーズをそのまま先へ進めるのではなく、『ターミネーター』と『ターミネーター2』で描かれた歴史へ戻り、別の時間軸として組み直した作品だ。

物語は、人類抵抗軍がスカイネットとの最終決戦に挑む2029年から始まる。
ジョン・コナーは機械軍を追い詰めるが、スカイネットは敗北の直前に時間移動装置を起動。1984年のサラ・コナーを抹殺するため、T-800を過去へ送り込む。ジョンは歴史を守るため、父となるカイル・リースを追って送り出す。

ここまでは第1作で語られた歴史と同じだが、カイルが到着した1984年は、彼の知る過去とはすでに変わっていた。

サラはただ守られるだけの女性ではなく、幼い頃から戦闘訓練を受け、審判の日に備えてきた強い戦士になっている。そのそばにいるのが、アーノルド・シュワルツェネッガー演じる年老いたT-800。
サラからは「おじさん」と呼ばれ、長い年月をかけて彼女を育ててきた守護者であり、機械でありながら父親のような役割も担っている。

カイルもまた、かつての歴史を知る唯一の人物ではなくなる。
彼の記憶には本来経験していないはずの別の人生が入り込み、審判の日が1997年ではなく2017年へ変化したことを知る。誰が、いつ、何のために過去を変えたのか。その起点が十分に明かされないまま複数の歴史が重なるため、物語が複雑になっている。

タイトルにもなっている「ジェニシス」は、あらゆる機器やネットワークを一つに接続する新しいOS。当時としてはGoogleを大きくしたようなイメージだったが、人々にとっては便利な技術でも、その正体はスカイネットが誕生するための新たな器となっている。

開発を進めるのは、マイルズ・ダイソンの息子であるダニー・ダイソン。『2』では、ラジコンで遊んでいたちびっ子が、開発の中心的な役割となっていた。
サイバーダイン社の技術者だったマイルズが未来の戦争を生む研究に関わり、自らの命と引き換えにその成果を破壊した。しかし変化した時間軸では、息子が別の形で技術開発を引き継ぎ、再びスカイネット誕生へ近づいてしまう。過去を変えても、機械による支配が別の経路から迫ってくるという、シリーズらしい皮肉になっている。

本作では、第1作の若いT-800や『2』のT-1000が再登場する。1984年の到着場面や服を奪う展開も現代の映像技術で再現され、過去作を知る人ほど違いを楽しめる。
ただし、名場面や構図、決め台詞まで何度も引用されるため、新しい作品でありながら『1』『2』の影響から逃れられていない印象も強い。

もっとも、シリーズにとって最初の2作があまりにも大きな存在である以上、それも仕方がない。本作は過去を無視するのではなく、その記憶そのものを物語の材料として使っている。

新型ターミネーターとして登場するT-3000は、ナノマシンによって人間の身体を機械へ作り替えた存在。液体金属とも異なる粒子状の身体を持ち、破壊されても形を取り戻す高い再生能力を備えている。そして、その素材としてジョン・コナー本人を選んだことは、本作で最も大胆な仕掛けだった。

人類の救世主だったジョンを敵へ変えることで、サラとカイルは自分たちの息子と戦わなければならなくなる。シリーズの根幹を揺さぶる発想ではあるが、物語上の衝撃より設定の複雑さや展開の急さが先に立ち、ジョン本人の悲劇や恐ろしさを十分に掘り下げられなかった惜しさも残る。

それでも、シュワルツェネッガーが物語の中心に戻ったことで、ターミネーターらしさは戻った。老化した外見を機械の設定へ自然に取り入れ、サラとの信頼関係や、カイルへの対抗心をユーモアも交えて描く。やはりターミネーターにはシュワルツェネッガーがいてこそだ。

時間軸は入り組んでいて若干分かりにくく、サラを守るおじさんは誰が送り込んだかは分からず仕舞いだし、一本の映画としてすべてが整理されているわけではない。

しかし、強力なターミネーターに追われる恐怖、未来を変えるための時間移動、サラとカイルの関係、そしてシュワルツェネッガーの存在という、シリーズに求められる要素はしっかり揃っている。

分かりやすい作品ではないし、まだまだ過去を引きずっての改変なので、これだと賛否もあるのは理解出来る。
それでも、マルチバースが当たり前になった現在では、複雑な時間軸を受け入れて別の可能性として見れば、ターミネーターらしい娯楽性は十分。
過去への敬意と新しい挑戦が詰め込み気味ではあるものの、シリーズ作品として一定の評価はできる一本だった。

SPEC

メタデータ

映像レンジ / 解像度 / アスペクト比
HDR10 / 3840×2160 / スコープ
輝度データ
輝度情報取得できず
映像ビットレート
UHDのため測定対象外
音声 / 音声ビットレート
Dolby TrueHD Atmos / UHDのため測定対象外
VIDEO

映像レビュー

CHECK POINT

強い輝きと、暗部の視認性を両立したHDR表現

一目で高画質だと分かる、非常に完成度の高い映像。

2015年の作品だが、この頃になると画質の良い作品では、解像感にほとんど不満を覚えなくなっている。シャープさは高いものの輪郭が不自然に強調されることはなく、サンフランシスコの街並みも細かな部分まで潰れず、自然な情報量を保っている。

1984年を再現した場面では、第1作と同じように若い姿のT-800が登場する。当時の張り詰めた筋肉や体格まで丁寧に再現されており、若返り表現もかなり自然。新型ターミネーターの身体を構成する、粒子が流動するような表現にも違和感が少なく、VFX技術が大きく進歩した時代であることがよく分かる。

古い型と新しい型が同時に登場するが、表面の質感や動きにはきちんと違いがあり、それぞれの世代が映像から判別できるのも面白い。

一方で、『ターミネーター2』と同じT-1000の液体金属表現を見ると、20年以上前の映像がいかに優れていたかも改めて実感する。今作では動きがさらに滑らかになっているものの、画質の差を除けば劇的な進化とまでは感じにくい。それだけ『2』のVFXが時代を先取りしていたということだろう。

HDRによる明暗表現はシリーズでも最大級。特に炎や火花は非常に明るく、暗い背景から鮮やかに浮かび上がる。スカイネットやジェニシスの施設も、機械の細部から赤や青の照明まで丁寧に描かれ、派手になりすぎない現実的な質感を保っている。

夜景や暗い室内でも黒が潰れにくく、必要な視認性はしっかり確保されている。深い黒と明るい光源の差が大きい一方で、暗すぎて見づらくなることはなく、非常にバランスの良い絵作りだ。

荒廃した未来を描いた前作から再び現代へ戻り、舞台もサンフランシスコとなったことで、作品全体の印象は明るく洗練されたものへ変化した。大作らしいVFXと現代的な映像品質を備え、シリーズでも随一と言ってよい高画質に仕上がっている。

AUDIO

音声レビュー

Low Frequency Effect 4.5

殴り合いはシリーズで最も重い。

ダイナミックレンジ 4.5

ターミネーターに求める迫力は満たしている。

定位感・移動感 4.0

使い方が上手く、表現は優秀。

環境音 1.5

街の喧騒が少しあるくらい。

トップ 4.0

ポイントで印象的な使い方。

映像と同じく、音声もシリーズ随一の完成度。

アクションシーンでの基本的な方向感や移動感はきっちり作り込まれており、音が画面上の動きに合わせて自然に前後左右へ移動する。

Dolby Atmosによる高さ方向の表現も、常に派手に鳴らすのではなく、必要な場面でピンポイントに使用されている。特にゴールデンゲートブリッジでの戦闘は、トップスピーカーを含めた空間全体が活発になり、車両や破片、攻撃音が立体的に飛び交う非常に賑やかな場面だ。

衝撃音の強さも申し分ない。銃声は鋭く瞬発力があり、ターミネーター同士の殴り合いには、シリーズでも一番と思うほどの重量感がある。金属の身体が衝突する硬さと、一撃ごとの威力がしっかり伝わり、映像の迫力をさらに押し上げている。

過去作の名場面を意識した場面もあるが、お馴染みの転送シーンを含め、音の解像度や厚み、空間の広がりは明らかに現代的。第1作や第2作と似た構図であっても、音響面では進歩を実感できる。

一方で、風や街のざわめきなどの環境音を細かく積み上げる作りではない。会話やBGMを挟みながら、アクションが始まると一気に迫力で持っていく、メリハリを重視したサウンドになっている。

そのため静かな場面で空間そのものを味わうタイプではないが、アクション映画として欲しい要素は一通り揃っている。明確な定位、派手な移動感、高さ方向の効果、鋭い銃撃、重い衝撃音まで隙がない。

音質も非常に良く、細かな効果音から大規模な戦闘まで破綻することなく鳴らし切る。ターミネーター作品に求められる力強さと未来的なサウンドを十分に満たした、文句のない仕上がりだった。

SCENES

聞きどころ

ネタバレ注意

「聞きどころ」は見どころを含むシーンでもあります。
そのため「聞きどころ」には、シーン内容に関するネタバレが含まれます。
未視聴の方や事前情報を入れたくない方はご注意ください。
一方で、短時間で見どころを把握したい方、ネタバレを気にしない方には参考になる内容です。

20:30~41:00
迫力大

vs T-1000

『1』の始まりから『2』のようなチェイスに。

1:23:00~1:31:00
デモ向き トップ活用

ゴールデンゲートブリッジにて

映像も音もデモに使えそうな派手さ。

1:35:15~1:39:20
サラウンド活用

ヘリチェイス

ビル街を飛び回るヘリのスピード感がいい感じ。

1:42:40~1:52:50
低音活用 迫力大

サイバーダイン本社で決戦

殴り合いの低音が素晴らしく、銃声のパンチもある。

SUMMARY

総評

シリーズファンほど楽しめる、ターミネーターらしさに満ちた作品だった。

未来から送り込まれる殺人機械、シュワルツェネッガー演じるT-800による守護、そして強敵に追われながら反撃していく展開。これらが揃うだけで、やはり「ターミネーターを観ている」という感覚が戻ってくる。前作では薄れていたシリーズ特有の追跡劇や緊張感が復活し、娯楽作としての分かりやすい魅力は十分に備わっていた。

そして、やはりこのシリーズにはシュワルツェネッガーがいてこそだと実感する。老化した外見を設定へ自然に取り込み、サラを長年守ってきた父親のような存在として、新しいT-800像を作り上げた。無表情な機械らしさと、少しずれたユーモアは相変わらずで、シリーズの魅力になっている。

ただし、物語は今までよりも複雑で、『1』と『2』の設定を取り込み、未来を変えるだけでなく、すでに過去まで改変された時間軸を描く。さらにカイルには、経験していない別の人生の記憶まで存在する。未来から過去へターミネーターを送り、将来の指導者となるジョン・コナーを消すという従来の流れから、かなり遠いところまで来てしまった。

そして、『1』『2』の影響も依然として強い。名場面や設定を知らなければ理解しにくい部分が多く、知っていれば知っているほど比較も避けられない。
本作はそこから離れるのではなく、むしろ過去作を積極的に利用して、歴史全体を再構築する形を選んでいる。

本作は新三部作の始まりとして作られ、おじさんを過去へ送った人物や、時間軸を改変した真相など、続編で深掘りするための謎を残している。しかし、興行が期待したほど伸びず、計画が立ち消えになってしまったようだ。今頃はすべての謎が回収された三部作を観られていたかもしれないと思うと非常に残念だ。

一本だけですっきり理解できる作品ではなく、過去作への依存や説明不足も目立つ。それでも、守るシュワルツェネッガー、追いかける新型ターミネーター、時間移動によって変化する歴史と、シリーズに求められる楽しさはしっかり詰まっている。

チャレンジは実らず、計画は途中で終わってしまったが、シリーズ作品としての楽しみは十分に感じられた。

当サイト評価
総合 7 / 10
音響 9 / 10

TRAILER

公式予告編

※予告編は本編とは画質・音質が異なる場合があります。

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