IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。

作品データ

作品名
IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。
It Chapter Two
公開年
2019年
上映時間
169分
ジャンル
キャスト
ビル・スカルスガルド / ジェームズ・マカヴォイ /
ジェシカ・チャステイン / イザイア・ムスタファ /
ビル・ヘイダー / ジェイ・ライアン /
ジェームズ・ランソン
レビュー対象
U-NEXT
映像仕様
4K/Dolby Vision
音声仕様
Dolby Digital Plus Atmos
当サイト評価
総合 8/10
音響 7/10
外部評価
IMDb 6.5 / 10
Filmarks 3.4 / 5
映画.com 3.1 / 5
他サービス
Prime Video : HD/SDR/5.1ch
Hulu : HD/SDR/2ch
AppleTV : 4K/Dolby Vison/DD+ Atmos
Blu-ray : HD/SDR/Dolby Atmos
UHD Blu-ray : 4K/Dolby Vison/Dolby Atmos

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STORY

あらすじ

ペニーワイズとの戦いから27年。

デリーを離れたルーザーズ・クラブの仲間たちは、それぞれ別の人生を歩み、故郷で起きた出来事も次第に忘れていた。

しかし、町に残ったマイクから一本の電話が入り、かつて交わした約束によって再びデリーへ集まることになる。町では子供の失踪と残酷な事件が繰り返され、倒したはずのペニーワイズが再び活動を始めていた。

失われていた記憶を取り戻すにつれ、彼らは子供時代に抱えていた傷や、今も心に残る恐怖と向き合っていく。

27年前に終わらせられなかった戦いに決着をつけるため、大人になった仲間たちは再び町の地下へと足を踏み入れる。

REVIEW

作品レビュー

前作でペニーワイズを退けたルーザーズ・クラブは、再びITが現れた時にはデリーへ戻ると約束し、それぞれの人生へ進んでいった。

それから27年。町に残ったマイクを除く仲間たちは、デリーを離れたことで子供時代の記憶をほとんど失っている。しかし、再び失踪事件が起きたことを知らせる一本の電話によって、忘れていた過去と向き合うため故郷へ集まることになる。

1990年版は少年時代と大人時代を一本のテレビ作品として交互に描いていたが、現代版では二つの時代を映画ごとに分けている。そのため本作は、大人になったルーザーズの物語へ十分な時間を使いながら、前作で描き切れなかった場面も回想として加える構成になった。前作の子役たちが再登場するため、二作品のつながりも強く感じられる。

見違えるように成長しているメンバーだが、それぞれ違う人生を歩んでいても、子供時代の傷は形を変えて残っている。
マイクだけは、一人デリーに残って事件を調べ続けていた。

一方、スタンリーだけはデリーへ戻ることが出来なかった。
幼い頃の恐怖が、大人になっても全員から消えたわけではないことを早い段階で突きつけてくる。

復活したペニーワイズは、子供の頃と同じ姿で現れながら、今度は彼らの記憶や後悔まで利用して追い詰めていく。
相変わらず楽しそうに獲物をからかう一方、老女や巨大な怪物などへ変化する演出はさらに派手になり、今作でITが単なる殺人ピエロではないことも強く示される。

マイクがシャカピワ族から得た知識によって、ITが太古に空からデリーへ到来した存在であることも明かされる。口の奥に現れる三つのデッドライトや、地下深くに残された落下地点など、前作では謎だった出自へ踏み込むことで、ペニーワイズのバックグラウンドが深掘りされている。

ただし、正体をすべて説明するわけではない。
なぜピエロの姿を好むのか、デッドライトとは完全には何なのかなど、最後まで理解できない部分が残されている。曖昧にしておくことで、未知の存在としての不気味さを保っていた。

上映時間は約3時間とホラーにあるまじき長さで、それぞれが過去の記憶を取り戻す中盤は、一人ずつ丁寧に描いていくので、同じような恐怖演出が続くため少し間延びも感じる。
それでも、主要人物全員の背景を掘り下げ、子供時代から続く物語を終わらせるには必要な長さだったとも思う。

最後の戦いは怪物との力比べではなく、長年抱えてきた恐怖に支配されないための戦いになっている。
完全に恐れを失うのではなく、仲間と共に向き合うことで、ITが自分たちへ与えていた力を奪っていく流れが良い。最後にはITの非常に可愛い一面も見ることが出来る。

忘れていた友情を取り戻し、過去を消すのではなく、自分たちの一部として受け入れて前へ進んでいく。
犠牲はありながらも、悲しみだけで終わらない、とても爽やかな物語でもあった。

前作ほど勢い良くまとまった作品ではなく、長さや情報量には好みも分かれるだろう。
それでも、子供時代の恐怖と友情を大人になった彼らの人生へ結び付け、二作品にわたる物語を丁寧に完結させた。ホラー大作としての迫力だけでなく、ルーザーズ・クラブとの別れまでしっかり描いた、非常に満足感のある完結編だった。

SPEC

メタデータ

映像レンジ / 解像度 / アスペクト比
Dolby Vision / 3840×2160 / スコープ
輝度データ
Dolby Visionのためデータ取得不可
映像ビットレート
U-NEXTのため測定不可
音声 / 音声ビットレート
Dolby Digital Plus Atmos / U-NEXTのため測定不可
VIDEO

映像レビュー

CHECK POINT

前作より向上した解像感で4Kらしい映像に

前作の方向性を受け継ぎながら、全体的な解像感は明らかに向上している。

特に前作ではやや甘さが目立った遠景が改善され、街並みや建造物、車の細部まで見やすくなった。近景の精細感も高く、人物の肌や衣服、ペニーワイズの造形まで十分な情報量がある。

絵作りの傾向は前作とよく似ており、黒は深く沈み、光とのコントラストも強い。
昼間の場面はかなり明るく、暗い屋内や地下との落差も大きいため、全編を通して明暗差のはっきりした映像になっている。

フィルムグレインはほとんど目立たず、クリアで現代的な仕上がり。
その一方で、色調にはわずかにフィルムらしい温かさが残されており、作中の時代は経ても前作とは統一感も保たれている。

暗部は前作同様かなり深く、場面によっては細部が見えにくい。ただし、暗闇から何かが現れる演出には非常に効果的で、ホラーとして意図された暗さと考えれば納得できる。
暗すぎるならDolby VisionよりもSDR設定の方が良いかもしれない。

前作よりも4Kらしい精細感が増し、シリーズを通して見ても一段上の完成度を感じられる映像だった。

AUDIO

音声レビュー

Low Frequency Effect 3.5

映像に見合った重さ。

ダイナミックレンジ 4.5

前作ほどではないが、素晴らしい。

定位感・移動感 2.0

明確な方向感より、包囲感重視。

環境音 3.5

静かな街中から、賑やかな遊園地までしっかり。

トップ 3.5

色んな場面で少しずつ活用。

音声も前作に近い方向性で、鋭さと重さを兼ね備えた迫力のあるサウンドに仕上がっている。

前作ほどではないが、それでもダイナミックレンジは大きく、ジャンプスケアの威力は十分。
怪物の動きや変形、シャカピワー族の儀式など、映像表現に合わせて効果音の種類も増えている。

サラウンドの使用は前作よりやや増えており、終盤ではリアやトップを含めた全方向から音が広がる。
街中の雑踏、鳥や虫の声、遊園地のざわめきなど、静かな環境音にも細かな配置があり、場面の空気を自然に作り出している。

Dolby Atmosは、特定の音を頭上へ明確に移動させるよりも、空間全体の包囲感を強める使い方が中心。
派手なオブジェクト移動は少ないが、音場に高さと厚みを加える効果は十分に感じられた。

サラウンドだけを見れば突出して派手な作品ではないものの、音質そのものが良く、瞬間的な威力も不足はない。前作とほぼ同じ方向性で作られているため、二作品を続けて観ても違和感がなく、理想的な続編らしいサウンドだった。

SCENES

聞きどころ

ネタバレ注意

「聞きどころ」は見どころを含むシーンでもあります。
そのため「聞きどころ」には、シーン内容に関するネタバレが含まれます。
未視聴の方や事前情報を入れたくない方はご注意ください。
一方で、短時間で見どころを把握したい方、ネタバレを気にしない方には参考になる内容です。

31:00~37:50

27年ぶりの集合

中華料理が、非常に遊び心ある映像に。

47:00~51:35
サラウンド活用

ITの起源

シャカピワーの記憶が、全方位の音で。

1:14:20~1:17:00
迫力大

リッチーとIT再会

広場の像暴れ。

1:53:30~2:35:15
サラウンド活用 終盤見せ場

廃屋決戦

色んな映像効果と音響に、遊び心のある対決。

SUMMARY

総評

1990年版のテレビ作品も長尺だったが、現代版『IT』も二部作を合わせれば相当な大作となった。そして、その長さに見合うだけの物語がしっかり描かれていたと思う。

これほど濃い人間ドラマを持つホラー作品は、ほかになかなかない。子供時代に結ばれた友情を頼りに、長年心へ残り続けた恐怖と再び向き合う。犠牲を払いながらも仲間と力を合わせて乗り越えていく展開は、どこかヒーロー映画のようでもあり、ホラーでありながら観終えた後には爽やかさも残った。

作品を象徴するのは、もちろんペニーワイズの強烈なキャラクター性だ。
しかし、大人になったルーザーズの面々も、子供時代とは違った個性と傷を抱えており、それぞれの変化が物語に厚みを与えている。

故郷を離れて別々の人生を歩み、何十年も会っていなかった友人と再会する。忘れていた会話や感情が蘇っていく姿には、大人になったからこそ共感できる部分も多いだろう。

恐怖を見せるだけでなく、過去を受け入れて前へ進むまでを描き切ったことで、二部作として非常に綺麗に完結している。上映時間はかなり長いものの、ホラーと青春、友情、喪失を一つにまとめた、他とは少し毛色の違うシリーズだった。

前日譚『IT/イット ウェルカム・トゥ・デリー』では、映画二部作で描かれた世界を更に広げ、デリーの過去やITをめぐる歴史へ踏み込んでいる。ルーザーズの物語はここで終わっても、この町にはまだ語られていない歴史が残されている。

長大な物語を最後まで見届けた満足感は大きく、現代ホラーを代表するシリーズとして、映画史に名を残す二部作になったと言える。

当サイト評価
総合 8 / 10
音響 7 / 10

TRAILER

公式予告編

※予告編は本編とは画質・音質が異なる場合があります。

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