キャプテン・マーベル

キャプテン・マーベル

IMAXとDTS:Xで楽しむ圧倒的パワーの女性ヒーロー

作品データ

作品名
キャプテン・マーベル
Captain Marvel
公開年
2019年
上映時間
124分
ジャンル
レビュー対象
Disney+
映像仕様
4K/IMAX Enhanced
音声仕様
DTS:X
当サイト評価
総合 8/10
音響 8/10
外部評価
IMDb 6.7 / 10
Filmarks 3.8 / 5
映画.com 3.7 / 5
他サービス
Prime VideoHDSDR5.1ch
HuluHDSDR2ch
Apple TV4KDolby VisionDolby Atmos
Blu-rayHDSDR7.1ch
UHD Blu-ray4KHDR10Dolby Atmos

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STORY

あらすじ

1990年代、宇宙帝国クリーの精鋭部隊に所属する戦士ヴァースは、断片的な記憶と繰り返し見る謎の夢に悩まされながら任務を続けていた。

変身能力を持つスクラルとの戦いをきっかけに地球へたどり着いた彼女は、若き日のS.H.I.E.L.D.捜査官ニック・フューリーと出会う。

自分の記憶に残る地球とのつながりを追ううちに、ヴァースは忘れていた過去と、クリーとスクラルの戦争に隠された事実へ近づいていく。

やがて彼女は、自らの力の正体と本当の名前、そして何のために戦うのかを選ぶことになる。

REVIEW

作品レビュー

MCU初となる女性ヒーロー単独主演映画であり、『アベンジャーズ/エンドゲーム』直前に公開された重要な一作。

舞台はMCUでは珍しい1990年代。物語は、クリー帝国の戦士ヴァースとして活動するキャロル・ダンヴァースから始まる。彼女は自分の過去をほとんど覚えておらず、断片的に残る記憶を追いながら、自分が何者なのかを探していく。

そんな中で関わることになるのが、長年争いを続けるクリーとスクラル。

最初に教えられた「味方」と「敵」の構図をそのまま受け入れるのではなく、一方から聞かされた情報だけでは全体像は分からないという流れになっており、組織から与えられた価値観と、自分自身で見て判断したものとの間でキャロルが揺れていく。

そして地球では、まだ若いニック・フューリーと行動を共にすることになる。現在のMCUで見せる威圧感ある姿とは違い、この頃のフューリーは意外と軽く、キャロルとのやり取りもかなりコミカル。宇宙規模のSFでありながら、二人による90年代バディ映画のような軽快さがある。

時代を感じさせる小ネタも多く、ポケベルや古いパソコンに加え、キャロルが突っ込むBlockbusterもその象徴。Blockbusterは当時のアメリカで巨大なレンタルビデオチェーンだった店で、日本でいうTSUTAYAに近い存在。今ではほぼ姿を消しているだけに、当時を知る人には一発で90年代と分かる懐かしい風景になっている。

キャロルの過去では、空軍パイロットだったことや、マリア・ランボーとの友情や立場も重要で、二人は互いに対等なパイロット仲間。当時は女性軍人が戦闘機による実戦任務をまだ認められていなかった時期でもある。制度や組織から限界を決められてきた過去は、クリーによって力を抑えられるキャロルの境遇とも重なっている。

キャロルの過去に関わるウェンディ・ローソン博士の正体は、クリー人科学者マー・ベル。原作では初代キャプテン・マーベルとして知られる男性キャラクターだが、映画では女性科学者として再構成されている。

能力面では、格闘戦に長けており、手からエネルギーを放つなど十分に強いが、本来の力を解放してからは別格。スペース・ストーン由来のエネルギーを取り込んだ力を完全に使えるようになると、飛行しながら宇宙船を単独で破壊するほどで、マーベル版スーパーマンのようにも見える圧倒的な強さがある。

ただ、本作の中心はそのパワーではなく、誰かに与えられた力よりも、自分の中にあるものを信じ、何度でも立ち上がることこそが、キャロルというキャラクターの核になっている。

ロナンやコラスなど『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』につながる人物や、新人時代のコールソンなど、S.H.I.E.L.D.の過去も描かれる。さらに猫のグースが強烈なコメディ担当として存在感を放ち、フューリーの片目にまつわる出来事まで、意外な形で描かれる。

宇宙SF、90年代ネタにヒーロー誕生譚を組み合わせながら、後のMCUでも重要な存在となるキャロル・ダンヴァースの目覚めを描いた作品だった。

SPEC

メタデータ

映像レンジ / 解像度 / アスペクト比
Dolby Vision / 3840×2160 / 可変(IMAX)
輝度データ
最大 1036nit / 平均 734nit(HDR10時参考)
映像ビットレート
最大 28.55Mbps / 平均 12.23Mbps
音声 / 音声ビットレート
DTS:X / 測定不可
VIDEO

映像レビュー

CHECK POINT

Dolby Visionで際立つマーベルの強烈な発光

様々な派手な光が印象的な4K/Dolby Vision映像。

撮影にはARRI ALEXA 65を中心に高解像度デジタルカメラが使われているが、最終的なDigital Intermediateは2Kで制作されているため、4K映像はそこからのアップスケールとなる。細部を見るとアップスケールらしい柔らかさを感じる場面もあるが、全体としては非常に自然で、十分に高画質と言っていい仕上がり。宇宙空間でも地球での街の描写も細かに描けている。

IMAX Enhancedではアクションシーンだけでなく、クリー星や旧友マリアと再会する場面など、印象的なシーンでも画面が上下に拡大。終盤は特にスケール感が大きくなり、ドッグファイトやロナンの戦艦が登場する場面では、大画面との相性も良い。

そして何より印象的なのが、キャロルが放つ光。腕から撃ち出すフォトンブラストや、本来の力を解放した後に全身が発光する姿は非常に明るく、Dolby Visionの効果を強く感じるポイントになっている。空を飛ぶ時にもその光は一際目立ち、オレンジと青が混ざったような独特の発光は、以降の作品でも一目でキャプテン・マーベルと分かる特徴になっている。

スペース・ストーン由来の青いエネルギーや、クリー側の兵器が放つ緑の光など、鮮やかな発光表現も多い。

その一方で、キャロルの赤と青を基調としたスーツや、クリーの緑を基調としたユニフォームは比較的落ち着いたカラーリング。スーツ表面の模様や細かな質感までしっかり見え、派手な光とのコントラストも良い。

暗い宇宙船内や夜間のミッションでは黒をしっかり沈め、明るい光源との明暗差も大きい。全体的に明るい場面だけでなく、暗部から強烈な発光まで幅があるため、HDR効果はかなり良い。

また少し変わった見どころとして、サミュエル・L・ジャクソンを長時間若返らせたVFXも非常に自然。ここまで違和感なく見せられると、俳優の外見そのものをかなり自由に変えられる時代になったことを感じる。猫のグースにも強烈な見せ場があり、単純な宇宙戦争や派手なVFXだけではない楽しさもある。

画質面で大きな不満はほとんどない。アップスケール4Kではあるものの、Dolby Visionによる発光表現とIMAX Enhancedのスケール感が強く、光り輝くキャプテン・マーベルの強さを視覚的にしっかり見せる映像だった。

技術仕様・マスター情報:IMDb Technical Specifications、Blu-ray.com、メーカー公開情報等を参照

AUDIO

音声レビュー

Low Frequency Effect 4.5

BGMに効果音、どれもいいが特に飛行機関連がすごい。

ダイナミックレンジ 4.5

打撃も中々だが、こちらも飛行機が特にデカい。

定位感・移動感 4.0

飛行戦での移動感は中々良し。

環境音 3.0

乗り物や施設内が印象的。

トップ 2.0

意外にトップ単体での活用はかなり少ない。

素晴らしい迫力と重さを備えたDTS:X音声。

序盤の格闘戦から打撃音にはしっかりしたキレがあるが、物語が進みキャロルの能力が解放されていくにつれて、音のスケールも段階的に大きくなっていく。特にフォトンブラストの威力は音でも分かりやすい。発射時にはレンジが一気に広がり、映像の強烈な光に負けないだけの力強さが加わる。

宇宙船の飛行音やエンジン音も非常に重く、LFEの量はかなり多い。巨大な船体が動く場面やワープ時のエフェクトでは、単に大きな音を出すだけではなく、物体そのものの質量まで低音で感じさせるような作りになっている。

ドッグファイトや終盤のキャプテン・マーベルは動きも激しく、サラウンドも見せ場ではしっかり活用。前後左右への移動感は明確で、飛行物体やエネルギー攻撃が音場を素早く横切る。スローモーションを利用した場面では響きを大きく広げるなど、包囲感を強調する演出も気持ちいい。

一方で意外なのがトップスピーカーの活用が薄いこと。キャプテン・マーベル自身が飛び回り、宇宙船も数多く登場するため高さ方向を使いやすそうな作品だが、トップを単独で強く意識する場面はかなり少ない。

全体へ広がるエフェクトの中で高さを感じることはあるものの、明確に頭上を通過するような使い方は控えめ。そのため、オブジェクトオーディオとして見ると、もう少しトップを積極的に使っても良かったと思う場面は多い。

ただし音そのものの質は非常に高く、リアを含めた効果音のキレは十分で、飛行、爆発、エネルギー攻撃のどれも力強い。LFEもかなり豊富で、MCU作品としてはかなりの重量感を与えている。

トップスピーカーの活用だけを見ると物足りなさは残るものの、映像の派手さに負けないだけのパワーは十分。サラウンドの使い方よりも、音圧と低音、そして一発一発の力強さで押してくるタイプのDTS:Xだった。

SCENES

聞きどころ

ネタバレ注意

「聞きどころ」は見どころを含むシーンでもあります。
そのため「聞きどころ」には、シーン内容に関するネタバレが含まれます。
未視聴の方や事前情報を入れたくない方はご注意ください。
一方で、短時間で見どころを把握したい方、ネタバレを気にしない方には参考になる内容です。

07:40~23:15
低音活用 包囲感

諜報員の救出へ

現地の戦闘より、宇宙船での移動や過去の記憶がかなりの音。

27:30~35:05

地球で敵を追いかける

珍しくIMAXにならないアクションシーン。サラウンドもそんなに。

49:10~55:00
迫力大

シールド施設から脱出

電気の消灯、点灯がやたら大きく、リアの音もデカい。

1:05:30~1:11:20
低音活用 迫力大

過去の記憶

戦闘機の音が素晴らしく、リアも低音もゴツい。

1:33:20~1:46:05
低音活用 終盤見せ場

パワー解放

飛べるようになって更にすごい。小型船やミサイル破壊など重さも良い。

SUMMARY

総評

最初に見た時には、サノスに完膚なきまでに叩きのめされたアベンジャーズ側の、切り札的な存在に見えたキャプテン・マーベル。

本来の力を解放してからの強さは圧倒的で、スーパーマンほど多彩な能力を持つわけではないものの、単純なパワー勝負ならかなり戦えそうに思えるほど。

ただ、キャロルの魅力はその強さだけではない。空軍パイロットとして活動していた時代は、女性が戦闘機による実戦任務をまだ制限されていた頃でもあり、周囲から限界を決められながらも何度でも立ち上がってきた人物として描かれている。時代や制度が変化してきたことを感じられるのも印象的だった。

一方で、若き日のニック・フューリーは現在よりかなり軽い性格で、猫のグースと合わせてしっかりコメディ担当。宇宙規模の物語になっても、MCUらしい軽快さは失われていない。

映像ではIMAX Enhancedによる拡大画角での空中戦が非常に迫力があり、特に終盤は見応え十分。DTS:X音声もそれに負けない力強さがあり、フォトンブラストや飛行船の重さを支えるLFEも大活躍だった。

物語で面白いのは、クリーとスクラルの関係。

一方から聞かされた情報だけを信じれば明確な敵に見えていた相手にも別の事情があり、自分たちに都合の悪い存在を悪として扱うクリーの姿には、現実の帝国主義や軍事介入、プロパガンダ、難民問題などを連想させる部分もある。単純な善悪ではなく、「誰が語った情報を信じているのか」を疑わせる構成も、本作の特徴だった。

『アベンジャーズ/エンドゲーム』直前に登場した重要キャラクターであり、MCU初の女性ヒーロー単独主演作品。世界的にも大ヒットを記録し、圧倒的な強さだけでなく、90年代の時代設定やフューリーとの関係まで、何かと印象に残る一作だった。

当サイト評価
総合 8 / 10
音響 8 / 10

TRAILER

公式予告編

※予告編は本編とは画質・音質が異なる場合があります。

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