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あらすじ
ハワイ沖で行われる大規模な海上演習に参加していた各国の艦隊は、突然出現した正体不明の飛行物体と遭遇する。
未知の存在によって海域が封鎖され、限られた戦力だけが内部に取り残される中、若き海軍士官アレックスたちは地球規模の危機へ立ち向かうことになる。
通信や支援を断たれた状況で、アメリカ海軍と日本の海上自衛隊は協力し、圧倒的な科学力を持つ敵への反撃を開始する。
未熟だった一人の青年が仲間との戦いを通して成長していく姿を描いた、海洋SFアクション大作。
作品レビュー
ド派手な映像と戦艦の格好良さを全面に押し出した、難しく考えず楽しめる海洋SFアクション。
物語の中心となるのは、巨大な敵艦とのスケール感あふれる戦いだ。
海上という逃げ場の少ない舞台で、圧倒的な科学力を持つ相手へ限られた戦力で挑んでいく構図は分かりやすく、これはもうただの好みだが、巨大兵器同士がぶつかり合う映像には素直にワクワクさせられる。
敵となるエイリアンも、ただ無差別に攻撃する存在ではなく、自分たちにとって脅威となる対象を優先して排除していく。
未知の兵器を使いながらも、一定の判断基準に沿って行動しているため、単なる破壊者ではない不気味さがある。
独特の武装に、エイリアンの兵装などもデザインがとても洗練されていて、エイリアン系によくある気味の悪いインパクトよりも高度文明のカッコ良さ重視に思える。
そして本作の大きな見どころとなるのが、アメリカ海軍と日本の海上自衛隊による共同戦線だ。
かつては敵対し、文化や考え方の違いを持つ者同士が、共通の敵を前に協力していく流れは王道ながら、やはりシンプルで熱い。
主人公は能力こそあるものの、物事へ真剣に取り組まず、周囲へ迷惑をかけ続ける未熟な人物として登場する。
そんな彼が仲間を失い、責任を背負わざるを得ない状況へ追い込まれることで、少しずつ指揮官として成長していく。
周囲も理解のある人ばかりで、澱みなく進んでいく。
もちろん人物描写はそれほど深くなく、展開もかなり大味になっている。
兵士たちとエイリアンとの戦いも描かれるが、こちらは戦艦と比べれば規模の小さなものだ。
エイリアンの侵攻の目的も細かく描かれている訳ではなく、あくまでも戦艦を魅せるための舞台装置になっている。
都合の良い流れや勢いで押し切る場面も多いが、本作に求められているのは細かなリアリティより、巨大な戦艦と未知の兵器が激突する爽快感だろう。
特に後半は、海軍映画としての格好良さをこれでもかと詰め込み、理屈よりも勢いと高揚感を優先した展開が続く。
新鋭艦だけでなく、退役したベテラン達にかつて活躍した戦艦も駆り出し、とにかく戦艦のカッコ良さに全振りしたストーリー。
重厚なSFや緻密な軍事ドラマを期待すると物足りなさはあるものの、派手な映像、分かりやすい成長物語、日米の共同戦線という見どころを備えた、王道の娯楽大作として楽しめる一本だった。
メタデータ
映像レビュー
2012年作品のUHDだが、ひと目で圧倒されるほどの高解像映像ではない。
近景では細かな質感までしっかり描かれ、十分に見応えがある一方、遠景ではやや甘さを感じる場面も多い。
ただしBlu-ray版と比較すると、元々そちらが突出して高精細だったわけではないこともあり、全体的な見通しは確実に向上している。劇的ではなくとも、UHD化の意味はしっかり感じられた。
グレインは比較的強めで、全体にフィルムらしい質感が残されている。
色調も派手に振り切るのではなく、やや硬質で落ち着いた印象があり、近年のデジタル作品とは違う映画らしい雰囲気を持っている。
その中でも、エイリアン関連の映像は特に素晴らしい。
独特な形状を持つ巨大戦艦は、一目で地球外の存在だと分かる異質さとスケール感を備え、攻撃的な赤色の光によって敵対性も分かりやすく表現されている。
エイリアンスーツの質感も良く、金属的な表面や細かな造形は高解像度になるほど説得力が増す。
HDRも相まって、HD画質との差を感じやすいポイントの一つだ。
光の表現も印象的で、わずかにブルーム効果を思わせるような柔らかな広がりがある。
水色と赤色を対比させた色使いも分かりやすく、エイリアンの視界や戦艦内部の発光表現は、HDRの恩恵を強く感じられる部分だった。
基本的には明るく爽やかな画作りだが、夜間でも暗部が潰れにくく、階調も安定している。
強い光源と暗い背景の差がより明確になり、HDRによる明暗表現の向上は確実に感じられる。
海上戦が中心のため、水飛沫や波しぶきが画面を覆う場面も多いが、そうした情報量の多い映像でもノイズ感はほとんど気にならない。
以前配信版を確認した際には、4Kであっても場面によって映像の乱れが目についた記憶があるため、安定感という意味でもUHD版の優位性は大きい。
現在の4K作品全体で見れば最高峰というほどではないが、Blu-ray版から画質、HDR、安定感のすべてが着実に向上している。
旧作のアップグレードとして、十分に満足できる仕上がりだった。
音声レビュー
最高とはまではいかないが、素晴らしい。
戦艦メインで衝撃音はかなり強烈。
ミサイルやエイリアン兵器の移動感は抜群。
船内の響きや、波風に山道など場面ごとに。
使いはするが、後ろと比較すると相対的に大人しい。
とにかく派手で、全方向から鳴り続ける圧倒的なサウンド。
サラウンドの活用量だけで見れば、これ以上に賑やかな作品はそう多くない。
画面上ではフロント寄りに存在している音まで後方へ回り込み、常に部屋全体を鳴らすような大胆なサウンドデザインになっている。
そのため包囲感は非常に強く、リアスピーカーの存在感も圧倒的。
「そこまで後ろを鳴らすのか」と思うほど積極的に使われるが、単に音をばらまいているだけではなく、実際に後方にある物体や攻撃は正しい位置から鳴り、方向感もしっかり保たれている。
UHD版ではDTS:Xを収録し、高さ方向の音も要所で活用される。
ただしリア側があまりにも派手に鳴り続けるため、トップスピーカーを一点で強く意識するというより、部屋全体が一つの巨大な音場になる感覚の方が強い。
低音も非常に優秀だ。ただ大きく鳴らすだけではなく、十分な厚みと重量感があり、巨大戦艦同士の衝突やエイリアン兵器の破壊力をしっかり支えている。
エイリアンスーツの一歩一歩にも重みがあり、未知の圧力が音で伝わってくる。
ミサイルや飛翔物が数多く登場する作品なので、高さ方向をさらに派手に使っても良かったとは思う。
それでも、それが小さな不満に感じるほど、前後左右のサラウンド活用は圧倒的だ。
ダイナミックレンジもかなり大きく、冒頭のエイリアン船飛来から一気に迫力を見せつける。静かな場面との差も大きく、戦闘に入った瞬間の爆発力は見事。
特に後方チャンネルの使い方はデモ向けと言っていいレベルで、サラウンド環境の効果を分かりやすく体験できる。
4.0chでも十分な包囲感を味わえるはずで、ホームシアター初心者が「サラウンドとはこういうもの」と感じられる一本としても使いやすい。
映像も十分に派手だが、その勢いにまったく負けない、騒がしくも気持ちの良いサウンド。
ホームシアターで観る価値を強く感じられる、屈指の音響作品だった。
聞きどころ
「聞きどころ」は見どころを含むシーンでもあります。
そのため「聞きどころ」には、シーン内容に関するネタバレが含まれます。
未視聴の方や事前情報を入れたくない方はご注意ください。
一方で、短時間で見どころを把握したい方、ネタバレを気にしない方には参考になる内容です。
宇宙船飛来
飛んでくる船体の移動感に迫力が素晴らしい。
調査
長いシークエンスだが、もう全て凄い。
エイリアンチェック
重さも、サラウンドも使うしで文句なし。
夜の戦艦バトル
ミサイルの動きと迫力は、上より後ろ重視。
戦艦バトル
音も映像も全て派手に。
総評
はっきり言ってしまえば、名作と呼ばれる類の作品ではない。
タイトルとあらすじから想像できる通り、巨大な戦艦とエイリアンが海上で激突する、非常に分かりやすい娯楽映画だ。
人物描写や物語に深みを求める作品ではなく、鑑賞後に考え続けるようなものもそれほど残らない。
しかし、それがいい。
たまに無性に食べたくなるハンバーガーのように、難しいことを考えず、派手な映像と轟音をただ浴びたい時がある。本作は、まさにそんな気分へ応えてくれる一本だ。
物語は王道で、主人公の成長や日米の共同戦線も分かりやすい。
多少の強引さは勢いで押し切り、戦艦やエイリアン兵器の格好良さを次々に見せていく。
細部を気にするよりも、その豪快さへ身を任せた方が圧倒的に楽しめる。
ホームシアターとの相性も非常に良く、画面が大きいほど巨大戦艦のスケールが際立ち、派手なサラウンドはデモ用途にも使えるほど強烈。
映像と音響を設備ごと楽しむ作品としては、かなり満足度が高い。
車や飛行機を見て格好良いと感じるのと同じように、戦艦そのものへ魅力を感じられる人ならきっと楽しめるはずだ。
公式予告編(海外版)
※予告編は本編とは画質・音質が異なる場合があります。
