ピクセル

ピクセル

80年代ゲームが現実を侵略する、賑やかなSFコメディ

作品データ

作品名
ピクセル
Pixels
公開年
2015年
上映時間
106分
ジャンル
レビュー対象
Blu-ray
映像仕様
HD/SDR
音声仕様
Dolby TrueHD Atmos
当サイト評価
総合 7/10
音響 8/10
外部評価
IMDb 5.6 / 10
Filmarks 3.4 / 5
映画.com 3.3 / 5
他サービス
Prime VideoHDSDR5.1ch
U-NEXTHDSDR2ch
Apple TVHDSDR5.1ch

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STORY

あらすじ

1980年代、世界へ向けて送られた地球文化の映像。その中に収録されていたアーケードゲームを、異星人は人類からの挑戦状だと誤解してしまう。

やがて地球には、パックマンやドンキーコングなど往年のゲームキャラクターを模した侵略者が出現。現実の街をゲームのルールそのままに攻撃し始める。

通常の軍事力では対抗できない中、政府が頼ったのは、かつてアーケードゲームに青春を捧げた元ゲーム少年たちだった。過去には大会で腕を競った彼らが、今度は本物の世界を舞台にゲーム攻略へ挑むことになる。

REVIEW

作品レビュー

物語は1980年代のアーケードゲーム大会から始まる。子供時代のサム・ブレナーは、ゲームのパターンを見抜くことに長けた天才ゲーマーだった。しかし大人になった現在は、その才能を活かす場もなく、昔の輝きとの落差がリアルで切ない。

そんな中、かつて宇宙へ送られたゲーム映像を異星人が宣戦布告と誤解し、地球へ攻撃を開始。しかも侵略方法は、パックマン、ドンキーコング、ギャラガといった往年のアーケードゲームを現実世界で再現するというものだった。

荒唐無稽な発想だが、これが絵的に派手で面白い。しかも通常の軍隊では対抗できず、昔のゲームオタクたちが人類の切り札になる。ルールを知っていること自体が武器になり、街全体が巨大なゲーム盤へ変わっていく。

カラフルなピクセルで構成された様々なゲームやキャラクターが次々と現れ、特にニューヨークを舞台にしたPAC-MAN戦は見どころ。最後に子供時代の因縁だったドンキーコングへ戻ってくる構成も分かりやすく、サム自身の再挑戦として綺麗につながっている。

大統領となったウィルが、実はサムの昔からのゲーム仲間というギャップ。ステレオタイプすぎるゲームオタク全開のラドロー、最悪の出会いから始まる美人なシングルマザーのヴァイオレットとの関係など、個性的なキャラクターが揃っている。

中でも強烈なのがピーター・ディンクレイジ演じるエディ。かつて子供時代の大会でサムを破ったライバルで、とにかく濃くて存在感があり、セリフ回しも特徴的で個人的には一番印象に残った。このエディは実在のアーケードゲーム王者ビリー・ミッチェルを一部モデルにした人物で、映画公開後には、そのミッチェル本人のゲーム記録を巡って不正疑惑が大きな論争になったという妙な偶然まである。

異星人から送られてくるメッセージも、アメリカの80年代の知られていた人物達を元ネタにしている。今の世代や日本では馴染みの薄いものも多く、知らずに観ると「古いテレビ映像をつなぎ合わせた不思議な通信」にしか見えないかもしれない。

ただ当時を知る人にとっては、ゲームだけでなくテレビや音楽まで含めて80年代文化そのものが宇宙人に利用されているという、かなり大きなノスタルジーネタになっている。

アダム・サンドラーらしい肩の力が抜けたコメディも健在で、シリアスな侵略SFにはならず、最後まで気楽に楽しめる。80年代のアーケードゲームを知っていればノスタルジーも大きいだろうが、自分も当時を知らないまま観たが全く問題ない。

「巨大化したゲームキャラクターが現実世界へ侵略してくる」という単純明快なアイデアだけで成立しており、昔の失敗を大人になって乗り越える再挑戦ものとしても楽しめる、分かりやすく賑やかなゲーム映画だった。

SPEC

メタデータ

映像レンジ / 解像度 / アスペクト比
SDR / 1920×1080 / スコープ
輝度データ
SDRのため輝度データ無し
映像ビットレート
AVC / 実測目安 約15〜31Mbps
音声 / 音声ビットレート
Dolby TrueHD Atmos / 可変 約3.0〜9.4Mbps

※ビットレートはプレイヤー再生時の実測目安です。場面により変動します。

VIDEO

映像レビュー

CHECK POINT

夜景に映える発光ピクセルの鮮やかさ

現状、4K UHDも4K配信もないため、Blu-rayが最高画質ということになる。

2015年の作品ということを考えると、HD画質としては十分に綺麗。人物のアップでは輪郭も自然で、パッと見ならこれでもかなり満足できる。遠景や街並みを広く映す場面ではさすがにHDらしさが見えてくるものの、細部が大きく潰れるような印象まではない。アップスケール性能の高いプレイヤーやテレビであれば、今でもかなり見やすい映像になっている。

色表現はやはりSDRらしく、HDR作品と比べると深みや階調の豊かさは控えめ。暗部もそこまで深く沈まず、黒の締まりという点では物足りなさがある。

ただし映像そのものは非常に派手。ピクセルで構成された生物やゲームキャラクターたちは鮮やかに発光し、単純なキューブ状の敵からパックマンなど往年のキャラクターまで、とにかく画面映えが良い。襲来シーンの多くが夜に設定されていることもあり、暗い街の中で光り輝くピクセルとのコントラストはかなり強烈。SDRでも十分綺麗だが、こういった作品こそHDRとの相性がかなり良かったはずで、4K/HDR版がないのは惜しく感じる。

複雑な動きや大量のピクセルが飛び交う場面でも、ノイズっぽさや大きな破綻は目立たない。終盤になるほど画面の情報量は増えていくが、HD/SDRとしての安定感は最後まで崩れず、目立った弱点はほとんど感じなかった。

4K版が存在しないのは非常に残念だが、Blu-rayそのものの品質は十分に高い。鮮やかなピクセル表現と安定したHD画質で、今でも映像的な楽しさをしっかり味わえる一本だった。

AUDIO

音声レビュー

Low Frequency Effect 4.5

パックマンがすごい。終盤も低音強め。

ダイナミックレンジ 5.0

耳に突き刺さるかのような強烈さ。

定位感・移動感 4.0

ピクセルの動きが多い。

環境音 2.5

街中や研究所など、静かな現場感がある。

トップ 4.0

使う所はかなり派手で目立つ。

一発一発の音に強烈なパンチを持つ、非常に迫力のあるDolby Atmos音声。

ダイナミックレンジはかなり大きく、とくに高域方向の鋭さが印象的。衝撃音には刺さるような勢いがあり、家庭用ソフトとしてはかなり強烈な部類に入る。実際、少し音量を抑えたくなるほどの場面もあり、単純な音圧だけでも十分なインパクトがある。

低音もしっかり強い。巨大なゲームキャラクターの動きや、テトリスによってビルが消される場面などでも重さを感じられるが、中でも妙に気持ちいいのがパックマン。巨大な口をパクパクさせながら移動するだけなのに、その動きへかなり重い低音が付けられており、大きさを音で実感できる。見た目のコミカルさとのギャップもあって非常に印象に残る。

一方で、意外にもサラウンドは最初から最後まで鳴らし続けるタイプではない。終盤、大量のピクセルが街へ降り注いでからは一気に物量が増え、リアやトップを含めて音場も派手になっていくが、序盤から中盤までは映像ほど積極的ではない。

センチピード戦やPAC-MAN戦のような大きな見せ場でも、明確な移動感やトップスピーカーの使用量は思ったほど多くない。むしろ短時間の侵略シーンなどで、上空から降ってくる音をトップへはっきり配置する場面の方が、Atmosらしさを感じやすい。高さ方向を使うべきところではしっかり使っているものの、これだけ映像が派手な作品なら、もっと常時賑やかに鳴らしても良かったとも思う。

それでも音そのものの鋭さ、衝撃力、低音の重さはかなり優秀。特に終盤は画面の物量に合わせてサラウンドも活発になり、ようやく映像と音が同じテンションまで上がってくる。

現在は配信自体が少なく、レンタル版では5.1chとなる一方、Dolby Atmos音声を楽しめるのはBlu-ray。Atmos環境があり、本作に興味があるなら、この強烈な音だけでも一度体験してみる価値のある一本だった。

SCENES

聞きどころ

ネタバレ注意

「聞きどころ」は見どころを含むシーンでもあります。
そのため「聞きどころ」には、シーン内容に関するネタバレが含まれます。
未視聴の方や事前情報を入れたくない方はご注意ください。
一方で、短時間で見どころを把握したい方、ネタバレを気にしない方には参考になる内容です。

44:30~50:30
迫力大

センチピード対決

迫力は物凄いけど、実はサラウンドもトップもそんなに使わない。

59:00~1:08:10
低音活用 迫力大

パックマン対決

パックマンの低音がかなり重い。キル時の広がりもグッド。

1:21:25~1:34:00
トップ活用 終盤見せ場

vs ゲーム軍団

最後は大量のピクセルで、サラウンドも一番派手に。

SUMMARY

総評

地球の存亡をかけて、ピクセル化する特殊兵器を持った異星人と、まさかのゲーム対決。

かつてゲームだけが取り柄だったような大人たちが世界を救うという、いかにもオタクの妄想をそのまま映画にしたような内容だが、キャラクターがみんな濃く、全体も明るいコメディなので意外とすんなり入っていける。

作中に登場するゲームをほとんどプレイしたことがなくても問題はない。パックマンやテトリスくらいを知っていれば十分だし、元ネタを知らなくても「現実でピクセル化したゲームキャラクターが街を襲う」という単純明快な面白さがある。

映像では色鮮やかに光るピクセルキャラクターが印象的で、Blu-rayとしては十分に綺麗。さらにAtmos音声はかなりパワフルで、衝撃音や低音の迫力も強く、ホームシアターとの相性も良い。

アーケードゲームが元気だった時代を懐かしむのにもいいし、80年代らしいレトロな空気感を楽しむのにもいい。ゲーム好きならもちろん入りやすいが、詳しくなくても気軽に楽しめる、賑やかで分かりやすいSFコメディだった。

当サイト評価
総合 7 / 10
音響 8 / 10

TRAILER

公式予告編

※予告編は本編とは画質・音質が異なる場合があります。

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