作品データ
パッケージで探す
※楽天・Yahoo!は検索結果ページに移動します。
新品・中古を含む複数の商品が表示される場合があります。
あらすじ
見知らぬ森で目を覚ました男女は、自分たちが富裕層による“人間狩り”の標的にされたことを知る。
銃撃や罠によって次々と犠牲者が出るなか、冷静な判断力と高い戦闘能力を持つクリスタルは、狩る側の計画を逆手に取って反撃を開始。
やがて彼女は、ゲームを仕組んだ人物と、その裏にある意外な事情へ近づいていく。
作品レビュー
富裕層が選んだ人間を狩る、悪趣味なデスゲームを描いたブラックコメディ寄りのサバイバル映画。
森の中で目を覚ました見知らぬ男女は、状況を理解する間もなく何者かに襲われる。狩る側は社会的に成功した富裕層で、標的となるのはネット上で過激な発言を繰り返していた人々。
ゲーム開始直後から容赦なく殺され、誰が主人公なのかすら分からない展開で意表を突いてくる。しかも表現的には割とグロい。あまり痛々しい感じではなく、明るい感じなのもまたブラックな雰囲気を漂わせる。
主人公となるのはクリスタル(ベティ・ギルピン)は、感情をほとんど表に出さず、独特な話し方と妙に鋭い観察力を持つ変わった人物。超人的な戦闘力を備えながらも、主人公らしい正義感に燃えるタイプではなく、どこかズレたまま淡々と反撃していく姿が面白い。
いきなり男の前で用を足すなど、何を考えているのか読めないキャラクター性が、このありふれた設定の作品を大きく支えていた。
事件の発端は、富裕層メンバーによる冗談交じりのグループチャットが外部へ流出し、「金持ちが庶民を狩っている」という陰謀論へ発展したこと。投稿を広めた人々のせいで仕事や立場を失った彼らが逆恨みし、存在しなかったはずの狩りを本当に実行してしまう。
デスゲーム作品自体は昔から制作されてきたが、それを現代風に構成。ネットやSNS上の軽率な発言、誤情報、思い込みが現実を動かすという皮肉が、物語の根本にある。
政治的な立場や階級意識を双方まとめて茶化しているため、深刻な社会派作品というより、極端な人物たちを笑う風刺劇に近い。特別に心へ残る物語ではないものの、テンポの良い展開と過激なアクション、クリスタルの妙な魅力で最後まで退屈しない。
そしてポスターに描かれている豚ちゃんも、少しだけ登場して予想外の形で存在感を発揮する。
定番の人間狩りへSNS時代の皮肉と変人主人公を加えた、少し変わったデスゲーム映画だった。
メタデータ
映像レビュー
HDながら細部を保った、見通しの良い映像
配信はHDながら、以外と悪くない映像。
解像感はHD作品としては高めで、森の木々や建物の細部も大きく潰れることなく描写されている。
さすがに4Kらしい精細さまでは望めないものの、素材そのものの良さが感じられ、4K版があればかなりの高画質になりそうだと思わせる仕上がりだ。
平均ビットレートが約2.5Mbpsとかなり低いためか、場面によっては圧縮ノイズも見受けられるが、鑑賞を妨げるほど深刻ではなく、通常の視聴距離ならあまり気にならない。
細かなディテールまで追い込めばHDらしい粗さはあるものの、2020年の比較的新しい作品らしい見通しの良さが保たれている。
Prime VideoのHD・HDR10+版とも比較したところ、HDRでは色合いがより落ち着き、全体に自然な印象となった。明暗差が強烈なタイプではないが、肌や草木、室内の色が過度に鮮やかにならず、個人的にはHDR版の方が作品に合っていると感じる。
衣装や小道具などの質感も思いのほか良好で、HDだからといって極端に情報量が不足している印象はない。突出した映像美ではないものの、配信HD作品としては不満の少ない、安心して楽しめる画質だった。
音声レビュー
平均的なレベルにはある。
銃撃の鋭さは良い感じ。
トップの動き一回で、後ろはほぼ使わない。
ささやかな音で薄め。
わざとらしいくらいの使い方をする。
良くも悪くも、特徴のはっきりしたサウンド。
銃声には十分な威力があり、アクションシーンではしっかりと衝撃を感じられる。銃撃戦を中心に肉弾戦も組み込まれ、基本的な音の傾向は現代のアクション映画らしい、鋭さと勢いを重視した作りだ。
Dolby Atmosでは、銃声や爆発の残響に加え、煙幕が噴き出す場面でもトップスピーカーを大きく使うなど、やや誇張された高さ表現が印象的。実際の位置関係を忠実に再現するというより、エンターテインメントとして音場を派手に広げる方向へ振られている。
明確に高さを表現する場面としては、地下室の上を歩くシーンが分かりやすい。足音が天井側を移動し、映像内の位置関係と一致したAtmosらしい効果を味わえる。
その一方で、リアスピーカーの活用はかなり控えめ。後方から明確に音が鳴る機会は少なく、一般的なサラウンド作品とは反対に、リアよりトップの存在感が目立つ珍しいバランスになっている。
低音は極端に強くないものの、必要な厚みは確保されている。銃撃や打撃の衝撃を増幅するだけでなく、不穏な場面の雰囲気作りにも使われ、緊張感を自然に支えていた。
BGMには不穏さと同時にブラックコメディらしい軽さがあり、物騒な展開を必要以上に深刻に見せない本作の作風をよく表している。
森や難民キャンプなどの環境音は控えめで、空間そのものを細かく描くより、映像とキャラクターの動きを前面に出した音作りだ。
サラウンド作品として強くおすすめするほどではないが、トップを大胆に使うAtmos設計には独自性がある。派手さの配分が少し変わった、作品らしい癖を持つサウンドだった。
聞きどころ
「聞きどころ」は見どころを含むシーンでもあります。
そのため「聞きどころ」には、シーン内容に関するネタバレが含まれます。
未視聴の方や事前情報を入れたくない方はご注意ください。
一方で、短時間で見どころを把握したい方、ネタバレを気にしない方には参考になる内容です。
ハント開始
飛んでくる矢や銃声の鋭さは感じられる。
逆ハント
ショットガンはどんな映画でも良い音だ。
主催者を襲撃
地下室での戦闘。銃声は変わらず迫力あり。
vs アシーナ
会話多めの殴り合い。トップを一回使うくらい。
総評
デスゲーム系の作品は、設定そのものに面白さがある。
多くの場合、理不尽な状況へ放り込まれた一般人が狩られる側となるため、観る側も自然に応援しやすい。本作もその基本構造を採用しながら、SNS時代らしい軽率な発言と情報拡散、そこから生まれた逆恨みを事件の発端に組み込んでいる。
狩る側の富裕層も、自分たちを賢く良識的な人間だと思い込みながら、実際には偏見や間抜けな失敗を繰り返していくため、反撃されても同情する余地がほとんどない。善悪を深く考え込まず、気楽に観られる作りになっている。
物語は約90分と短く、特別に深いテーマや鑑賞後まで残り続ける何かがあるわけではないが、主人公のキャラクターと、少しだけ活躍する豚のおかげで不思議な印象は残る。
映像や音響は、ホームシアター作品として強く勧めるほど突出してはいないが、特徴はあるので作品と同じく少し変わった仕上がりを楽しめた。
痛々しい描写はあるものの、全体の空気は重すぎず、ブラックコメディとして比較的軽く観られる。政治や階級、SNS文化への皮肉をまともに受け止めすぎず、変人主人公による返り討ちを楽しむくらいがちょうどいい一本だった。
公式予告編
※予告編は本編とは画質・音質が異なる場合があります。
