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あらすじ
宇宙各地で依頼をこなすガーディアンズ・オブ・ギャラクシーは、ある任務をきっかけに新たな騒動へ巻き込まれる。
仲間同士の衝突を繰り返しながら旅を続ける中、ピーター・クイルの前に、自らを彼の父だと名乗る謎の存在エゴが現れる。これまで知らなかった出生の秘密に触れる一方で、ガモーラとネビュラ、ロケットとヨンドゥたちもそれぞれの過去や関係と向き合うことになる。
宇宙を舞台にした派手な戦いとユーモアの裏側で、血のつながりと本当の家族とは何かを描くシリーズ第2作。
作品レビュー
前作で結成されたガーディアンズ・オブ・ギャラクシーは、すでにひとつのチームとして活動しているところから物語が始まる。
とはいえ、冒頭からそれぞれが好き勝手に動き、口論もしょっちゅう。それでも不思議とチームとして成立している。この「まとまりがないのに、離れると成立しない」という関係性こそが、ガーディアンズらしさなのだと思う。
その中でも今作で存在感がとにかく大きいのがベビー・グルート。冒頭から最後までギャグにもアクションにも絡み、ただ可愛いだけのマスコットではなく、小さな体で動き回り、時にはしっかり物語を動かす役割まで担っている。
一方で、物語の中心にあるのはピーター・クイルの父親という、前作からの謎。そこに現れるのがエゴで、ピーターはこれまで知らなかった自分のルーツと向き合うことになる。自分が何者なのかを知るという展開は一見するとヒーローものらしいが、本作が面白いのは、そこから単純な血統の話には進まないところ。
血のつながった父親と、自分を実際に育ててきた存在。その対比によって、本当の家族とは何なのかというテーマが強く浮かび上がる。
その意味で、ヨンドゥの掘り下げはかなり大きい。前作では敵寄りの立ち位置で、粗暴で信用しきれない人物にも見えたが、今作では彼の過去や考え方が少しずつ見えてくることで印象が大きく変わる。ピーターとの関係も含め、単なる脇役では終わらない重要な存在になった。
ガモーラとネビュラの姉妹関係も、前作以上にしっかり描かれる。サノスの娘として育てられた過去が二人の間に大きな傷を残しており、ネビュラも単なる敵役ではなく、なぜこれほどまでにガモーラへ執着するのかが見えてくる。二人の関係を知ることで、これまでの対立にも別の見え方が生まれる。
そして新たに加わるマンティスとドラックスの関係も独特。マンティスの純粋さに対して、ドラックスはとにかく遠慮がない。その組み合わせが絶妙で、かなり失礼なことを平然と言っているのに笑えてしまう。前作以上にコメディ色が強く、シリアスな場面でも急にギャグを差し込んでくるあたりは、シリーズらしさが出ている。
今作は前作以上に一人ひとりへ時間を割き、それぞれが抱える孤独や過去を掘り下げている。血のつながりがあるかどうかではなく、一緒に過ごし、ぶつかり合い、それでも離れずにいる相手こそが家族なのだというテーマが、チーム全体を通して描かれている。
アクションも、それぞれの性格がしっかり反映されている。ベビー・グルートの小ささを活かした動き、ロケットのトラップや機転、ヨンドゥのヤカの矢を使った戦いなど、それぞれに違う見せ場があり、キャラクター性そのものがアクションにつながっている。
音楽ももちろん重要。Awesome Mix Vol.2を中心に、70〜80年代の楽曲を映像と組み合わせる演出は健在で、今回は単に懐かしい曲を流すだけではなく、歌詞や曲の意味そのものをキャラクターの感情や場面に重ねる使い方がさらに強くなっている。
前作よりも宇宙規模のスケールは大きくなっているのに、話の中心はかなり個人的。世界や宇宙を救うような大きな物語でありながら、実質的には「家族とは何か」を描いた作品になっている。
派手なMCU作品ではあるものの、最後に強く残るのはアクションよりも人物同士の関係だった。シリーズ2作目で単純に規模を大きくするだけではなく、チームの一人ひとりを掘り下げる方向を選んだのはかなり良かったと思う。
ガーディアンズは個々のキャラクターが魅力的なのはもちろんだが、誰か一人では成立しない。喧嘩ばかりしていても、全員が揃って初めてひとつのチームになる。そのことが前作以上にはっきり伝わる続編だった。
メタデータ
映像レビュー
8K撮影由来の自然で豊富なディテール
前作からしっかりとパワーアップを果たした、スケール感の大きな映像。
本作はRED WEAPON 8Kを採用し、8Kで撮影された初の長編映画としても知られる。そこから4K仕上げへとつなげられた映像は、輪郭を不自然に強調するのではなく、かなり自然な解像感で非常に綺麗。様々な種族が登場する作品だが、肌や衣装、金属、メイクといった質感の種類がとにかく豊富で、現実には存在しない世界でありながら、しっかりと説得力を感じられる。
Disney+ではIMAX Enhancedに対応しており、拡張画角はアクションだけでなく、宇宙を巡る場面や会話シーンでもかなり積極的に使われる。通常のスコープ映像から画面が上下へ広がることで、単純に情報量が増えるだけでなく、巨大な宇宙船や惑星、人物と空間の距離感まで強く感じられる。IMAXシーンでは画質そのものも一段良くなったように感じられ、このレベルなら解像感に不満を持つことはほとんどないだろう。
宇宙船戦も前作以上に派手。大量の機体が高速で飛び交い、画面の情報量もかなり増えている。それでも破綻したような見え方にはならず、終盤の大規模な戦いでは他のMCU作品にも負けない迫力を見せ、続編らしいスケールアップを映像だけでもはっきり実感できる。
Dolby Visionの効果も大きく、あらゆる場所に強い光源が配置され、極彩色の宇宙空間は前作以上に鮮やか。金色に統一された世界、ヨンドゥの赤、エゴを包む青白い光など、場所や人物ごとに色の印象が大きく変わる。VFXの派手さという意味では、MCU作品の中でもかなり上位に入るのではないかと思うほどだ。
暗い場面でも完全に光を落とすシーンは少なく、夜や宇宙空間でさえ何らかの色や光が画面を満たしている。宇宙船内部などでは多少落ち着くものの、作品全体としては非常に明るく、鮮やかな方向へ振った映像設計になっている。
その中で個人的に好きなのが、ラヴェジャーズの使い込まれた船内。華やかな惑星や宇宙空間とは対照的に、汚れや傷、金属のくすみといった質感が強く、8K撮影由来の細かな情報量がよく分かる場所でもある。
IMAX Enhancedによる画面の広がり、自然で高い解像感、極端なほど鮮やかな色彩、そして大量のVFX。そのすべてが前作より一段階上へ引き上げられており、宇宙を舞台にした本作との相性は抜群。
とにかく綺麗で、スケールも大きい。続編としての映像的な進化をしっかり感じられる一本だった。
技術仕様・マスター情報:IMDb Technical Specifications、Blu-ray.com、メーカー公開情報等を参照
音声レビュー
アクションに重みは乗ってるが、すごい低音というほどではない。
DTS:Xだと安定して迫力がある。
ドッグファイトやエゴ戦ではかなりのもの。
静かな場面が多いが、悪くない雰囲気はある。
映像の派手さに対しては少なめに感じる。
しっかりとした威力を備えたDTS:X音声。
迫力という点では申し分なく、銃撃や爆発、宇宙船の通過音など、あらゆる音が鋭く飛び込んでくる。映像のスケールアップに合わせて音もしっかり力強くなっており、アクションシーンでは明確な勢いを感じられる。簡易測定では、同じアクション場面をDolby Atmos版と比較すると、DTS:X版の方が3〜4dBほど高い場面もあり、実際の聴感でも明らかに力強い。
低音については、作品全体を揺らし続けるような重低音タイプではない。銃撃や爆発へ適度な重みを加える使い方が中心で、LFEそのものを前面へ押し出す感じではなかった。
それ以上に印象的なのがリア方向の使い方。宇宙船の大群に追われる場面や終盤のバトルでは、音が前後左右へ激しく移動し、包囲感もかなり強い。背後へ回り込む音がはっきりしているため、DTS:X版で最も特徴を感じるのはリアスピーカーの鳴り方だった。大量の宇宙船が飛び交う場面では、画面のスピード感に合わせて音も次々と位置を変え、空間全体が一気に活性化する。単純に大音量なだけではなく、移動する方向が分かりやすいため、サラウンドらしい楽しさもしっかり味わえる。
一方、トップスピーカーの活用は思ったほど多くない。空中戦や宇宙船の移動が非常に多い作品なので、映像だけを見るとかなり積極的な高さ表現を期待したくなる。しかしリア側の派手さと比べると、トップ単体の存在感はそこそこ。まったく使われないわけではないものの、映像の派手さを考えると、もう一段上方向へ広げてほしかったところではある。
それでもリアを中心としたサラウンドの使い方は非常に良く、前半・中盤・終盤それぞれにしっかりと聞きどころがある。
そして本作らしいのがBGMの扱いで。Awesome Mix Vol.2の楽曲が鳴る場面では、効果音よりも音楽の存在感が大きくなることもあり、それ自体が作品の色になっている。通常のアクション映画なら効果音を前面へ出すような場面でも、あえて音楽を主役にする。そのバランスがガーディアンズらしく、サウンドデザインとしても面白い。
Dolby Atmos版もサラウンド自体は十分良かったが、アクション作品として考えると、やはりしっかりとしたダイナミックレンジがある方が映像の勢いに合う。トップスピーカーの積極性では少し物足りなさが残るものの、リアの強い包囲感、鋭い音の移動、そして十分な音圧を備えたDTS:X版はかなり相性が良い。アクションの迫力を重視するなら、こちらをぜひおすすめしたい。
聞きどころ
「聞きどころ」は見どころを含むシーンでもあります。
そのため「聞きどころ」には、シーン内容に関するネタバレが含まれます。
未視聴の方や事前情報を入れたくない方はご注意ください。
一方で、短時間で見どころを把握したい方、ネタバレを気にしない方には参考になる内容です。
オープニングバトル
前半は音楽メイン、後半にIMAXで迫力あるバトルに。
ソヴリン艦隊に追いかけられる
チェイス>小惑星>最後の着陸と、どんどん派手に。
ロケットのトラップ
ロケットの性格が出ているアクション。後半は会話メインでサラウンドはまずまず。
ラヴェジャーズから逃げる
ほとんどはBGMだが、やはり音は鋭く素晴らしい。ワープで顔芸と強い包囲感に。
ネビュラがガモーラを襲撃
飛行船で撃ちまくり。銃撃の重さや、爆発の迫力も素晴らしい。
vs エゴ
終盤が一番派手なMCU仕様。音も映像も相当なレベル。
総評
ファミリー感がより強くなった、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』第二弾。
前作ではチーム結成までが中心だったが、今回はピーターの父エゴやマンティスといった新キャラクターが加わる一方で、既存メンバーそれぞれの背景や性格もさらに深く掘り下げられている。出会いを描いた前作から一歩進み、彼らがなぜ今のような人物になったのか、そしてなぜこのメンバーで一緒にいるのかが、より分かるようになった。
中でもベビー・グルートがとにかく可愛らしく、小さな体を活かしたギャグやアクションも多いため、正直今作で一番目立っていたと思う。他のメンバーとの掛け合いも、ベビー・グルートだからこそ成立するものが多く、チーム全体の空気をさらに柔らかくしていた。
ソヴリン、エゴ、ラヴェジャーズの面々もそれぞれかなり個性的で、さらにシルヴェスター・スタローンまで短いながら印象に残る形で登場する。登場人物はかなり多いのに、それぞれが埋もれずに描かれているのは素晴らしいところ。
映像は前作以上に派手で美しく、IMAX Enhancedの広がりも相まって宇宙のスケール感はかなり強い。DTS:X音声もアクションでの鋭い威力とサラウンドの動きがしっかりしており、ホームシアターとの相性はかなり良かった。
相変わらず喧嘩ばかりのチームではあるが、なんだかんだでまとまり、新たな仲間も加わってさらに賑やかになっていく。その過程が微笑ましく、派手なヒーロー映画でありながら、最後に残るのはやはりキャラクター同士の関係だった。
家族というテーマを軸に、ガーディアンズというヒーローチームの独自性をさらに深く理解できる続編だった。
公式予告編
※予告編は本編とは画質・音質が異なる場合があります。
