シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ

正義と正義がぶつかる、MCU最大級のヒーロー対決

作品データ

作品名
シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ
Captain America: Civil War
公開年
2016年
上映時間
148分
レビュー対象
Disney+
映像仕様
4K/IMAX Enhanced
音声仕様
DTS:X
当サイト評価
総合 9/10
音響 9/10
外部評価
IMDb 7.8 / 10
Filmarks 4.1 / 5
映画.com 3.9 / 5
他サービス
Prime VideoHDSDR5.1ch
HuluHDSDR2ch
Apple TV4KDolby VisionDolby Atmos
Blu-rayHDSDR7.1ch
UHD Blu-ray4KHDR10Dolby Atmos

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STORY

あらすじ

世界各地で活動を続けるアベンジャーズだったが、その戦いによって生じる被害を問題視する声が高まり、国際社会はヒーローの活動を管理する新たな協定を提示する。

自分たちの力には監督が必要だと考えるトニー・スタークに対し、スティーブ・ロジャースは政治的な判断によって行動を制限されることに疑問を抱く。そんな中、かつての親友バッキー・バーンズを巡る事件が発生し、両者の考え方の違いはさらに大きくなっていく。

それぞれの信念と守りたいものを抱えたヒーローたちは二つの陣営へ分かれ、これまで共に戦ってきた仲間同士が対立することになる。

REVIEW

作品レビュー

MCUフェーズ3最初の作品となる『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』は、『ウィンター・ソルジャー』に続いてルッソ兄弟が監督を務めた、シリーズの大きな転換点となる一本。

ラゴスでの任務中に市民被害が発生したことをきっかけに、これまでアベンジャーズが世界各地で起こしてきた戦闘被害が改めて問題視され、国連はヒーローたちを管理下に置く「ソコヴィア協定」を提示する。『エイジ・オブ・ウルトロン』で自らの判断が世界規模の危機につながったトニーは、自分たちの力には監督が必要だと考える。一方のスティーブは、『ウィンター・ソルジャー』でS.H.I.E.L.D.や政府組織そのものが腐敗し得ることを経験しており、正しい行動まで政治的判断に委ねることを拒む。

どちらか一方が完全に正しいわけではなく、それぞれが過去の経験から自然にたどり着いた結論だからこそ、この対立は面白い。そこへペギー・カーターの死と、冬の兵士として利用され続けた親友バッキーの問題が重なり、スティーブはさらに自分の良心を優先して動いていく。

その裏で糸を引くヘルムート・ジモは、ソコヴィア軍特殊部隊の元大佐で超能力も特殊なスーツも持たない普通の人間。アベンジャーズを力で倒すのではなく、彼らの過去や感情を利用して内部から崩壊させようとする。その計画の中で、ワカンダ国王ティ・チャカと息子ティ・チャラ/ブラックパンサーが初登場。ティ・チャラ自身も家族を失った復讐心から戦いへ加わり、後の『ブラックパンサー』へつながるワカンダの存在が一気に前面へ出てくる。

さらにピーター・パーカー/スパイダーマンもMCU初登場。トニーにスカウトされる若いピーターと、長年戦い続けてきたベテランヒーローたちとの温度差が新鮮で、重い物語の中でも明るさを生んでいる。

チーム・キャプテンとチーム・アイアンマンに分かれて激突するライプツィヒ空港戦は、まさにアベンジャーズ級の大集合。ホークアイやアントマンも再登場し、アントマンが初めてジャイアントマンになるなど見せ場も多い。それでも相手は元仲間なので、殺し合いではなく互いを止めることが目的という独特の軽さがある。しかしウォーマシン/ローディの負傷を境に、遊びのようだった対立が一気に現実的な重さを帯びていく。

ヴィジョンとワンダの関係が芽生える一方で、チーム全体の信頼は崩れていく。そして終盤、バッキーとトニーの両親に関わる過去が明らかになることで、政治や法律を巡る思想対立だったはずの争いが、極めて個人的な感情へ変わる。スティーブとバッキーの長年の友情、トニーが家族を失った痛み、その両方がぶつかる最終戦は、単純な正義と悪では語れない。

キャプテンの盾もここではただの武器ではなく、スティーブの信念や、トニーの父ハワードとのつながりまで背負った象徴として扱われる。そしてこの対立は、その場だけでは終わらず、アベンジャーズそれぞれの立場や関係に大きな変化を残し、その後のMCUにも長く影響していく。

原作『Civil War』の構図をMCUの積み重ねに合わせて大きく再構成し、キャプテン・アメリカ単独作でありながら実質的にはアベンジャーズ級の群像劇へ仕上げた一作。ヒーローの力と責任、法律と良心、友情と家族を失う痛みまで描き、年齢を重ねてから見るほど刺さる内容でもあった。

SPEC

メタデータ

映像レンジ / 解像度 / アスペクト比
Dolby Vision / 3840×2160 / 可変(IMAX)
輝度データ
最大 718nit / 平均 565nit(HDR10時参考)
映像ビットレート
最大 24.55Mbps / 平均 13.26Mbps
音声 / 音声ビットレート
DTS:X / 測定不可
VIDEO

映像レビュー

CHECK POINT

6.5K ARRIRAWで撮影された空港戦のIMAX拡張映像

第一印象から、かなり良い4K映像。

アップスケールらしさは多少あるものの、ここまでのMCU作品と比べるとかなり洗練されており、目立った欠点はほとんど感じない。各国の空撮も非常に綺麗で、遠景でも甘さは少なめ。多くのヒーローが登場するが、それぞれ異なるスーツの模様や素材感もしっかり描き分けられ、風景のディテールも申し分なく、十分に4Kらしさを味わえる。

技術的には、通常シーンがARRIRAW 3.4Kを中心に撮影され、一部にはRED 6Kや4K素材も使用。最終マスターは2K Digital Intermediateなので、UHDは基本的にアップスケール4Kとなる。

そして本作の大きな見どころがIMAX Enhanced。黒帯が減った1.90:1へ拡大するのはライプツィヒ空港でのチームバトルのみで、全編の中ではかなり限定的な使い方。

この空港戦では、ARRI ALEXA IMAXを使った6.5K ARRIRAW撮影が採用されており、通常シーンとは撮影フォーマット自体が異なる。使われる時間が短いぶん切り替わった瞬間のインパクトは大きく、複数のヒーローが入り乱れるアクションやジャイアントマンの巨大さも、より開放的な画面で楽しめる。

絵作りは明暗差がかなり大きく、特に黒は深く沈むタイプ。環境によっては少し黒つぶれ気味に感じるほど濃く、明るめの設定でちょうど良く見える場面もあった。ここはディスプレイの特性や視聴環境で印象が変わりそう。

その一方で、しっかり色の乗ったスーツや金属ボディは派手すぎず、マットな質感からメタリックな反射までバランスよく描写される。Dolby Visionらしい光の強さもあり、深い黒とのコントラストは作品のシリアスな雰囲気ともよく合っている。

ここまでのMCU作品の中でも十分に綺麗な部類で、アップスケール4Kながら完成度は高い。何より、ここぞという空港戦だけIMAX画角へ切り替える使い方が印象的で、特徴のある映像だった。

技術仕様・マスター情報:IMDb Technical Specifications、Blu-ray.com、メーカー公開情報等を参照

AUDIO

音声レビュー

Low Frequency Effect 4.0

重低音よりも、打撃にきっちり重さが乗っているタイプ。

ダイナミックレンジ 4.5

あらゆる衝撃音が鋭く表現されている。

定位感・移動感 4.5

アクションシーンのマルチチャンネル活用はかなり多い。

環境音 3.0

屋外での雰囲気は良い。

トップ 5.0

DTS:Xでより激しくトップを活用する。

ここまでMCUを見てきた中では、個人的にトップクラスと言っていいサラウンド音声。そして特に良かったのがIMAX Enhancedで選択可能なDTS:X版だ。

Atmos版と同じ場面を比較すると、『トロン:アレス』ほど極端ではないものの、DTS:Xでは全体的に一段パワーアップした印象がある。ダイナミックレンジが広がり、あらゆる衝撃音が強くなり、特に肉弾戦のキレが素晴らしい。スピード感のある戦闘に合わせ、打撃音には低音の厚みが加わり、威力もしっかり感じられる。

自分の環境で簡易測定すると、Atmosとセリフ音量を合わせた状態でアクション時はおよそ2〜3dBほどDTS:Xの方が大きい場面が多かった。ただ、体感上の差は数字以上で、リア側もより明確に鳴り、包囲感が強くなる。

特に大きく違ったのがトップスピーカー。全体のアクションでは数dB程度の差でも、トップ単体ではそれ以上に違いを感じる場面があり、しかも使用頻度が高い。空港でのチームバトルはその違いが最も分かりやすく、飛行キャラクターや攻撃、破片などが高さ方向まで積極的に展開される。

低音の傾向にも違いがあり、爆発時の響きがより大きく、余韻も長く感じる場面があった。同じ作品でもフォーマットによって聞こえ方がここまで変わるのは面白い。

とはいえ、極端な爆音系ではなく、あくまでホームシアター向けとして非常にバランスが良い。しっかり迫力を出しながらもセリフは安定して聞き取りやすく、上下の音量差も扱いやすい。

DTS:Xの方が明確に好みだったが、元のAtmos版もサラウンド設計そのものはかなり優秀。元々高い完成度のミックスが、DTS:Xではさらに力強く、立体的になったように感じた。

サラウンドの派手さと緻密さに、キレのある衝撃音まで加わった非常にハイレベルな音響。今後のDTS:X対応MCU作品にも期待したくなる仕上がりだった。

SCENES

聞きどころ

ネタバレ注意

「聞きどころ」は見どころを含むシーンでもあります。
そのため「聞きどころ」には、シーン内容に関するネタバレが含まれます。
未視聴の方や事前情報を入れたくない方はご注意ください。
一方で、短時間で見どころを把握したい方、ネタバレを気にしない方には参考になる内容です。

03:10~13:00

ラゴスでのミッション

格闘戦の鋭さが良い感じに。サラウンドはそこまで。

43:00~52:00

バッキーを巡る争い

ここでもサラウンドは車の音くらいだが、あらゆる音が気持ちいい。

1:01:15~1:10:20
トップ活用

バッキーの暴走

スティーブの逆三角体系を見せつけるヘリのシーンで少しトップ。

1:27:00~1:45:35
トップ活用 映像重視

空港でチームバトル

全チャンネルを派手に活用。特にトップはDTS:Xでより派手に。

1:58:30~2:12:15
トップ活用 終盤見せ場

アイアンマン vs キャップ&バッキー

施設破壊やミサイル発射台での戦いはトップもはっきり。サラウンドはそれほどだが、キレは最後まで衰えず。

SUMMARY

総評

『アベンジャーズ2.5』と言ってもいいほど、多くのヒーローが集結する大規模作品。

『エイジ・オブ・ウルトロン』から続くヒーロー活動の反動と責任がさらに重くのしかかり、「多くを救うために少数の犠牲をどう考えるか」という問題が真正面から描かれる。誰かを守る行動が別の誰かを傷つけてしまう構図はかなり現実的で、ヒーロー映画でありながら悲しさを感じる場面も多い。

その一方で、スパイダーマンやアントマンは変わらない明るさで作品を軽くしてくれ、空港での大乱戦をはじめバトルの見せ場も申し分なし。シリアス一辺倒にはならず、MCUらしい楽しさもしっかり残されている。

ヴィラン側もこれまでとはかなり違い、超能力を持たない普通の人間が、最強クラスのヒーローチームを力ではなく心理戦で追い込んでいく。復讐心と過去を利用して内部から崩そうとする構成にはスリラー的な面白さもあり、単純な正義と悪の対決ではないところが印象に残った。

映像は完成度の高い4K映像に加え、最大の見せ場となる空港戦でIMAX画角を使用。多数のヒーローが入り乱れる戦いとの相性も抜群だった。さらにDTS:Xによるサラウンド音声は、ここまで見てきたMCU作品の中でも個人的にはトップクラス。トップスピーカーまで非常に賑やかに使われ、環境が整っていれば立体的な戦闘をさらに楽しめる。

復讐が新たな復讐を生み、物語はこれまで以上に重い方向へ進んでいく。結末にも苦味が残り、その先がここまで気になる作品もなかなかない。MCUの関係性や物語の方向を大きく変えた転換点であり、ドラマ、アクション、映像、音響まで高いレベルでまとまった、非常に楽しめる一作だった。

当サイト評価
総合 9 / 10
音響 9 / 10

TRAILER

公式予告編

※予告編は本編とは画質・音質が異なる場合があります。

配信サービス
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