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あらすじ
国際平和維持組織S.H.I.E.L.D.が研究していた謎のエネルギー源テッセラクトが、アスガルドから現れたロキによって奪われる。
強大な力を手にしたロキは、人類を支配するため地球侵攻を計画。ニック・フューリーはこの危機に対抗するため、かねてより構想していた「アベンジャーズ計画」を始動させる。
集められたのは、アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソー、ハルク、ブラック・ウィドウ、ホークアイ。それぞれ圧倒的な能力を持つ一方、性格も考え方もまったく異なり、チームとしてまとまる気配はない。
対立を繰り返しながらも地球規模の危機が迫る中、彼らは初めて一つのチームとして戦うことになる。
個々のヒーロー作品で描かれてきた人物と世界を結び付け、MCU最初の大型クロスオーバーを実現したスーパーヒーロー・アクション。
作品レビュー
『アイアンマン』から積み上げてきたMCUフェーズ1の集大成であり、複数の単独映画を一本へつなげた大型クロスオーバー作品。
今では当たり前になった形式だが、当時はアイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソー、ハルクと、それぞれ主役級のキャラクターを同じ世界観のまま一堂に集めること自体がかなり異例だった。そこへブラック・ウィドウ、ホークアイも加わり、6人による初代アベンジャーズがついに形になる。
これまで各作品の裏側で動いていたS.H.I.E.L.D.とニック・フューリーの存在も大きく、長く進めてきたアベンジャーズ計画が実際に動き出す。個別作品をつないできた役割が、ここで一気に意味を持つのが気持ちいい。
メインヴィランは『マイティ・ソー』から続くロキ。彼は異星種族チタウリと手を組み、テッセラクトの力を利用して地球侵攻を企てる。チタウリは宇宙を渡る武装種族で、本作ではロキの軍勢として大量に地球へ送り込まれ、ニューヨーク決戦のスケールは宇宙レベルに踏み込んでいる。
しかし、ただ強い面々を集めたからといって最初からうまくいくわけではない。特にトニー・スタークとスティーブ・ロジャースは価値観がほぼ正反対で、協調より衝突が先に来る。ソーとロキの兄弟関係も個人的な問題では済まず、地球全体を巻き込む危機へ発展していく。
ブルース・バナー役はここでマーク・ラファロへ交代。比較的穏やかで、自分の怒りを理解したうえで常に制御しようとしている人物として描かれ、後のMCUにつながるバナー像がここで固まっていく。
ブラック・ウィドウも単なる格闘要員ではなく、相手に油断させて情報を引き出す心理戦の巧さが印象的。一方のホークアイは序盤からロキに操られるという変則的な立場で、チームが揃うまでにかなり遠回りする構成になっている。
さらにアイアンマンvsソー、ソーvsハルクなど、ファンが見たかったヒーロー同士の対決もしっかり盛り込まれる。激しくぶつかり合いながらも、仲間の犠牲をきっかけに少しずつまとまっていき、ニューヨーク決戦でようやく全員が一つのチームとして機能し始める。
シリアス一辺倒ではなく、ハルクがロキを一方的に叩きつける場面のようなユーモアも入り、キャラクターの個性がチーム戦でも埋もれない。
終盤では、最も利己的に見えたトニーが自己犠牲的な行動を選び、逆にキャプテン・アメリカは現場指揮官として自然に全体をまとめていく。個々のキャラクター達の見せ場もたっぷり用意されており、単独作品で積み上げた性格や成長が、そのままチーム戦の役割へつながっているのが非常に上手い。
アラン・シルヴェストリによるアベンジャーズのテーマもここで初登場し、その後何度も聞くことになるシリーズを象徴する音楽となった。さらにお馴染みのエンドクレジットで、物語はその先のさらに大きな展開へ進んでいく。
世界興収は15億ドルを超える大ヒットとなり、複数作品をつないで巨大なシリーズへ育てるシェアード・ユニバース方式を映画界へ定着させる大きなきっかけにもなった。
個性の強すぎるキャラクターたちを一つの作品へまとめ、それぞれの魅力を失わずに成立させた、映画史に残るシリーズのまさしく超大作だった。
メタデータ
映像レビュー
素晴らしい画質で、ここまで来ると一気に現代的な4K映像へ近づいたと感じる。
近景から遠景、暗い場面までピントがしっかり合い、人物や衣装の細部まで非常に明瞭。アイアンマンの金属質感はもちろん、服の模様や小さなジッパーまで確認できるほどで、大半の場面では解像感にまったく不満がない。
制作時のマスターは2K DIで、4K版はアップスケールとなっており、場面によってはわずかにそれを感じる所もあるが、それを差し引いても十分に高精細だ。
キャラクターが一気に増えたことで画面内の色数も多くなり、映像全体は非常に鮮やか。それでいて派手すぎる印象はなく、クリアで安定している。黒い背景でもノイズ感はほとんど気にならず、暗部までかなり綺麗だ。
Dolby Visionの効果も大きく、黒はしっかり沈み、発光表現とのコントラストが非常に強い。アイアンマンのリアクターやテッセラクト、ロキの杖、ソーの雷など、光を放つものは特に美しい。屋外の明るさもしっかりあり、室内照明が人物や金属へ反射する様子まで自然に描かれている。
画角もビスタサイズで画面を大きく使っており、ヒーローが増え、アクションの規模も一気に拡大した本作との相性がいい。ニューヨーク決戦のような大人数が入り乱れる場面でも、画面全体を見渡しやすく、特にヘリキャリアは壮観でスケール感がしっかり伝わる。
MCUフェーズ1を順番に見てきた中では、個人的に断然の高画質。映像の派手さだけでなく、解像感、暗部、発光、色彩まで非常にバランスよく仕上がった4K映像だった。
技術仕様・マスター情報:IMDb Technical Specifications、Blu-ray.com、メーカー公開情報等を参照
音声レビュー
映像に対して軽めに感じる。
強烈とまではいかないレベル。
前半はそこそこ、後半は素晴らしい。
会話重視で背景の音はささやかに。
かなり多彩で、強調するところも分かりやすい。
映像は非常に派手だが、音声はダイナミックレンジを意図的に抑えているのではと思うほど、全体的にパンチが不足気味。
序盤から中盤までは、それぞれのキャラクターが合流しながら物語が進むため、サラウンドの使い方も比較的控えめ。必要な場面ではリアやトップを使うものの、常に広大な音場を作るタイプではない。
さすがに終盤のニューヨーク決戦になると一気に活発になり、空から侵攻してくるチタウリに合わせてトップスピーカーも積極的に使われる。リアを含めて敵味方の音が入り乱れ、サラウンドデザイン自体はしっかり作り込まれている。
ただ、それでも一発一発の衝撃がどうにも弱い。爆発、アイアンマンの攻撃、ハルクの肉弾戦、巨大な敵の動きなど、本来ならかなり強烈な音になりそうな場面でも、低音やアタックは意外と控えめ。映像がこれだけ派手なだけに、音が一歩後ろへ下がっているように感じる。
トップスピーカーを明確に鳴らす場面はいくつもあり、高さ方向は分かりやすい。一方でリア側はフェーズ1の他作品と同様、少し控えめに感じるところが多かった。セッティングによって印象は多少変わるだろうが、それでも基本的にはもっと押し出しが欲しい。
その分、セリフは非常にクリア。音量差も極端ではなく、激しい場面でも声が埋もれにくいため、会話は終始聞き取りやすい。
サラウンドの配置や移動感そのものは悪くないだけに、もっと大きなダイナミックレンジとLFEの重量感があれば、かなり評価が変わったと思う。映像がフェーズ1屈指の完成度だったからこそ、それに負けない圧力のある音を味わいたかった。
聞きどころ
「聞きどころ」は見どころを含むシーンでもあります。
そのため「聞きどころ」には、シーン内容に関するネタバレが含まれます。
未視聴の方や事前情報を入れたくない方はご注意ください。
一方で、短時間で見どころを把握したい方、ネタバレを気にしない方には参考になる内容です。
ロキがキューブを奪取
キューブの広がりと、施設の崩れる音が目立つ。
アイアンマン vs ソー
実は音はそれほどだが、映像的には素晴らしい。
ヘリキャリアを襲撃
サラウンド、トップ共に使うが音は少し抑えめ。
ニューヨーク決戦
最後の総力戦で空を飛び回ることも多く、トップもサラウンドも活発に。
総評
当時はMCUをリアルタイムで追いかけていて、ハルクの暴れっぷりが好きだった作品。
今見返しても、最初から理想のチームとして機能するのではなく、ぶつかり合い、時には実際に戦いながら、それでも仲間の犠牲をきっかけにまとまっていく流れは少年漫画のような超王道。
それぞれ単独作品の主役を張れるほど人気も個性も強いキャラクターばかりなのに、きちんと全員へ見せ場を与えながら一本の映画として成立させているのは、改めて見ても本当に上手い。
MCUフェーズ1の総決算としても申し分なく、その後何十本もの作品を重ねて世界がさらに大きくなっていく中でも、この最初の集結が持つ特別感はまったく色褪せない。
ホームシアターとの相性も当然良く、映像はフェーズ1の中でも断然素晴らしい。音声はもっと圧力と迫力があれば完璧だったと思うが、サラウンドデザイン自体はやはり秀逸。
今では当たり前になったヒーロー大集合映画の原点として、今見ても十分に楽しめる、MCU初期を象徴する一作だった。
公式予告編
※予告編は本編とは画質・音質が異なる場合があります。
