アンダーウォーター

作品データ

作品名
アンダーウォーター
Underwater
公開年
2020年
ジャンル
キャスト
クリステン・スチュワート / ヴァンサン・カッセル /
ママドゥ・アティエ / T・J・ミラー /
ジェシカ・ヘンウィック
レビュー対象
Apple TV
映像仕様
4K/Dolby Vision
音声仕様
Dolby Digital Plus 7.1
当サイト評価
総合 8/10
音響 10/10
外部評価
IMDb 5.9 / 10
Filmarks 3.4 / 5
映画.com 3.0 / 5
他サービス
Prime Video : HD/SDR/5.1
Hulu : HD/SDR/2ch
Blu-ray : HD/SDR/7.1ch
STORY

あらすじ

深海の海底基地で働く技術者ノラは、突如発生した大規模な事故によって施設が壊滅的な被害を受け、
生き残った仲間達と共に極限の脱出を試みる。

地上から遥か離れた深海、限られた酸素、崩壊していく設備。
さらに、暗闇に潜む“何か”の存在が彼らを追い詰めていく。

逃げ場のない深海を舞台に、圧倒的な閉塞感と恐怖を描くSFサバイバルスリラー。

REVIEW

作品レビュー

この作品は、一言で言えば“深海版エイリアン”とも言えるような、閉鎖空間SFモンスタースリラーだった。

舞台は深海基地。
外へ出ても安全な場所は無く、暗闇と圧倒的な水圧に囲まれた極限環境というだけで緊張感は十分。
さらに、「何かがいる」という恐怖が常に付きまとい、逃げ場の無さも相まって、
作品全体を通して息苦しいような緊張感が続いていく。

本作は派手な展開だけに頼らず、見えない恐怖をじわじわ積み重ねていくのが上手い。
暗闇の先に何がいるのか分からない不安感、音だけが響く空間、
次に何が起きるか分からない恐怖感など、ホラーに近い雰囲気もある。

また、最後までしっかり見せ場が続く構成も良い。
中盤以降も勢いが落ちにくく、終わりまで緊張感を維持したまま走り切るため、飽きにくい。

日本ではメディア販売がなく、おそらく配信サービスでの見放題対象になる可能性も薄い、
少し不遇な立ち位置の作品ではあるが、SFモンスター作品として見れば十分に水準は高い。
特に音響の作り込みは素晴らしく、ホームシアター環境では魅力が大きく増す。

総じて、超大作というタイプではないが、佳作以上と言って良い完成度。
閉鎖空間SFやモンスター系作品が好きなら、十分おすすめできる一本だった。

SPEC

メタデータ

映像レンジ / 解像度
Dolby Vision / 3840 × 1600
輝度データ
Dolby Visionのためデータ取得不可
映像ビットレート
最大 24.56Mbps / 平均 14.83Mbps
音声 / 音声ビットレート
Dolby Digital Plus 7.1ch / 642kbps
VIDEO

映像レビュー

CHECK POINT

暗い深海での汚れと、ライトのコントラストがDolby Visionで活きる

4K/Dolby Vision対応ということもあり、映像品質はかなり高い。

本作は描写される場面がかなり限定的で、ほぼ全編に渡って暗いシーンが占める。
しかし、その暗さの中でも黒潰れは少なく、視認性は良好。
暗闇に包まれた深海基地というシチュエーションを、非常に上手く映像へ落とし込んでいる。

特にライト表現は印象的で、暗い空間の中に浮かぶ照明やスーツのライトは眩しいほど綺麗。
Dolby Visionの効果も大きく、暗所とのコントラストがしっかり感じられ、
ライトの微妙な色味の違いまできっちり描き分けられている。

それほどビットレートは高くないが、解像感も非常に優秀。
スーツ類の細かなディテールはもちろん、海中を漂う泥や土、プランクトンのような細かな粒子表現もリアル。
過剰にクリアへ寄せすぎず、海中らしい見え方を残している点も好印象だった。

総じて、映像面に関しては文句無し。
ほとんどが深海と海底基地という構成ながらも、暗闇の美しさとリアリティを高いレベルで表現した映像だった。

AUDIO

音声レビュー

Low Frequency Effect 4.5

かなりの頻度で使い、重さも素晴らしい。

ダイナミックレンジ 4.0

十分に迫力あり。

定位感・移動感 3.5

定位や移動感よりも包囲感系。

環境音 5.0

圧倒的な密度で、まるでそこにいるかのよう。

トップ 4.0

かなり効果あり。明確な定位より上方向に広げるタイプ。

音響の作り込みは本当に素晴らしい。

本作では、配信作品としては非常に珍しい7.1ch仕様を採用しており、その恩恵はかなりのもの。

後方チャンネルの使用頻度は高く、崩壊していく海底基地の軋み、水滴、金属のガタつきなどが絶えず鳴り続ける。
静かな場面ですら完全に休まることは少なく、“安全な場所が無い”という空気感を音で徹底的に演出している。

Atmos対応ではないものの、アップミックスとの相性はかなり良い。
特に施設崩壊時の轟音や水圧による破壊音は全方位的に広がるため、高さ方向の包囲感も自然に加わる。
Atmos環境ならかなり楽しめるタイプの作品だろう。

低音も後半になるほど強力になり、重量感は十分。
クリーチャーの独特な鳴き声や存在感も非常にユニークで、恐怖演出に上手く繋がっている。

そして何より、環境音の密度が非常に高い。
終始何かが鳴っているにも関わらず雑に感じず、空間の説得力として機能しているのが見事だ。

総じて、ほとんど欠点の無いホームシアター向き音響。
サラウンド環境なら魅力は確実に増し、音好きほど満足度が高くなるタイプの作品だ。

SCENES

聞きどころ

ネタバレ注意

「聞きどころ」は見どころを含むシーンでもあります。
そのため「聞きどころ」には、シーン内容に関するネタバレが含まれます。
未視聴の方や事前情報を入れたくない方はご注意ください。
一方で、短時間で見どころを把握したい方、ネタバレを気にしない方には参考になる内容です。

6:15~9:00
サラウンド活用 低音活用

外壁崩壊

短いが、サラウンドも低音もかなり凄い。

30:45~52:00
サラウンド活用 低音活用

生存者探索〜海底トンネル

サラウンドに低音、環境音も全部盛り。

54:40~1:01:45
サラウンド活用

海底歩き

サラウンドはずっと活用。水中での音の響きもリアル。

1:12:40~1:29:50
デモ向き 終盤見せ場

海底基地到着

低音は最高潮、サラウンドもバッチリ。

SUMMARY

総評

この『アンダーウォーター』という作品は、興行収入的にはあまり振るわなかったからなのか、
日本ではメディア販売が行われず、配信でも見放題対象になりにくい少し不遇な作品となっている。

しかし、その内容は埋もれてしまうには余りに惜しい。
閉鎖空間SFとしての緊張感、独特なクリーチャー描写、そして非常に完成度の高い音響設計など、
ホームシアターとの相性は抜群で、SFモンスター好きにとって最高クラスに楽しい作品だった。
特にサラウンド環境では、深海に閉じ込められたような圧迫感と恐怖を存分に味わえる。

SFモンスター作品や没入感重視の映画が好きな人なら、かなりおすすめしたい一本だ。

当サイト評価
総合 8 / 10
音響 10 / 10

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