作品データ
パッケージで探す
※楽天・Yahoo!は検索結果ページに移動します。
新品・中古を含む複数の商品が表示される場合があります。
あらすじ
第二次世界大戦下のアメリカ。小柄で病弱ながら、人一倍強い正義感を持つ青年スティーブ・ロジャースは、何度不合格になっても軍への入隊を諦めようとしなかった。
その強い意志を見込まれた彼は、極秘のスーパーソルジャー計画の被験者に選ばれる。実験によって驚異的な身体能力を手に入れたスティーブだったが、すぐに兵士として前線へ送られるわけではなく、国民を鼓舞する象徴「キャプテン・アメリカ」として利用されていく。
しかし親友バッキーたちが敵組織ヒドラに捕らわれたことを知り、スティーブは自ら戦場へ向かうことを決意する。
やがて彼は、超人的な力と強力な兵器を手に世界支配を狙うレッド・スカルと対峙することになる。
力を得る以前から持っていた勇気と信念を武器に、一人の青年が真のヒーローへ成長していく姿を描いたMCUのオリジン・ストーリー。
作品レビュー
『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』は物語の大部分を第二次世界大戦中に置き、現代SFというより戦争映画とレトロな冒険活劇をスーパーヒーロー映画へ融合したような作品となっている。
主人公スティーブ・ロジャースは、能力を得る前からすでに強い正義感と勇気を持った人物であり、小柄で病弱、何度入隊を拒否されても諦めず、それでも戦場へ行こうとする。そこに目を付けたエイブラハム・アースキン博士が重視したのは、強さではなく人間性だった。
スーパーソルジャー計画の真の狙いは強い人間をさらに強くするためではなく、善良な人間へ大きな力を与えることにある。実験後、小柄だったスティーブが笑ってしまうほどムキムキの肉体へ変貌するが、外見が変わっても中身はほとんど変わらない。
しかし、力を得た直後から前線で大活躍するわけではなく、最初は派手な衣装を着て戦意高揚の広告塔として利用される。延々とマスコットのようにイベント出演ばかりでウンザリしていたが、バッキーたちの救出へ自ら向かったことで、ようやく本当の兵士として認められていく。シリーズを重ねるごとに洗練されていくスーツも、このころはまだプロパガンダ用でダサかっこいいとでも言うようなデザイン。そこからが実戦用スーツへ変わっていくのも、スティーブ自身の成長と重なっている。
主要なキャラクターも非常に印象に残るが、その中でもバッキーとの友情やペギー・カーターとの関係も物語の大きな軸になっている。
バッキーとの関係は、スティーブの「仲間を見捨てない」という性格を最も分かりやすく示している。体が小さかった頃から自分を気にかけてくれた親友であり、捕虜になったと知った時には命令を無視してでも救出へ向かう。スーパーソルジャーになってからも友情のあり方は変わらず、力を得たことで初めてバッキーを助けられる側になったという変化も印象的だ。
一方のペギー・カーターは、スティーブの強さではなく人間性を早い段階から評価していた人物。広告塔として扱われていた時期から彼を一人の兵士として見ており、前線で実績を積んでいく中で互いの信頼も深まっていく。恋愛要素だけでなく、スティーブが「キャプテン・アメリカ」という象徴ではなく、一人の人間として理解される相手になっているのが大きい。
対するレッド・スカルは、スーパーソルジャー計画をスティーブとは正反対の方向へ使った存在。力が人格を増幅するという意味でも、二人の対比は分かりやすい。ヒドラも単なるナチスの一部隊に留まらず、テッセラクトという青いキューブ状のエネルギー源を使って独自の兵器を開発し、後のMCUへつながる存在感を見せていく。
さらにハワード・スタークの登場によって、トニー以前からスターク家とスーパーヒーローの歴史がつながっていたことも分かる。ヴィブラニウム製シールドもここで登場し、防御だけではなく投擲武器として使うキャプテン独自のアクションスタイルが形になっていく。
1940年代の雰囲気を残しながら、ヒドラの兵器や施設はどこか未来的で、レトロフューチャー的なデザインもこの作品ならでは。小柄なスティーブのVFXも非常に自然で、本人の演技を残したまま身体を小さく見せているため、変身前後の差がより強烈に感じられる。
そして最後まで、スティーブの芯はほとんど変わらない。能力を得たからヒーローになったのではなく、力を得る前からヒーローとしての資質を持っていた人物が、それに見合う力を与えられたというのは、まるで少年漫画の主人公のようだった。
最後の自己犠牲も、そんなキャプテン・アメリカという人物を決定づける場面。そこから一気に現代へつなげ、『アベンジャーズ』直前の物語として機能させる構成も見事だった。
アイアンマンやソーのように欠点や未熟さから成長していくタイプとはまた違い、スティーブは最初から最後まで根本的な部分がほとんどぶれない所がカッコいい。MCUの中でも、本当に「ヒーローらしいヒーロー」を描いた作品だった。
メタデータ
映像レビュー
1940年代の空気を感じさせる淡く落ち着いた色調
1940年代という時代設定を反映したかのような、落ち着いた映像に仕上がっている。
全体的にわずかなセピア調を感じさせる淡い色合いで、解像感も過度に輪郭を立たせる方向ではない。背景や被写体の一部を少し柔らかく見せる場面もあり、2K DIからのアップスケール4Kということもあって、精細感を前面に押し出すタイプではない。むしろ当時の雰囲気を残すための絵作りとして自然に感じられた。
軍服や街並みなど1940年代らしいデザインは、今見るとかえって洒落た雰囲気もある。キャプテン・アメリカのスーツも青と赤を使った原色系ではあるものの、周囲から極端に浮くほど派手ではなく、作品全体のトーンにうまく馴染んでいる。
電子機器からヒドラの兵器まで、当時の人が想像した未来技術のようなレトロフューチャー感も面白い。その中でもヴィブラニウム製シールドの輝きは印象的で、他の金属とは違う特別な存在であることが映像からもしっかり伝わる。キャプテン・アメリカのカラーに塗装されてからはさらに存在感が増し、個人的にもMCUの中でお気に入りの装備だ。
テッセラクトを利用した兵器から放たれる青い光も、本作を象徴する色の一つ。全体が比較的淡い色調だからこそ鮮やかな青が際立ち、ヒドラの異質な技術力を強く印象づける。
明部から暗部まで安定しており、暗い場面でも見えづらさはほとんどない。派手なHDR映像というより、作品を通して一定した見やすさと雰囲気を維持しているタイプだ。
時代感をしっかり残しながら古臭さを感じさせず、レトロな世界へスーパーヒーローを自然に溶け込ませた映像。キャプテン・アメリカ最初の物語にもよく合った仕上がりだった。
技術仕様・マスター情報:IMDb Technical Specifications、Blu-ray.com、メーカー公開情報等を参照
音声レビュー
キューブや爆発の重さはあるが、アクションでは比較的薄い。
アクションとしての水準は満たしている。
リアの活用は十分。
街の喧騒や施設の雰囲気はさりげなく。
使いはするが、映像に対しておとなしい。
サラウンドの広がりも音そのものの威力も、あと一歩欲しくなる仕上がり。
Blu-rayでは7.1chだった作品がDolby Atmosへアップデートされているものの、基本的な音場は高さより後方を重視した印象で、トップスピーカーの活用はかなり限定的。Atmosらしい明確な高さを感じられる場面は、ごく短い効果音に限られている。
リアについても、戦場での銃撃戦やヒドラ基地への攻撃、後半の航空機での戦闘など、縦横無尽なサラウンドを期待できそうな場面は多い。しかし実際には後方から積極的に音が迫ってくる感覚は弱く、鳴っていても音量は控えめで存在感が薄い。
音自体が弱いわけではなく、ダイナミックレンジには十分な幅がある。ヒドラのエネルギー兵器などは鋭いアタックがあり、テッセラクトを使った実験では短い場面ながら全方向を使った派手な鳴り方も確認できる。それだけに、作品全体としては意図的に抑えたミックスなのだろうと感じる。
低音も同様で、常に重量感を押し出すタイプではない。大規模な戦闘や爆発が続いてもLFEによる強烈な押し出しは少なく、映像の派手さに対して少し物足りなく感じる場面が多かった。
キャプテン・アメリカのシールド攻撃や銃撃戦、航空機、爆発と、サラウンド映えする素材には困らない作品だけに、もっと大胆に空間を使ってもよかったと思う。
MCU初期作品を続けて見ると、Atmosアップデートの方向性が作品によってかなり違うのも面白い。『アイアンマン』が非常に積極的だっただけに、本作もあれくらい思い切ったリミックスで観たかった。
一部の鋭い効果音や瞬間的な広がりには良さがあるものの、映像ほどのスケールを音から感じることは難しい部類だった。
聞きどころ
「聞きどころ」は見どころを含むシーンでもあります。
そのため「聞きどころ」には、シーン内容に関するネタバレが含まれます。
未視聴の方や事前情報を入れたくない方はご注意ください。
一方で、短時間で見どころを把握したい方、ネタバレを気にしない方には参考になる内容です。
テッセラクトの実験
最後の数秒が作中一番のサラウンド。
超人化
銃や爆発の迫力はまずまず。サラウンドやトップはチェイスでほんの少し。
飛行機で敵地へ
テッセラクト実験と同様、非常に短いがサラウンドはしっかり使う。
捕虜を解放し脱出
サラウンドはそんなに、迫力はまずまず。後半は爆発だらけに。
盾を手に入れ快進撃
ハイドラのビーム兵器は迫力あるものの、やはりサラウンドは控えめ。
シュミットの隠れ家へ
一連の映像は派手なものの、最後まで迫力は抑えめなサラウンド。
総評
MCU初期作品の中でも、第二次世界大戦という時代背景を含め、かなり異色の立ち位置にあるヒーローの誕生物語。
絵に描いたような強い正義感を持つスティーブ・ロジャースと、鍛え上げられた肉体に爽やかな雰囲気を併せ持つクリス・エヴァンスの相性は抜群。キャプテン・アメリカというヒーローを実写化するうえで、これ以上ないと思えるほどハマった配役だった。その後のMCUでも中心人物の一人となり、個人的にも最も好きなキャラクターの一人になった。
後に深く関わってくるバッキーやペギーをはじめ、ヴィブラニウム、ヒドラ、ハワード・スターク、そしてテッセラクトなど、後のMCUへつながる重要な要素も非常に多い。現在では巨大な世界観を持つシリーズになったが、改めて初期作品を見返すと、この時期に積み上げられた設定や人物関係が後々まで大きく影響していることがよく分かる。
映像と音声はどちらもまずまずの完成度。1940年代らしい落ち着いた映像には作品との相性の良さを感じる一方、派手な戦闘や兵器が登場するだけに、Atmosではもう少しダイナミックなサラウンドと迫力を味わいたかったのが正直なところ。
それでも作品そのものは、「正しい心を持つ人間こそ大きな力にふさわしい」という非常に王道なヒーロー物語になっている。力を得る前から根本的な部分は何も変わらず、その後の作品でも信念を曲げることなくMCUの中心に立ち続けるキャップ。その人物像の原点が、この一作にしっかり詰まっている。
細身の青年から見事な逆三角形の身体を持つスーパーソルジャーへ変貌するインパクトも含め、Marvelを代表する人気キャラクターを見事に実写へ落とし込んだ、まさにヒーローらしいヒーローの始まりだった。
公式予告編
※予告編は本編とは画質・音質が異なる場合があります。
