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あらすじ
『アベンジャーズ』での戦いを経て、ソーは九つの世界の秩序を取り戻すため各地を巡っていた。
その頃、地球ではジェーン・フォスターが異常な重力現象を調査する中で、太古から封じられていた謎のエネルギー体「エーテル」と接触してしまう。
やがて、かつて宇宙を闇へ戻そうとしたダークエルフの王マレキスが目覚め、エーテルの力を狙って動き始める。ジェーンを救い、九つの世界を守るため、ソーはアスガルドへ彼女を連れ帰るが、脅威は王国そのものへ迫っていた。
神々の世界と地球をまたぎ、ソーが家族や仲間と共に古代の脅威へ立ち向かう物語。
作品レビュー
『アベンジャーズ』後のソーを描く単独シリーズ第2作。前作ではアスガルドと地球を中心にした物語だったが、今回は九つの世界そのものへ舞台を広げ、ソーが各地の秩序を取り戻すため戦うところから始まる。
地球ではジェーン・フォスターが重力異常を調査する中で、謎のエネルギー体「エーテル」と接触。これは後にリアリティ・ストーンだったことが明らかになる重要な存在で、本作はソー単独作でありながら、MCU全体の宇宙設定へ大きく関わる作品でもある。
その力を狙うのが、太古から存在するダークエルフの王マレキス。宇宙を再び闇へ戻そうとする彼らの襲撃によって、アスガルドは前作以上に戦争色の強い舞台となる。ジェーンを守るため彼女をアスガルドへ連れていくソーだが、オーディンとは対応を巡って衝突し、王としての考えと自分の判断の間で揺れることになる。
そこへ再び大きく関わってくるのがロキ。『アベンジャーズ』での行動によって囚われている立場ながら、状況が変わる中でソーと協力することになる。互いに信用し切れないまま進む兄弟のやり取りには、ロキらしい嘘や駆け引きが常につきまとい、観る側も疑心暗鬼になってしまうのが作品の大きな見どころになっている。さらに母フリッガとロキの親子関係も掘り下げられ、彼女の存在が兄弟それぞれへ強く影響しているのも印象的だった。
ヘイムダルやシフ、ウォリアーズ・スリーにも活躍の場があり、アスガルド側の人物が前作以上に物語へ絡んでくる。重くなりがちな展開の中で、ロキがキャプテン・アメリカの姿へ変身する場面のようなユーモアもあり、こういう所も人気の一因なんだろう。
終盤では5000年に一度の「コンバージェンス」によって複数の世界が接近し、地球と異世界を行き来する大規模なアクションへ発展。世界を飛び越えながら戦う構成は本作ならではで、地球、アスガルド、さらにその先の宇宙世界が本格的につながったと感じられる。
その一方で、マレキス側の人物描写はやや薄く、敵役としての印象は弱い。その分、『アベンジャーズ』を経て人気が大きく高まったロキの存在感はさらに増しており、結果的に世界の危機より家族物語の面が強かった。
エンドクレジットではコレクターも登場し、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』やインフィニティ・ストーンへつながる流れも明確になっていく。前作よりスケールを拡大しながら、ソー単独作としてだけでなく、MCU全体の宇宙設定を一段押し広げた作品だった。
メタデータ
映像レビュー
アークのアスガルド襲撃とダーク・ワールドで感じるスケールアップ
前作から着実にアップデートされた印象の4K映像。
IMDbの技術仕様では、ARRIRAW 2.8K撮影を中心に、一部で5K REDや2.5K Phantomも使用し、最終的には2K Digital Intermediateで仕上げられている。4K版はアップスケールとなるが、実際に見ていると大部分ではそのことをあまり意識させない。
舞台となるロンドンの街並みは十分に精細で、細かな部分まで潰れずに描写される。特にビフレストの複雑な模様や装飾、前作以上に広い範囲を見せるアスガルドの風景は見応えがあり、VFX中心と思われる場面でもかなり自然。一部では少しアップスケール感を感じるところもあったが、全体としてはほとんど気にならない。
本作の映像で特に印象的なのが、物語の鍵となるエーテルの赤。鮮やかさだけでなく危険さまで感じさせる粒子表現になっていて、黒や金を基調としたアスガルドの色彩ともよく合う。ビフレストによる転送光も非常に強く、柱のような光とともにソーが現れる場面は、まさに神の出現を思わせるファンタジー感がある。
黒はしっかり沈みながら階調も確保され、暗い場面でも見づらさはほとんどない。Dolby Visionによる派手な鮮烈さはそこまで前面に出ないものの、明部と暗部のバランスが良くなったと感じる。
敵の巨大母艦アークによるアスガルド襲撃、荒涼としたスヴァルトアールヴヘイム、複数世界をまたぐ終盤の戦いなど、前作と比べてスケール感も格段に大きくなった。VFXの完成度も上がり、神話世界の巨大さや超常的な力をより説得力のある映像で見せられるようになった印象。
少し暗く重い作風も含め、本作の世界観に非常によく合った絵作りだった。
技術仕様・マスター情報:IMDb Technical Specifications、Blu-ray.com、メーカー公開情報等を参照
音声レビュー
巨大な戦艦や爆発の重みは十分。
かなりキレのあるサウンド
アクションシーンでの動きは多い。
場の空気感がメインで静かなサポート。
目立つ所とそうでない所があるが、細かく使われる。
前作から着実にレベルアップしたDolby Atmos音声。
アクションシーンでのダイナミックレンジは明らかに大きくなり、低音も一段強化された。前作では戦闘時の押しの弱さが少し気になったが、今回はその不満がかなり解消されている。
ソーの登場やビフレストの召喚、エーテルの発動、ダークエルフの兵器など、音を強く押し出すべきポイントではしっかりメリハリがつく。特に巨大母艦アークが登場する場面ではLFEにも十分な重量感があり、映像から受ける巨大さを音でもきちんと補強している。
サラウンド面でも、今回は船を使った移動や追跡が増えたことで前後方向の動きが分かりやすい。ハロウなどの小型艇が飛び回る場面や、ムジョルニアを使ったソーの高速移動でも音がしっかり追従し、アクションシーンの立体感は前作以上。
トップスピーカーの使い方も細かくなっており、派手な戦闘だけでなく会話や環境音の中でもさりげなく高さ方向を補っている。常に目立つほどではないが、Atmosらしい空間の広がりは確実に増している。
スヴァルトアールヴヘイムの荒涼とした空気感や廃工場の環境音など、静かな場面でも音場の作り込みは悪くない。派手さだけではなく、場所ごとの空気を表現する部分も少しずつブラッシュアップされている。
低音、サラウンド、トップの使い方がそれぞれ前作から一段進歩し、シリーズとしてきちんと成長を感じられるサラウンドサウンドだった。
聞きどころ
「聞きどころ」は見どころを含むシーンでもあります。
そのため「聞きどころ」には、シーン内容に関するネタバレが含まれます。
未視聴の方や事前情報を入れたくない方はご注意ください。
一方で、短時間で見どころを把握したい方、ネタバレを気にしない方には参考になる内容です。
ヴァナハイムの戦い
ソー出現の音が強烈。衝撃音のパワーアップを感じる。
侵入者の牢獄破り
飛行船のアスガルド侵入。スピード感ある動きに映像的にも迫力。
アスガルド脱出
小型艇でチェイス。ロキとの協力が面白い。
敵地でロキと共闘
ソーの迫力ある戦い。ロキだけでなくムジョルニアの動きも良い。
vs マレキス
空間を飛び回る対決で、絵的にも良く、サラウンドもまずまず。
総評
『アベンジャーズ』でのニューヨーク決戦後を描く、ソー単独シリーズ第2作。
ユーモアを交えながら進んでいた前作と比べると、今回はややシリアス寄りになり、ソーやロキを中心とした家族の描写がかなり増えている。世界を救う大きな戦いの中でも、それぞれの立場や感情にしっかり焦点が当たり、キャラクター映画としての色が強くなった。
敵側も宇宙規模へスケールアップしており、特にダークエルフの巨大母艦アークは、独特なデザインと圧倒的な大きさで非常に印象的。複数の世界をまたいで活躍しながらも、地球やジェーンを気にかけるソーと、人気キャラクターとして存在感を増したロキとの共闘も大きな見どころになっている。
映像面でも前作からスケール感が大きく増し、音声も低音やサラウンド、トップの使い方まで着実にブラッシュアップ。神話世界と宇宙的な広がりを持つ作品だけに、ホームシアターとの相性もさらに良くなった。
九つの世界や5000年に一度のコンバージェンスなど、話の規模はかなり大きい。その一方で、後のMCUへつながるエーテルとインフィニティ・ストーンの関係や、エンドクレジット後の展開など、シリーズ全体が加速していく感覚もしっかり味わえる。
ソーだけでなくロキにも多くの見せ場が与えられ、兄弟や家族の心情も前作以上に深掘りされた。敵役のマレキスはやや印象が薄いものの、アスガルドの外へ世界を広げ、MCUの宇宙設定を押し広げる作品としては十分に楽しめる続編だった。
公式予告編
※予告編は本編とは画質・音質が異なる場合があります。
