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あらすじ
ゴジラとコングがメカゴジラとの戦いを終えてから数年。
地上ではゴジラがタイタンたちの秩序を保ち、コングはホローアースで自らの居場所を探しながら暮らしていた。
そんな中、コングは地下世界のさらに奥深くで、自分と同じ種族の巨大類人猿たちが暮らす未知の領域を発見する。しかし、そこを支配していたのは、圧倒的な力と支配欲を持つスカーキングだった。
一方、地上ではゴジラが新たな脅威に備えるかのように各地のタイタンと接触し、さらなる力を蓄えていく。
やがて、ホローアースに隠されていた過去と、コングの種族にまつわる歴史が明らかになり、地上と地下の両方を巻き込む大規模な戦いへ発展。ゴジラとコングは再び力を合わせ、新たな敵に立ち向かう。
MonsterVerseの世界をさらに広げ、ホローアースの文明やタイタンの歴史へ本格的に踏み込んだシリーズ第5作。
作品レビュー
『ゴジラvsコング』から3年経った後の世界。
ゴジラは地上に、コングはホローアースと、それぞれの領域で生活していた。
今回は完全にコング中心の物語となっている。
今までずっと一人だったコングが、ホローアースのさらに奥で巨大類人猿たちの集団を発見する。しかし、ようやく見つけた同族たちはスカーキングによって支配されていた。
その道中で出会う幼いスーコとの関係が今作の一つのキーとなるが、ジアとは違ったバディ感がある。
最初は敵対するものの、徐々にコングへ心を開いていく。そのやり取りはほとんど台詞を必要とせず、表情や仕草だけでしっかりドラマになっている。
前作でもコングは人間に近い精神性を持つ怪獣として描かれていたが、今回はさらに進んで、怪獣だけの場面がかなり長く続く。
敵となるスカーキングも同じ巨大類人猿だが、コングとは正反対。
まるで田舎の不良のように力で仲間を支配し、さらに氷を操る巨大タイタンのシーモまで従えている。
ゴジラは核施設を襲撃したり、新たな敵との戦いを察知したかのようにエネルギーを蓄え、ピンク色に発光する新たな姿へ進化。
そして最終的には、ゴジラとコング対スカーキングとシーモというタッグマッチへ発展する。前作からさらにプロレス感も強くなった。
ホローアースの世界もさらに広がり、巨大生物だけでなく、独自の文明や新たな領域まで登場。地上と地下を行き来しながら物語が進み、シリーズの世界観はまた一段大きくなった。
一方で、人間側の物語はかなり軽くなった印象。続投したキャラは多いが、正直なところそれほど記憶には残らなかった。
さらにコングの治療をするトラッパーの登場あたりは、BGMまで含めて非常に軽く、2014年版ゴジラの重苦しと比べると同じシリーズとは思えないほど雰囲気が違う。
また、怪獣として大事な「巨大さ」も感じにくくなった。映像そのものは相変わらず素晴らしい。
ただ、人間や建物との比較によって「こんなにデカいのか」と感じさせていた初期作品とは違い、ホローアースでは巨大な空間に巨大怪獣だらけで、相対的なサイズ感が人間世界とそれほど変わらなく感じてしまう。
スカーキングもキャラクターとしては面白いが、さすがにキングギドラやメカゴジラほど絶対的な強さを感じるボスではなかった。
シーモを利用しているからこその脅威という部分もあり、単体での迫力では少し物足りない。
怪獣だけでドラマを成立させ、ホローアースをさらに広げた挑戦的な作品であり、娯楽映画としてかなり振り切っている。
興行的にも成功した作品だが、個人的にはこれまでのモンスターバースほど強烈なインパクトは残らなかった。
シリーズとしての進化は感じる一方で、怪獣が特別な存在だった頃の「絶望的な存在感」が少し恋しくなった作品でもある。
メタデータ
映像レビュー
シリーズ随一の幻想的な色彩表現
明るい作風をそのまま反映したような、非常に色鮮やかな映像。
今回はホローアースの新たな領域や、新たな敵に新たなゴジラの形態などが登場するが、青、紫、ピンク、緑、マグマの赤など強い色彩で彩られており、シリーズの中でも間違いなく最も明るく派手な画作りになっている。
これまでのモンスターバースは暗闇の中で怪獣を見せる場面が多かったが、本作はその逆。
光そのものが画面を支配するようなシーンが多く、色とりどりの光が広がることで、ホローアースの幻想的な雰囲気が強調されている。ファンタジー色が増した内容に合わせてか、光がわずかに滲むような柔らかな質感も印象的だった。
解像感は非常に高く、4Kらしい細かさは十分。
シリーズ共通のフィルム感もはっきり残されており、遠景が少し柔らかく見える場面はあるものの、作品全体の雰囲気にはよく合っている。
水しぶきや木々をかき分けた際に舞う細かな粒子まで綺麗に描かれ、これだけ情報量の多い映像でもノイズ感はほとんどない。
強い光を多用しながら見づらさもなく、VFXの完成度は相変わらず圧巻。
人間視点から怪獣の巨大さを見せる迫力では過去作に譲るものの、ホローアースという異世界と、そこを動き回る怪獣たちの美しさを堪能できる映像だった。
技術仕様・マスター情報:IMDb Technical Specifications、Blu-ray.com、メーカー公開情報等を参照
音声レビュー
ピークはそこそこだが、怪獣映画としては弱め。
シリーズでは最も抑えめ。
平均以上の動きはある。
ジャングルが多く、雰囲気は良い。
空飛ぶ怪獣や、大きさの表現など、細かな活用が多い。
映像がシリーズでも屈指の鮮やかさだった一方、音声はこれまでのモンスターバースと比べるとかなり控えめに感じた。
このシリーズは強烈な低音と大きなダイナミックレンジが魅力だったが、今回は全体的にマイルド。
一般的なアクション映画として考えれば十分な迫力はあるものの、巨大怪獣がこれだけ暴れ回る作品としては、どうしても物足りなさが残る。
特に気になったのが重低音。
人間視点でゴジラが走る場面ですら身体へ響くほどの重さはなく、コングたちの戦いも巨大怪獣同士というより、普通の格闘を少し大きくしたような感覚に近い。
シーモほどの巨体でも低音は意外なほど穏やかで、怪獣のサイズと音の重量感が噛み合っていないように感じた。怪獣が多すぎるため、従来通りの低音を鳴らし続けると大変だから抑えたのでは、と思ってしまうほどだ。
サラウンドも同じ傾向で、Dolby Atmosらしくトップやリアは使われるものの、過去作ほど積極的ではない印象。
それでも随所で音場が大きく広がり、周囲を包み込むような場面も多いため、マルチチャンネルで観る価値は十分にある。
一般的なアクション映画としてなら高水準。
ただ、モンスターバースはそこでは満足できない。
ここまでの作品が映像に負けないほど強烈な音を鳴らしてきただけに、怪獣プロレスへさらに振り切った本作こそ、もっと重量感のあるサウンドで楽しみたかった。
聞きどころ
「聞きどころ」は見どころを含むシーンでもあります。
そのため「聞きどころ」には、シーン内容に関するネタバレが含まれます。
未視聴の方や事前情報を入れたくない方はご注意ください。
一方で、短時間で見どころを把握したい方、ネタバレを気にしない方には参考になる内容です。
ホローアース突入からゴジラのフランス核施設襲撃
突入やゴジラのシーンは全体を使ったサラウンドに。
コング、スーコと出会う
初めての同族バトル。
湖で水浴び
スーコの罠。
ゴジラ vsティアマット
青 vs ピンクの映像は素晴らしいが音は抑えめ。
スカーキング登場
コングサイズだらけで普通のプロレスのように。
コング vs ゴジラ再び
映像はすごい、しかしやはり抑えめの戦闘。
2対2のタッグマッチ
最後が一番派手に戦い、音声も派手に。
総評
モンスターバースも5作目となり、さすがに最初の頃ほどの驚きは少なくなってきた。
特に前作『ゴジラvsコング』で二大怪獣の直接対決から共闘までやり切っただけに、今回は次に何を見せてくれるのか期待していた。
その中で一番気になったのは、やはり敵側のインパクト。
自分は大小問わず様々なモンスター映画を観てきたが、怪物に求めているのは凄みや巨大さ、そして見たことのないユニークさなのだと思う。
スカーキングはキャラクターとして面白いものの、類人猿同士ということもあって、キングギドラやメカゴジラほどの圧倒的な存在感は感じなかった。
一方で、シーモやスーコといった新しい怪獣にはしっかり魅力があり、ホローアースの世界もさらに広がった。
全体的に明るく派手な映像へ変化し、怪獣が登場する時間も多いため、娯楽作品としての見やすさはかなり高い。
UHDの映像クオリティも非常に優秀で、色鮮やかなホローアースや巨大怪獣のVFXを大画面で楽しむには十分な完成度。
シリーズを通して作品ごとに作風が大きく変わるのは、モンスターバースならではの面白さでもある。
今作は個人的に少し物足りなさが残ったが、同じことを繰り返さず変化し続けているシリーズだからこそ、次はどんな方向へ進むのかを楽しみにしたい。
公式予告編
※予告編は本編とは画質・音質が異なる場合があります。
