作品データ
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U-NEXT :
AppleTV : 4K/Dolby Vison/5.1ch
Blu-ray : HD/SDR/5.1ch
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あらすじ
数字に並外れた能力を持つ会計士クリスチャン・ウルフは、表向きは小さな事務所を営みながら、裏では犯罪組織の帳簿を扱っている。
ある企業の不正調査を引き受けた彼は、経理担当のデイナとともに巨額の資金消失を発見。
しかし真相へ近づくほど関係者が消され、財務省の捜査も迫ってくる。会計士とは思えない戦闘能力を持つ彼の過去と、事件に隠された意外なつながりが明らかになっていく。
作品レビュー
ベン・アフレックの演じたキャラの中で一番好きかもしれない。
『ザ・コンサルタント』は、裏社会の帳簿を扱う会計士を主人公にした犯罪アクション。原題は会計士の英語であるアカウンタントだが、日本ではほとんど通じないからコンサルタントなんだろうか。
ベン・アフレックが演じるクリスチャン・ウルフは、数字に対して並外れた能力を持つ会計士。地方で小さな事務所を営んでいるが、裏では不正や資金の流れを見抜く仕事を請け負っている。
自閉スペクトラム症であり、人との会話や感情表現は苦手だが、決められた手順や数字には強いこだわりを持っている。いつも無表情で機械的な振る舞いだが、その淡々とした演技が役柄によく合っており、銃を持って戦う場面でも淡々と処理していく。
いつも危ないクライアント相手にしていたので、新たに引き受けるのは、最先端技術を扱う企業の会計調査となった。そこで経理担当のデイナが発見した不自然な数字を手がかりに、巨額の資金が消えていることを突き止める。
デイナもまた数字を好み、少し独特な性格を持つ人物だ。クリスチャンとはまったく同じではないが、数字を通して自然に会話できる数少ない相手となる。
調査が真相へ近づくと、関係者が次々と命を狙われ始める。クリスチャンは会計士とは思えない射撃や格闘の技術で襲撃者を退け、デイナを守りながら事件の裏側を追っていく。同時に、財務省のレイ・キングと分析官メディナも、長年正体を隠してきた謎の会計士を捜している。
企業の不正、政府の捜査、暗殺者の三方向からの構図になっており、クリスチャンが犯罪組織と関わりながらも、独自の基準で標的を選び、政府へ情報を渡してきたことも見えてくる。
しかし、本作で印象に残るのは、事件そのものよりクリスチャンの家族だ。
幼い頃のクリスチャンは、その特性から周囲とうまく関われずにいた。軍人である父親は息子を守られるだけの存在にしたくないと考え、厳しい訓練を受けさせる。
回想ではカラテキッドのようなハチマキ巻いての組み手はいささか演出過剰だが、東洋風の格闘術の方がウケるとの判断なんだろうか。
弟のブラクストンは、そんな兄と常に一緒に育ってきた。兄が混乱すれば寄り添い、いじめられれば代わりに立ち向かう。幼い頃のクリスチャンにとって、弟は数少ない理解者であり、社会との間をつなぐ存在でもあった。
しかし成長した二人は離れ離れになり、それぞれ別の方法で暴力の世界へ入っていく。
クリスチャンは数字と規則を頼りに一人で生き、ブラクストンは民間警備の仕事を請け負い、武装チームを率いている。性格は正反対に見えるが、父親から教え込まれた戦い方と、家族を失った孤独を抱えている点では同じだ。
終盤で明らかになる兄弟の関係は、単なる意外な正体というだけではない。
二人の対決は、敵同士の戦闘であると同時に、長年話すことのできなかった兄弟の会話でもある。殴り合いながら感情をぶつけ、お互いが生きていたことを確認する様子は、とても不器用で似ているところがある。
事件の仕組みには少し複雑な部分もあり、会計調査、政府側の捜査、暗殺者、クリスチャンの過去、と多くの要素が詰め込まれている。それでも最後には、クリスチャンが家族とのつながりを取り戻す話としてまとまっている。
数字を追って企業の不正を暴く会計サスペンスと、離れ離れになった家族の物語を組み合わせた、少し変わった構成の物語だった。
メタデータ
映像レビュー
HDとほとんど変わらないレベルの4K映像
UHDとして見ると、画質はかなり下の部類。
率直に言えば、Blu-rayとの差はほとんど感じられない。
遠景はかなり甘く、人物のアップでも肌や髪、衣服に4Kらしい繊細さは乏しい。暗い場面になるとその弱さはさらに目立ち、細部の見通しもあまり良くなかった。
Blu-rayや配信版とも比較してみたが、横に並べて細かく確認しなければ違いが分からない程度。2016年の作品であることを考えると、UHD化以前の素材や仕上げ自体が、それほど高解像度ではなかったのかと勘ぐりたくなる。
ノイズや圧縮破綻が目立つわけではなく、室内の小物や背景が大きく潰れることもない。しかし、問題が少ないことと、4Kらしい高画質であることは別だ。全体的に解像感が感じられず、UHDへ期待するものは出てこない。
フィルムグレインはかなり強め。ディスクでは粒子がはっきり残っている一方、配信版では若干薄く見える。圧縮によって細かな粒子が均されている可能性もあり、ここは好みが分かれそうだ。
フィルムらしい質感と捉えることもできるが、元々甘い映像に強いグレインが重なり、さらに繊細さを感じにくくしている面もある。
HDRにも一定の効果はあるものの、劇的な変化ではない。
暗い場面はSDRより深く沈むようになったが、黒の中に豊富な階調が残るわけではなく、若干潰れ気味に見える場面もある。また明るい場面でも、照明や反射光が強く輝くほどではなく、光の印象はBlu-rayから大きく変わらない。
HDRは本来とても効果的な技術だが、高解像度の映像や豊富な階調と組み合わさってこそ、その魅力が十分に発揮されるんだと実感する。
時折、顔の輪郭や室内の質感が悪くないと思える場面もある。しかし作品全体で見ると、Blu-rayから明確に進化したとは言いづらい。
10段階で5の映像が6になった程度で、4Kらしさをほとんど感じられない、物足りなさの残るUHD映像だった。
音声レビュー
ライフルの重さは良いが、それくらい。
銃声が超強烈。
リアは定位感よりも激しさ重視。
雰囲気は良いが、目立たないレベル。
アップミックスは効果なし。
強烈なダイナミックレンジを備えた、非常にインパクトのある音声。
特に銃声が凄まじい。音量が大きいだけでなく、瞬間的な立ち上がりが鋭く、射撃のたびに空気を叩くような威力がある。派手なアクション映画は数多くあるが、ここまで銃声のレンジが広く、容赦なく鳴らす作品はそれほど多くない。
銃の種類による音の違いも分かりやすい。拳銃は乾いた鋭さを持ち、ライフルは硬さと重量感が加わる。大型の対物ライフルになると低音まで大きく沈み込み、一発ごとの威力が明確に変化する。銃声をすべて同じような爆発音にせず、それぞれの個性をきちんと描き分けている。
アクションシーンではリアチャンネルの使い方も活発で、銃撃戦では一点へ正確に定位させるというより、前後左右から無秩序に弾が飛び交うような音場を作り出す。
『ジョン・ウィック』を思わせるほど撃ちまくる場面もあり、方向感の正確さより混戦の勢いを優先したサラウンドになっている。
低音が常に強いわけではないが、常時鳴らさないことで、強力な銃を使った瞬間の差がはっきり分かる。量より使い分けを重視した作りだ。
配信版ともセリフの音量を合わせたうえで比較したが、銃撃や衝撃音はディスク版のほうが約3~5dB大きかった。
元のミックスが優秀なので配信でも迫力は十分に感じられるものの、瞬間的な音圧や衝撃の鋭さには明確な差があった。
今では珍しくなった7.1ch収録という点も特徴で、真後ろのチャンネルを使い、音が背後へ回り込む動きや、後方から直接鳴る効果を強調している。アクションだけでなく、クリスチャンが大音量のメタルを流しながら脛へ刺激を与える場面でも、音楽が部屋全体へ大きく広がる。
Atmosには対応しておらず、トップスピーカーを使った高さ方向の表現はない。上方の響きを真後ろへ振るような、初期のサラウンド作品で見られた使い方も一部で感じられた。アップミックスもほとんど効果を示さないが、元々高さを積極的に見せる内容ではないため、大きな不満にはならない。
アクションシーンは少なく、マルチチャンネルが常に鳴り続ける作品ではない。
しかし、銃撃の音圧、7.1ch全体を使ったハチャメチャな撃ち合いは強烈な印象が残る。映像の物足りなさとは対照的に、音声はディスク版ならではの価値をはっきり感じられる仕上がりだった。
聞きどころ
「聞きどころ」は見どころを含むシーンでもあります。
そのため「聞きどころ」には、シーン内容に関するネタバレが含まれます。
未視聴の方や事前情報を入れたくない方はご注意ください。
一方で、短時間で見どころを把握したい方、ネタバレを気にしない方には参考になる内容です。
顧客の家からデイナ救出
ライフルのデカさとトラック内のガタつきまで凄い迫力。
CEO宅を襲撃
前半はめちゃくちゃな銃撃戦、後半は殴り合い。
総評
自閉スペクトラム症で天才的な頭脳を持つ主人公に、犯罪アクションと家族の物語を組み合わせた、ベン・アフレックのハマり役とも言える作品。
会計や捜査の要素は多少複雑だが、そこを深掘りして見せることが目的ではない。あくまで中心にいるのはクリスチャンという人物であり、彼の特性や生き方、周囲との関係を描くための土台として使われている。
施設のメンバーや財務省側の人物、弟ブラクストンなど、脇を固めるキャラクターにも魅力がある。アクションも必要以上に詰め込まず、人物描写とのバランスがよく取れていた。
4K UHDの画質は物足りないものの、音声は非常に強烈。銃声の鋭さと広いダイナミックレンジは、アクション映画として十分な満足感を与えてくれる。
何より、ベン・アフレックが演じるクリスチャンのキャラクターが魅力的だ。
単なる凄腕の殺し屋ではなく、不器用な人間関係や家族への思いまで描かれているため、犯罪アクションでありながら家族ドラマとしてもおすすめできる作品だった。
公式予告編
※予告編は本編とは画質・音質が異なる場合があります。
