作品データ
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あらすじ
ウッズボローでの事件を乗り越えた若者たちは、新たな生活を求めてニューヨークへ移り住む。
しかし、平穏な日々は長く続かず、ゴーストフェイスを名乗る新たな犯人が再び姿を現す。
過去の事件に関わる人々を標的とした連続殺人は街全体を恐怖に包み込み、逃げ場のない大都市で生き残りを懸けた戦いが始まる。
これまでとは異なる環境で迫り来る脅威に立ち向かいながら、事件の裏に隠された真実と新たな目的が少しずつ明らかになっていく。
作品レビュー
前作で新たな主人公となった姉妹たちは、再びゴーストフェイスの標的となる。
ウッズボローを離れ、ニューヨークで新生活を始めたものの、過去の事件から逃れることはできない。
小さな町では噂話として広がっていた事件も、大都市ではSNSによる憶測や誤情報が一人歩きし、現代らしい空気感を取り入れた設定には現実とのリンクも感じられる。
6作目にして、シリーズはオープニングから大胆な新パターンを導入。
長年続いた定番を崩し、犯人探しそのものにも新鮮さを与えてくれるなど、マンネリ打破への意欲が伝わってくる。
今回も歴代キャラクターが成長した姿で登場し、過去作を知るファンほど楽しめる要素が随所に盛り込まれている。
一方で人物関係はかなり複雑になっており、シリーズを追っていないと誰が誰なのか分かりづらい場面もあるなど、完全にファン向けの作品という印象は強い。
シリーズおなじみのメタ要素も健在で、今回はリクエルからさらに一歩進み、「フランチャイズ化した作品」のお約束をテーマに展開。
舞台変更やスケールアップ、何でもアリになっていくシリーズ作品そのものを皮肉る内容となっており、ホラー映画だけでなく現代ハリウッド全体への風刺としても楽しめる。
ゴーストフェイスの攻撃性もシリーズ屈指だ。
これまで以上にグロテスクな描写が増え、人目のある場所でも構わず襲撃を仕掛けるなど、恐怖よりも攻撃性が前面に押し出されている。
さらに今回はナイフだけに頼らず、銃器まで積極的に使用するなど戦い方にも変化が見られた。
最後はやはりシリーズらしい決着へ向かうものの、同じ展開を繰り返さない工夫が感じられ、この変化は素直に好印象だった。
犯人の動機は相変わらず常軌を逸した理屈ではあるものの、それもまた『スクリーム』のお約束。
既存のパターンと新しい試みを織り交ぜながら、最後まで正体を読ませない構成はシリーズらしい面白さをしっかり維持している。
また、本作は『スクリーム2』を思わせる構成も随所に見られる。
タラが大学生活を送る舞台設定をはじめ、初代と2作目の関係性を思わせる要素が散りばめられ、長年のファンほど気付けるメタネタとして機能しているのも面白い。
一方で、主人公たちは刺されても異常なタフさで動き続けるなど、ホラー的ご都合主義な部分も当然あり。
しかし、そのリアリティよりエンターテインメントを優先する姿勢も、今となってはシリーズのお約束として受け入れられるようになっている。
劇中には歴代作品を思わせるアイテムや演出も数多く登場し、新三部作の締めくくりを思わせる雰囲気も漂う。
しかし実際にはシリーズはさらに続くこととなり、それだけ長年愛され続けてきた作品であることを改めて実感させられる。
世代交代を成功させながら、その時代ごとの映画業界や流行をメタ的に取り込み続ける『スクリーム』。
唯一無二のメタホラーという立ち位置を改めて感じさせる、シリーズらしい一作だった。
メタデータ
映像レビュー
前作を踏襲した、安定感のある4K映像。
基本的な画作りは前作と非常によく似ており、自然な解像感と見通しの良いコントラストで、現代作品らしいクセのない映像に仕上がっている。
一方で、前作では遠景での甘さも多少改善されており、夜景や街並みもシャープに描写。
ピントの合った引き締まった映像となり、全体の完成度はさらに向上している印象に。
解像感自体は飛び抜けて高いわけではなく、現在の4K作品としては標準的なレベル。
しかし、それは決して物足りなさではなく、配信作品全体のクオリティが底上げされた結果とも言えるだろう。
Dolby Visionによる明暗表現も自然で、地下鉄のシーンでは照明の明滅に合わせて暗部をしっかり活かし、緊張感のある空気を演出。
一方で通常のシーンでは暗くしすぎることなく、全体的に見やすさを重視した画作りになっている。
CGへ大きく依存する作品ではないこともあり、不自然さや映像の粗はほとんど見当たらない。
圧倒的な高精細映像ではないものの、前作同様に欠点の少ない、高品質で安定した4K映像だった。
音声レビュー
雰囲気作りの重み付けが良い感じ。
大きすぎずキレのある音に。
ここら辺は薄め。
街の喧騒や地下鉄は十分。
雷以外、ほんの少し。
シリーズの中では比較的落ち着いたサウンドデザイン。
初期三部作の勢いある音響や、前作のパンチ力と比べると、本作は全体的に控えめな作りになった。
ダイナミックレンジも少し抑えられ、派手さよりバランスを重視した調整が施されている。
Dolby Atmos対応ではあるものの、リアスピーカーやトップスピーカーを積極的に使う作品ではなく、音場の中心は今回もフロント寄り。
包囲感を前面へ押し出すというより、画面内で起きる出来事を支えるサウンドになっている。
それでも低音の使い方は巧みで、ジャンプスケアや緊張感を高める場面では重低音を効果的に取り入れ、恐怖演出を自然に盛り上げてくれる。
過剰に鳴らすのではなく、雰囲気作りへ活かしている点は好印象だ。
サラウンドが活躍するのは地下鉄のシーンで、乗客のざわめきや車内アナウンス、周囲の環境音が取り囲み、中々の包囲感を感じられる。
他のシーンで積極的にマルチチャンネルを使わないのも意図的なものだろう。
スラッシャーらしい衝撃的な迫力こそないものの、音質そのものは非常にクリアで粒立ちも良く、現代作品らしい洗練された仕上がり。
ホームシアターで作品の緊張感を楽しむには十分な完成度を備えたサウンドだった。
聞きどころ
「聞きどころ」は見どころを含むシーンでもあります。
そのため「聞きどころ」には、シーン内容に関するネタバレが含まれます。
未視聴の方や事前情報を入れたくない方はご注意ください。
一方で、短時間で見どころを把握したい方、ネタバレを気にしない方には参考になる内容です。
街中アタック
人がいようとお構いなしで、銃もぶっ放す。
アパートにて
サラウンドはほんの少し。
ゲイル邸にて
低音の使い方が良い感じ。
地下鉄にて
ここが唯一、マルチチャンネルを活用する場面。
グッズ置き場決戦
サラウンドは僅かで、内容はアグレッシブに。
総評
6作目ともなると、さすがにシリーズとしてのマンネリは避けられない。
特に『スクリーム』は、あえて同じような展開やお約束を繰り返し、それ自体をネタにすることがシリーズ最大の特徴。
「またこの流れか」と思わせながら、その予想を少しだけ裏切るバランス感覚は、他のホラーシリーズにはない魅力だ。
本作では定番だったオープニングへ新たな工夫を加え、ゴーストフェイスの戦い方にも変化を持たせるなど、シリーズを続けながらも新鮮さを失わない努力が感じられた。
舞台もウッズボローからニューヨークへ移り、新しい環境だからこそ生まれる展開も多く、シリーズにほどよい刺激を与えている。
そして、新旧キャラクターの世代交代も今回で一区切りを迎えた印象だ。
歴代ファンへのサービスを残しながら、新たな主人公たちへしっかりとバトンを渡すことになった。
それでもエンディングを迎える頃には、「やっぱりスクリームだったな」という安心感が残る。
ホラー映画という枠を超え、メタ要素や犯人探し、お約束そのものを楽しむ『スクリーム』という独自のジャンルを築き上げたシリーズだからこそ、この感覚は他では味わえない。
映像・音響も現代作品の最低限のクオリティは備えており、ホームシアターでも問題なく楽しめる。
スクリームという世界観を味わいたいファンムービーではあるので、変わらない味が好きな人にはおすすめだ。
公式予告編
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