ツイスターズ

ツイスターズ

竜巻の恐怖と爽やかなバディ感が同居する現代版ツイスター

作品データ

作品名
ツイスターズ
Twisters
公開年
2024年
上映時間
102分
レビュー対象
HBO Max
映像仕様
4K/Dolby Vision
音声仕様
Dolby Digital Plus Atmos
当サイト評価
総合 7/10
音響 6/10
外部評価
IMDb 6.5 / 10
Filmarks 3.8 / 5
映画.com 3.8 / 5
他サービス
U-NEXTHDSDR2ch
HuluHDSDR2ch
Apple TV4KDolby VisionDolby Atmos
Blu-rayHDSDRDolby Atmos
UHD Blu-ray4KDolby VisionDolby Atmos

パッケージで探す

※楽天・Yahoo!は検索結果ページに移動します。
新品・中古を含む複数の商品が表示される場合があります。

STORY

あらすじ

竜巻研究に情熱を注いでいたケイトは、過去のある出来事をきっかけに現場を離れ、ニューヨークで気象データを扱う仕事に就いていた。

そんな彼女のもとへ、かつての仲間ハビから新型の観測システムを使った竜巻調査への誘いが届く。久しぶりにオクラホマへ戻ったケイトは、そこで大胆な追跡スタイルと派手な配信で人気を集めるストームチェイサー、タイラーと出会う。

考え方も目的も異なる二人だったが、複数の巨大竜巻が発生する異常な状況の中で、それぞれの方法から竜巻に立ち向かっていく。

REVIEW

作品レビュー

1996年の『ツイスター』から約28年ぶりに登場した新作だが、単純なリメイクではなく、ストームチェイスという題材を現代の技術や文化に置き換えて再構築した作品になっている。

物語の舞台はオクラホマ。冒頭から竜巻の危険性をかなり強く見せる構成で、主人公ケイトがなぜ竜巻研究の現場から離れたのか、その理由にもすぐ説得力が生まれる。かつては自ら現場へ飛び込み、竜巻を研究していた彼女だが、現在はニューヨークでデータを扱う側に回っている。

そんなケイトのもとを訪れるのが、かつての仲間ハビ。新型レーダーを使って竜巻を立体的に観測する計画へ誘われ、彼女は再びオクラホマへ戻ることになる。

そこで出会うのがタイラー・オーウェンズ。SNSやライブ配信を使って人気を集める現代的なストームチェイサーで、改造車ごと竜巻の中へ突っ込んでいくような危険な男。慎重になったケイトとは真逆の存在で、最初は目立ちたがりの無謀な配信者にしか見えない。

しかし物語が進むにつれ、その第一印象は少しずつ変わっていく。

タイラーのチームは派手で騒がしいが、ストームチェイスに対する知識や経験は本物で、何より被災した人々を放っておくような集団ではない。一方、最新の観測技術と企業の支援を受けるハビ側にも別の事情があり、単純に科学対根性という話にはしておらず、最初の印象と真逆の展開になっていく。

ケイトはデータを読み解く科学者でありながら、現場で積み重ねた経験と直感も持っている。騒がしいタイラーも一見すると感覚だけで動く人物に見えるが、実際には竜巻の性質をよく理解している。二人が互いのやり方を知っていくことで、科学的なデータと現場感覚が少しずつ組み合わさっていく流れが自然だった。

旧作へのオマージュとして、観測装置に「ドロシー」の名前が残されているのも嬉しいところ。ただし物語そのものは旧作の知識を前提にしておらず、自分のように前作との細かなつながりを意識しなくても何の問題もなく楽しめる。

そして今作が単なる「竜巻を追いかける映画」で終わらないのは、物語が次第に被災する人々へ目を向けていくから。竜巻が通過した後には当然町が壊れ、そこには生活していた人たちがいる。その一方で、災害を利用して利益を得ようとする存在も描かれ、巨大な自然災害を娯楽として見せるだけでは終わらせないバランスになっている。

ケイト自身も、過去の恐怖を克服するというより、それを抱えたままもう一度現場へ戻っていく。なぜ再び竜巻を追うのか、そして竜巻そのものを制御できるのかという研究テーマが、彼女の再出発ときれいにつながっている。タイラーとの関係も、分かりやすい恋愛一本へ寄せすぎなかったのは良かった。反発から始まり、お互いの実力や考え方を認めていく関係として描かれているため、バディもののように二人が一緒に行動するようになる流れにも無理がない。

SNSやライブ配信、新しい観測技術といった現代的な要素を取り入れながら、終盤では町全体を巻き込み、建物や車まで吹き飛ばす竜巻の物理的な恐怖を見せつけ、巨大な自然を前にした人間の小ささという災害映画らしい魅力はしっかり残っている。

約28年ぶりの新作ではあるものの、旧作への依存はほとんどなく、一作の映画として非常に見やすい。緊張感のある題材に対して登場人物たちの空気は意外と爽やかで、旧作以上に現代的で軽快なストームチェイス映画になっていた。

SPEC

メタデータ

映像レンジ / 解像度 / アスペクト比
Dolby Vision / 3840×2160 / スコープ
輝度データ
最大 333nit / 平均 83nit(HDR10時参考)
映像ビットレート
最大 26.19Mbps / 平均 20.39Mbps
音声 / 音声ビットレート
Dolby Digital Plus Atmos / 448kbps
VIDEO

映像レビュー

CHECK POINT

実景・実物特殊効果とCGを馴染ませたリアルな災害描写

非常に自然な解像感と、実景のスケールを活かした4K映像。

本作は35mmフィルムを中心に撮影され、Panavision Millennium XLやARRIFLEX 435/235などを使用。他にも様々なカメラを使い分け、4Kスキャンから最終4K DIへ仕上げられている。デジタル撮影の“綺麗すぎる”質感ではなく、フィルムとアナモフィックレンズが持つ自然な揺らぎや柔らかさを活かす方向を選んだとのことで、その狙いは映像からもしっかり感じられる。

輪郭をビシッと強調するタイプではなく、解像感はかなりナチュラル。人物のアップでは肌や衣装の質感がきれいに見える一方、広大な空撮では「これぞ超高精細4K」と圧倒されるほどではなく、あくまで実在感を優先した画作りになっている。

舞台もほぼ平坦な牧草地帯や小さな町が中心で、景観そのものが派手な作品ではない。そのため、観光映像のような鮮烈さよりも、実際にその場所へ立っているような自然さが強い。

1996年版『ツイスター』と比べると、シチュエーション自体はかなり近い。一方で、竜巻の破壊描写については、個人的には旧作の方が強烈に感じる場面もあった。同系統の『イントゥ・ザ・ストーム』のように大型旅客機まで吹き飛ばす極端な見せ方を経験した後だと、もっと派手に振ってくるかと思ったが、本作はそこまで大袈裟ではない。

ただし、それは迫力不足というより、方向性の違いだと思う。本作ではCGだけでなく実物特殊効果も積極的に使っており、巨大な送風機や飛来物、実際のトレーラーなどを用いて撮影している。竜巻も“映画的に盛る”というより、その地域で実際に起きる災害を再現するようなリアルさを重視した映像になっている。

色調も基本的にそこまで明るくない。舞台が竜巻多発地域ということもあってか、カラッと抜けるような晴天より、少し曇った空や不穏な雲が多く、作品自体の爽やかなキャラクター性に対して、映像はかなり落ち着いている。

それでも、竜巻そのものの映像品質は素晴らしい。渦の巻き方、雲の厚み、飛来物の動きなどが非常に自然で、単なる巨大CGエフェクトというより、本当にそこに発生している現象のように見える。派手さ一辺倒ではなく、ストームチェイサーが追いかける実在の自然現象としての説得力がある。

鮮烈なHDR映像を見せつけるタイプではないが、35mmフィルムの自然な質感と実景重視の撮影、リアル志向のVFXがうまく噛み合った一本。竜巻の“映画的な派手さ”よりも、“本当に起こりそうな怖さ”を重視した映像だった。

技術仕様・マスター情報:IMDb Technical Specifications、Blu-ray.com、メーカー公開情報等を参照

AUDIO

音声レビュー

Low Frequency Effect 2.5

竜巻で重さを感じる時はあるが、基本的に弱め。

ダイナミックレンジ 3.5

ディザスター系としては物足りない。

定位感・移動感 2.5

包囲感はあるが、方向感などはほとんどない。

環境音 4.5

竜巻だけでなく、NYの喧騒や田舎の静けさも良い。

トップ 3.0

全方位型でトップ単体での使用は多くない。

ディザスター映画として想像する迫力とは、かなり方向の違うDolby Atmos音声。

まず驚いたのが、竜巻そのものの音圧の弱さ。竜巻が迫る場面や、建物や車、飛来物が吹き飛ばされる場面でも、衝撃音はかなり控えめ。映像では巨大な自然の力をしっかり感じられるのに、音だけを聴くとその破壊力が十分に伝わってこない。これは配信版だけの傾向ではなく、Blu-rayのDolby Atmos音声でも確認したが、基本的な鳴り方は同じだった。フォーマット差というより、ミックスそのものがかなり抑えた方向なのだと思う。

もちろん、サラウンド自体が悪いわけではない。竜巻の場面ではリアスピーカーもしっかり使われ、風や飛来物が周囲を取り囲むような包囲感はある。音が前後左右へ広がるので、空間全体としての竜巻感はきちんと作られている。

ただ、とにかく一発一発の音が軽い。いくら周囲から音が鳴っても、その音自体に圧や重みがなければ、巨大な竜巻が迫ってくる怖さにはつながりにくい。特に大きな物体が落下する場面では、あまりにソフトで、最初は再生環境の設定を間違えたかと思ったほどだった。

低音もかなり控えめ。竜巻そのものでは多少LFEを感じる場面もあるが、破壊音や落下音へ強烈な重量感を与える使い方ではない。ディザスター映画として期待する「部屋ごと揺さぶる」ような低域はほとんど感じられなかった。

トップスピーカーについても、Atmosらしさを強く感じる場面はそれほど多くない。平坦で広い土地が舞台のため、ビル街のように上下方向へ音が飛び交うシチュエーション自体が少ない。風や雨、飛来物などはトップにも広がるものの、5.1chをアップミックスした場合との差が劇的に大きいかというと、そこまででもない。

むしろこの作品は、トップよりも全周囲へ音を広げる包囲感の方が重要。その意味ではAtmosのオブジェクト表現を強くアピールする作品ではなく、広い空間の中で風や竜巻を全方向へ展開するタイプのサラウンドになっている。

素材自体は非常に良い。竜巻、雨、雷、飛来物、建物の崩壊と、ホームシアター向きの要素は揃っている。それだけに、もう少し音圧や低音へ振ってくれていれば、映像と音が一体になった圧倒的なディザスター体験になったはず。映像の竜巻がこれだけ強力だからこそ、その破壊力に見合う音が欲しかった。

サラウンドの広がり自体はしっかりしているが、96年版と比較すると迫力の点で全く物足りず、何とも惜しさの残るDolby Atmos音声だった。

SCENES

聞きどころ

ネタバレ注意

「聞きどころ」は見どころを含むシーンでもあります。
そのため「聞きどころ」には、シーン内容に関するネタバレが含まれます。
未視聴の方や事前情報を入れたくない方はご注意ください。
一方で、短時間で見どころを把握したい方、ネタバレを気にしない方には参考になる内容です。

03:20~13:30
サラウンド活用

学生時代のストームチェイス

冒頭から衝撃の展開も、音が弱い。サラウンドはまずまず。

46:50~56:20
包囲感

竜巻を追いかける

巻き込まれた時の包囲感はさすが。

1:02:40~1:08:00

竜巻が街を直撃

衝撃音は弱めだが、映像の緊迫感はある。

1:24:00~1:26:55
包囲感

共同作業

竜巻の中でぐるぐる。

1:33:50~1:51:10
サラウンド活用 終盤見せ場

巨大竜巻を制する

最後まで音は弱いが、映像の規模感は中々。

SUMMARY

総評

約28年もの長い時間を経て登場した、『ツイスター』の現代版。

竜巻によって深い傷を負った冷静な主人公ケイトと、SNSを使って人気を集める現代的なストームチェイサー、タイラー。正反対に見える二人だが、内に持っているものは意外と似ており、そこへ過去の友人ハビも加わって、それぞれぶつかりながら最後には綺麗にまとまっていく。

実際に竜巻被害の多いオクラホマで撮影され、被災した町や住民の姿も描きながら、全体としてはかなりリアル重視の作り。それでもエンターテインメント性はしっかりあり、ストームチェイサーたちの生き様を活き活きと見せていた。

映像はフィルム感を残した映画らしい質感で、竜巻も自然に近いと思わせる説得力のある描写。一方、音声はサラウンド感こそ悪くないものの、竜巻や破壊音のパンチがかなり弱く、ここは96年版の方が明確に上だった。

序盤は悲劇的に始まるが、ケイトが少しずつ立ち直り、後半はタイラーとのバディもののような爽やかさも出てくる。災害映画でありながら重すぎず、現代的な要素をうまく取り入れた、後味のスッキリする『ツイスター』だった。

当サイト評価
総合 7 / 10
音響 6 / 10

TRAILER

公式予告編

※予告編は本編とは画質・音質が異なる場合があります。

配信サービス
※配信状況・価格などは変更される場合があります。 ※一部の配信リンクには アフィリエイトリンク が含まれます。