アリータ:バトル・エンジェル

作品データ

作品名
アリータ:バトル・エンジェル
Alita: Battle Angel
公開年
2019年
上映時間
122分
ジャンル
キャスト
ローサ・サラザール / クリストフ・ヴァルツ /
ジェニファー・コネリー / マハーシャラ・アリ /
エド・スクライン
レビュー対象
Disney+
映像仕様
4K/Dolby Vision
音声仕様
Dolby Digital Plus Atmos
当サイト評価
総合 8/10
音響 10/10
外部評価
IMDb 7.3 / 10
Filmarks 3.7 / 5
映画.com 3.8 / 5
他サービス
Prime Video : HD/SDR/5.1ch
Hulu : HD/SDR/2ch
AppleTV : 4K/Dolby Vison/Dolby Atmos
Blu-ray : HD/SDR/7.1ch
UHD Blu-ray : 4K/Dolby Vison/Dolby Atmos

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STORY

あらすじ

空中都市ザレムの下に広がる、荒廃した街アイアンシティ。

サイボーグ医師のイドは、廃棄物の山から頭部だけになった少女型サイボーグを発見する。
新しい身体を与えられ、アリータと名づけられた彼女には、それまでの記憶が残されていなかった。

初めて目にする街や人々との交流を通して、新たな生活を始めるアリータ。しかし、危険が迫った瞬間、彼女の中に眠っていた驚異的な戦闘能力が目覚める。

自分が何者なのかを知るため、賞金稼ぎが暗躍する街の戦いへ足を踏み入れていくアリータ。
やがてその力は、失われた過去だけでなく、ザレムに支配された世界の秘密へと彼女を導いていく。

REVIEW

作品レビュー

木城ゆきとが1990年に連載を開始した、日本のSF漫画『銃夢』を原作とする実写映画。

大戦によって文明が崩壊してから数百年後。空中都市ザレムの真下に広がるアイアンシティで、サイボーグ専門医のイドは廃棄物の山から少女型サイボーグの一部を発見する。
新たな身体を与えられた彼女は過去の記憶を失っており、イドの亡き娘と同じアリータという名前で生き始める。

原作は未読だが、上下に分断された世界には強く引き込まれた。
富や権力がザレムへ集中する一方、地上の人々は上から捨てられた物資を再利用して暮らしている。階級差が街の構造そのものとして表現されているのが面白い。

舞台の中心はアイアンシティで、大戦の全貌や火星との関係、ザレムを支配する者の目的など、多くの謎は残されたまま。広大な世界の入口を見せるにとどめ、その中で記憶を持たないアリータが自分の力と生き方を見つけていく過程へ重点を置いている。

アリータは無邪気で感情豊かな少女でありながら、戦いになると圧倒的な能力を見せる。この二面性が大きな魅力だ。
大きな瞳を持つCG主体の造形には最初こそ違和感があるものの、表情や視線、身体の動きにはローサ・サラザールの感情がしっかり宿っている。
観ているうちにCGであることを意識しなくなり、機械の身体でありながら周囲の人間以上に人間らしく感じられた。

身体の一部や大半を機械へ置き換えることが当たり前になった世界も魅力的だ。
損傷しても部品を交換できる技術には夢がある一方、身体そのものが武器や商品として扱われる危うさも描かれている。

アリータを拾ったイドは、彼女を機械ではなく本当の娘のように大切にする。過保護に見える態度にも彼自身の過去があり、二人の関係が物語の温かさを支えている。
街で出会う人々との交流を通して、アリータが守られるだけの存在から、自ら道を選ぶ存在へ変わっていく流れも丁寧に描かれている。

アクションの完成度も高く、高速戦闘、巨大なサイボーグとの対決、人気競技モーターボールと、場面ごとに異なる見せ場が用意されている。
機械の身体だからこそ可能な激しい破壊と、アリータの軽やかな動きが組み合わさり、バトル描写はタイトルどおり本作最大の見所になっている。

一方で、アリータの過去やザレムの正体、支配者ノヴァとの対決などは未解決のまま終わるため、一本の映画としては決着が弱い。結末がいかにも続きます、といった締め方になっているので、続編の構想はあったようだ。
しかし、興行収入は大きかったものの、巨額の制作費や宣伝費に加え、公開直後にDisneyによる21世紀フォックスが買収された影響で一時停滞したこともあり、続編は長く実現しないままとなった。

それでもジェームズ・キャメロンとロバート・ロドリゲスは続編への意欲を示しており、物語が完全に終わったわけではない。映像、世界観、キャラクター、アクションのどれも一作で終わらせるには惜しく、いつかアリータがザレムへ向かう続きを観られることを期待したい。

SPEC

メタデータ

映像レンジ / 解像度 / アスペクト比
Dolby Vision / 3840×2160 / スコープ
輝度データ
Dolby Visionのためデータ取得不可
映像ビットレート
最大 28.25Mbps / 平均 16.73Mbps
音声 / 音声ビットレート
Dolby Digital Plus Atmos / 768kbps
VIDEO

映像レビュー

CHECK POINT

光輝く金属表現が秀逸なDolby Vision映像

一目で高画質だと分かる、非常に完成度の高い映像。

解像感はかなり高く、複雑に入り組んだアイアンシティの景観から、裏路地の汚れや建物の細部まで精緻に描かれている。
全体的に夕陽を思わせるオレンジ寄りの色調で、荒廃した下層都市でありながら、活気ある街の雰囲気によく合っている。

数多く登場するサイボーグも、それぞれ異なる造形で非常に個性的。
主役のアリータは、最初こそ大きな瞳を持つCGの姿に違和感を覚えるかもしれない。
しかし見慣れてくると、肌のきめ細かさや表情、瞳への光の映り込みまで繊細に作られていることが分かる。

前半と後半では身体も変化し、後半の特別なボディは、滑らかな表面や金属の質感まで明らかに上質な仕上がり。

ハンター・ウォリアーたちも、装飾の美しい身体から傷や汚れの残る戦闘向けのものまで、細部にわたって作り込まれている。

特に素晴らしいのが金属表現だ。
滑らかな装甲、傷ついた鉄、鋭く反射する刃物など、素材ごとの光の違いが明確で、Dolby Visionの輝度表現が大きく貢献している。

暗部はしっかりと黒を沈ませ、光とのコントラストも強い。
夜間や暗所でのアクションが多いものの、人物や背景が見えにくくなることはなく、黒の中にある情報もしっかり確認できる。
モーターボール会場は眩しいほど華やかで、夜のアイアンシティでは街灯や看板の光が暗闇の中へ美しく浮かび上がる。

本当に綺麗で、ノイズもほとんど感じられず、全編を通して非常にクリーン。

都市、人物、機械、金属と、あらゆる質感が高い水準で描かれた、配信でも最高クラスの映像だ。

AUDIO

音声レビュー

Low Frequency Effect 4.0

大きな物はきっちり重い。

ダイナミックレンジ 5.0

強烈。アクションシーンはどれも素晴らしい。

定位感・移動感 4.5

動き回るシーンがかなり多い。

環境音 4.0

街の喧騒や、観客の歓声はとても賑やか。

トップ 4.0

画面の上にあるものは上で表現。

本当に素晴らしい、最上級クラスのサラウンドサウンド。

アクション時の効果音は非常に鋭く、金属同士がぶつかる音には耳へ突き刺さるようなキレがある。
サイボーグ同士の戦いなので、刃物が装甲を切り裂く音や機械の関節音など、硬質な効果音が多く、それぞれの素材感まで伝わってくる。

リアチャンネルの使用頻度も高く、背後から迫る敵や飛び交う破片の位置も分かりやすい。
特にモーターボールの場面は圧巻で、高速で走る選手が前後左右へ激しく移動し、音の方向感と移動感を存分に楽しめる。
衝突音や歓声、アナウンスも周囲へ広がり、競技のスピードと荒々しさをそのまま体感できる。

ダイナミックレンジもかなり大きく、音の良さも相まってアクションシーンはどれも素晴らしい迫力になっている。
低音も常に鳴らすのではなく、巨大なサイボーグの足音や重量物の落下、爆発といった場面で強く印象付けられている。

Dolby Atmosの高さ表現も積極的。
頭上を通過する物体や、上下へ広がる効果音だけでなく、街の響きや会場の歓声にも高さが加えられている。

更に優れているのは、派手なアクションだけではないところ。
アイアンシティでは人々の話し声や機械音が周囲へ広がり、沈没船の探索では静けさと水中の響き、モーターボール会場では観客の歓声によって大空間を表現する。
場面ごとにマルチチャンネルを使い分け、強い包囲感を作り出している。

方向感、移動感、高さ、低音、ダイナミックレンジ、環境音のどれも完成度が高い。
映像に負けない、ほとんど欠点の見当たらない素晴らしいDolby Atmosサウンドだ。

SCENES

聞きどころ

ネタバレ注意

「聞きどころ」は見どころを含むシーンでもあります。
そのため「聞きどころ」には、シーン内容に関するネタバレが含まれます。
未視聴の方や事前情報を入れたくない方はご注意ください。
一方で、短時間で見どころを把握したい方、ネタバレを気にしない方には参考になる内容です。

25:40~31:40
迫力大

夜のハント

武器の振り回しは上も使う。刃物の鋭さが素晴らしい。

42:10~46:00
サラウンド活用 迫力大

モーターボール観戦

激しくぶつかる迫力と、前後の移動感が強い。

49:30~53:00
包囲感

沈没船

静かなシーンだが、包囲感が素晴らしい。

56:00~1:10:50
サラウンド活用 迫力大

酒場バトル

物凄い迫力とキレに、サラウンドもたっぷり。

1:28:30~1:42:00
デモ向き

トライアウトボール

映像と音がバッチリ合った、一番の聞きどころ。

1:45:00~1:56:50
迫力大

リベンジ

会話を挟みながら、上へ上へ。

SUMMARY

総評

魅力的な世界観の上に築かれた広大な設定をすべて語り切るのではなく、記憶を失ったアリータが人と出会い、自身の過去と生き方を見つけていく過程に焦点を当てた構成となっていた。

世界の成り立ちやザレムの正体、大戦の詳細など、多くの謎を残したまま終わるため、一本の映画としては少し消化不良にも感じる。
それでも、魅力的な都市世界、個性的なサイボーグ、感情豊かな主人公、勢いのある戦闘によって、最後まで強く引き込まれた。

CGを多用した作品だが、アリータにはしっかりと人間味があり、機械の身体でありながら誰よりも純粋に見えるのが面白い。
戦いの中で自分の過去へ近づき、守られる存在から自ら道を選ぶ存在へ変わっていく姿にも説得力がある。

脇を固めるキャラクター達も、アリータの成長を後押しする原動力となっており、決して主人公だけが目立つ作品ではなかった。

日本漫画的な造形とハリウッド大作らしいスケール感がうまく融合しており、似た雰囲気の作品があまり無い点も大きな魅力だ。

映像と音響の完成度も非常に高く、ホームシアターで観る価値は十分。

続きを前提にしたような終わり方だけに、これほどの世界を一作で止めてしまうのは惜しい。
いつかザレムへ向かう物語の続きが描かれることを期待したい。

当サイト評価
総合 8 / 10
音響 10 / 10

TRAILER

公式予告編

※予告編は本編とは画質・音質が異なる場合があります。

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