クロール ―凶暴領域― 

作品データ

作品名
クロール ―凶暴領域―
Crawl
公開年
2019年
ジャンル
キャスト
カヤ・スコデラリオ / バリー・ペッパー /
モーフィッド・クラーク / ロス・アンダーソン
レビュー対象
Apple TV
映像仕様
4K/Dolby Vision
音声仕様
Dolby Digital Plus 7.1
当サイト評価
総合 9/10
音響 10/10
外部評価
IMDb 6.1 / 10
Filmarks 3.4 / 5
映画.com 3.1 / 5
他サービス
Prime Video : HD/SDR/5.1ch
U-NEXT : HD/SDR/5.1
Hulu : HD/SDR/2ch
Blu-ray : HD/SDR/7.1ch
UHD Blu-ray : 4K/Dolby Vision/7.1ch

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STORY

あらすじ

大型ハリケーンが迫る中、父と連絡が取れなくなった女性ヘイリーは、避難命令が出る中で実家へ向かう。
しかし、地下室で負傷した父を見つけた直後、2人は想像を超える危険へ巻き込まれてしまう。

激しさを増す暴風雨、浸水していく家、そして逃げ場のない閉鎖空間。
限られた時間の中で、生き延びるための極限のサバイバルが始まる。

自然災害の恐怖と緊張感あふれるサバイバルを描いたパニックスリラー。

REVIEW

作品レビュー

ワニ映画というジャンルの中でも、単なるモンスターパニックで終わらない丁寧さを持った良作だった。

物語の流れ自体は非常にシンプル。
大型ハリケーンが迫る中、実家に取り残された父を助けに向かった主人公が、
逃げ場のない地下空間でワニに襲われるという、ある意味かなり王道のサバイバル作品だ。

ただ、本作が面白いのは、そのシンプルさの中にしっかり人物背景を織り込んでいる点だろう。
主人公が水泳選手という設定は単なる飾りではなく、極限状況を生き抜く説得力にしっかり繋がっている。
また、父との少しぎこちない親子関係も物語の軸になっており、ただ逃げ回るだけでは終わらない。
大袈裟になりすぎず、程良くドラマ要素を加えているのも好印象。

そして、何より良かったのがワニの描写だ。
本作のワニは巨大怪獣のように誇張されたサイズではなく、実際に存在していてもおかしくない現実的な大きさ。
その絶妙なリアルさが恐怖を増しており、本当にこういう事故が起きそう、と思わせる説得力がある。
怪物映画というより、自然災害に近い怖さを感じさせるタイプだ。

主人公達がボロボロになりながら、それでも必死に生き延びようと奮闘する姿も見応え十分。
派手な作品ではないが、終始緊張感があり、質の高いアニマルパニック映画として非常に完成度が高い。

ワニ映画と聞いて想像するようなB級感は薄く、しっかりと楽しめる一本になっている。
映像、音声のクオリティも高く、サバイバル系や動物パニックが好きならオススメだ。

SPEC

メタデータ

映像レンジ / 解像度
Dolby Vision / 3840 × 1596
輝度データ
Dolby Visionのためデータ取得不可
映像ビットレート
最大 24.45Mbps / 平均 14.91Mbps
音声 / 音声ビットレート
Dolby Digital Plus 7.1ch / 642kbps
VIDEO

映像レビュー

ピーク、平均ビットレート共に4K作品としてそこまで高くはないものの、映像品質は良好だ。

激しい暴風雨や水しぶきが多いシーンでも破綻しにくく、ノイジーさを感じる場面も少ない。
配信作品として見ればかなり安定している。

全体的に薄暗いシーンが多い作品だが、光の描写は非常に現実感がある。
停電気味の家の中や、限られた光源しかない地下室の雰囲気も自然で、変に見づらく感じることは少ない。

ワニの質感は素晴らしく、濡れた皮膚感や重量感のある動きは非常にリアルで、生物としての存在感がしっかりある。
CG感もほとんど感じられず、恐怖演出に上手く繋がっている。

また、暗い地下空間でも黒潰れしにくく、細かな描き分けは良好。
差し込む光や水面の反射などもリアルで、閉鎖空間の圧迫感を映像面からしっかり支えている。

派手さ重視ではないものの、作品の恐怖とリアリティを丁寧に支える高品質なDolby Vision映像だった。

AUDIO

音声レビュー

Low Frequency Effect 3.5

一部シーン以外は平均的

ダイナミックレンジ 4.5

かなり迫力あり、ワニは特に。

定位感・移動感 3.5

後ろの定位感は良いが、移動感などは乏しい。

環境音 5.0

暴風雨は強烈で、地下の響きや水の滴りまできっちり。

トップ 4.0

災害系の例に漏れず、アップミックスは効果的。

配信では非常に珍しい7.1ch仕様。
Blu-rayやUHDの構成と同じで、配信ではAppleTVのみ対応しているが、その効果は非常に大きい。

本作最大の魅力は、何と言っても環境音の密度だろう。
強烈な暴風雨が全チャンネルから鳴り響き、真後ろのサラウンドチャンネルまでかなり積極的に使用される。
特に環境音は、ほとんど鳴っていない時間が無いほど作り込まれており、常に緊張感が続く。

外では雷雨と激しい風、地下では流れ込む水音、天井から滴る雨水まで大小様々な音が絶え間なく入り続け、閉鎖空間の恐怖をしっかり演出している。空間表現の密度はかなり高く、ホームシアター環境では没入感も相当強い。

レンジ感も非常に優秀。
特にワニ関連の音は迫力十分で、唸り声は低く鋭く、重みもある。
突然様々な方向から迫ってくる感覚もしっかり作られており、見えない恐怖を音が強く支えている。

Dolby Atmosではないものの、アップミックスとの相性はかなり良い。
特に雷雨のシーンでは高さ方向への広がりも自然に加わり、Atmos環境ならより包囲感が増す。
地下空間が主な舞台というシチュエーションを考えると、もしAtmosミックスだったなら相当凄い作品になっていただろう。
もちろん、ヘリや足音など一部では高さ方向の効果は限定的だが、それが気にならないほど広がり感は素晴らしい。

正直に言えば、本作は5.1ch環境でも十分に良い。それほど音の密度が高く、最後まで勢いが落ちない。
常に何かが鳴り続ける設計ながら、決して雑にはならず、聴いていて純粋に楽しい。

ホームシアターファン視点なら、文句無しに高評価を付けたくなる音響作品だった。

SCENES

聞きどころ

ネタバレ注意

「聞きどころ」は見どころを含むシーンでもあります。
そのため「聞きどころ」には、シーン内容に関するネタバレが含まれます。
未視聴の方や事前情報を入れたくない方はご注意ください。
一方で、短時間で見どころを把握したい方、ネタバレを気にしない方には参考になる内容です。

15:35~22:45
迫力大

地下へ父親を探しに

ワニの迫力は素晴らしく、地下の響きもリアルに。

28:15~32:15
迫力大

二体のワニが襲撃

とにかく迫力抜群。

37:05~41:05
サラウンド活用 トップ活用

コンビニ強盗

屋外でアップミックス効果大。ワニ視点は後ろを使う。

44:30~50:20
サラウンド活用

警察の見回り

家の中と外の視点あり、暴風雨はもうずっと続く。

53:20~1:23:10
包囲感 終盤見せ場

地下から脱出〜エンドロールまで

状況が変わると共に音も様々に使われる。
堤防決壊の低音は素晴らしい。

SUMMARY

総評

シンプルなストーリーながら、親子関係や主人公の背景をしっかり活かし、非常に丁寧に作られたアニマルパニック映画だった。
リアルなサイズ感のワニだからこその恐怖も強く、ボロボロになりながら生き延びようとする姿には自然と引き込まれる。

ホームシアター視点でも、暴風雨に包まれる7.1chサラウンドとワニの重厚な音は非常に魅力的。
派手すぎないが、最後まで高い緊張感を楽しめる良作だった。

当サイト評価
総合 9 / 10
音響 10 / 10

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